スペースハリアー
1985年の年末にセガより発売された体感ビデオゲームです。
リアルタイムでこの作品を見た方は皆同様な感想をお持ちだと思うのですが、背筋が凍るほどの本当に衝撃的なゲームでした。
ビデオゲームに本物の生きた3次元を初めて持ち込んだゲームだと云えるでしょう。現在のポリゴン全盛の時代にあって本物の3Dと云えば嘘になりますが、ハードの力で多数のスプライトを拡大縮小する事に依り擬似的な立体感を巧みに表現していたのです。
ゲーム内容はリアビューのシンプルな3Dシューティングと云えますが、高速で迫り来る背景と主人公ハリアーの動きに連動して前後左右に傾く筐体〈ローリングシート〉、当時貴重だったFM音源によるBGM、ファンタジーとメカを折衷させた世界観とでプレイするユーザーを飽きさせませんでした。
操作性も抜群に良く、それまでの3Dゲームにあった重苦しさとは無縁の軽やかなものでした。また主人公の攻撃する弾も或る程度は敵に向かって飛ぶので、遠くの敵に当たらないと云うストレスも提供しません。
敵の攻撃は常に主人公に向けて発射されるので、画面上を大きな円を描くように移動すれば絶対にやられる事はないのですが、それではゲームになりませんから破壊不能な障害物があり、それを避ける為に円運動の大きさや切り返しを考えなければならない攻略法も斬新でした。
何もかもが新しく見える本ゲームはビデオゲームの新時代を開くに相応しい作品でした。
セガの体感ゲームは「ハングオン」に始まり、「スペースハリアー」「アウトラン」「アフターバーナー」と大ヒットを連発し快進撃を我が物としました。何れもバーチャファイターでお馴染みの鈴木裕さんのプロデュース作品です。
これだけの素晴らしさを持った「スペースハリアー」ですが、現在の目で見てしまうと凡庸なゲームに見えてしまうのはハード優先型の作品の宿命であるとすれば致し方ないところでしょう。
しかし、ゲーム性と云う点で見れば今でも十分に楽しめる作品である事には相違ありませんので、機会があれば是非遊んで欲しいゲームだと思います。
最近プレイステーション2で発売された「SEGA AGES スペースハリアー」はアレンジ版のみでオリジナルが収録されていないようです。これでは誰に向けられて開発されたゲームなのか分かりませんね。残念です。
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コメント
どうも初めまして。「スペースハリアー blog」で検索してたどり着きました。
「ドラムでスペースハリアー」「多機種移植」「スペハリII」「スペースハリアーの歌詞」についての記事を立ててます。
http://punigo.jugem.jp/?eid=2 08
もしよろしかったら見てみて下さい。
「アフターバーナークライマックス」「アウアーアーアー」についての記事もありますので、こちらもよろしかったらどうぞ。
http://punigo.jugem.jp/?eid=2 07
…。
……。
………。
…このゲームをリアルタイムで見た時(当時小学生)は、
残念ながらムービング筐体ではなかったのですが、
このゲームのBGMが印象に残っていたのを覚えています。
あと、最後の1人が倒された時になぜか起き上がってゲームオーバーになるのも印象に残ってます。
…で、続編のメガドライブ版「スペハリII」、かなり期待してたんですが…。
ハリアーがやられるたびに音楽が止まって流れを妨げてたのが一番痛かったです…。
同時期に出てた「獣王記」もそうだったんですが、キャラクターの声が出るシーンで音楽が止まってたんですが…何故なんだろう…今でも謎です。
投稿: 都筑てんが | 2006/11/24 19:58
都筑てんが様はじめましてです。管理人のバブシカと申します。
ブログ拝見させていただきました。
YouTubeってあれだけの動画が揃っているんですね。殆ど利用した事がなかったので驚きです。
スペハリ、ミスした際に音楽が止まるのはオリジナルからの演出になっているのかな? 仕切り直しと云う意味では間違いではないと思うのですが、次の場面に繋げるソフトウェア的なシステムがⅡでは失敗しています。あの続編は全てが失敗しているので些細な部分だとは思います。一カ所を良くしたから面白くなると云うレベルではありませんからね。
獣王記の音切れは内蔵音源が足りなくなるからでしょうね。
投稿: バブシカ | 2006/11/27 08:25
メガドライブはその仕様上
ボイスと音楽とを同時に鳴らすことは出来ません。
サンダーフォースⅡ~Ⅳもそうでした。
投稿: | 2010/07/23 19:20