ドラゴンクエストⅤ - 天空の花嫁
1992年にスーパーファミコンで発売された天空シリーズの第1弾で、今年の3月にプレイステーション2版としてリメイクされました。
個人的にドラクエシリーズはロト3部作以降はシステムの細かい改良はあるものの、ストーリーが複雑化して行く事で矛盾ばかりが目立ち出した駄作だと思っているのですが、今回のリメイク作品は色々と刮目すべき点を持つ良作だと感じました。
物語としてはオリジナル版と殆ど相違していないようなので特別書く事もないのですが、システム回りの改良が非常に良く出来ています。
先ず世界フィールドの表現方法が面白いと思いました。視点が俯瞰よりもやや寝かせた位置に設定されているので遠くの景色が程度良く見渡せるようになっています。そして地平線が丸みを帯びているのです。これはポリゴンで作成された地形を画面の端で拡大縮小しているのだと思うのですが、独特な移動感覚を提供してくれています。この部分を見るだけでも買う価値があるのではないかと思わせるほどです。
戦闘シーンはコマンドの結果がアニメーションで表示されるのですが、前のコマンドの尻と次のコマンドの頭を干渉させる事で無駄な時間を省き、テンポよく進ませるよう工夫されています。
この手のアニメーションは制作者のエゴを強く感じさせる事も多々あるのですが、ユーザーへの配慮を最優先しているのは流石ドラクエシリーズだなと感じました。
テンポが早過ぎてコマンドの結果が分かり難いと思える事もあるくらいです。しかし経験値稼ぎのあるゲームですので丁度良い按配なのかも知れませんね。
DVD-ROMをメディアとして採用した事で音楽がフルオーケストラで演奏されているところもファンには嬉しい限りです。
ただ難易度がオリジナルと比較して少し簡単過ぎるのではないかとも感じました。
簡単になった理由は戦闘のテンポが上がった事と、戦闘に参加出来る仲間の人数が一人増えた為だと思います。それ以外では最近のドラクエには欠かせない存在となった四次元ポケット「袋」が導入されたからですね。
もともとオリジナルのドラクエⅤはゲームバランスに難のあった方ですので、今回リメイクする際に調整がなされたのでしょう。ここは人に依って評価の分かれるところだとは思います。
でも戦闘の面白いRPGは文句なしに楽しいですね。久し振りに家庭用のゲームをクリアするまで遊び込んでしまいました。これがリメイク作品でなければもっと楽しめた事でしょう。子供の頃にゲームをクリアした後で、このゲームの記憶だけ都合よく忘れてしまえないかなと真面目に考えたものです。
リメイク作品だけれどもそう思わせないだけの力と新鮮さを持っているドラクエⅤですので、ゲームから疎遠になってしまった大人の方に是非とも遊んで欲しいと思います。ドラクエⅧのボーナスディスクも次作への期待を大きく膨らませてくれる内容を持つ素晴らしいものとなっていますよ。
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