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2004/10/12

プリーズ・プリーズ・ミー/ THE BEATLES

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ビートルズが1963年に発表したデビューアルバムです。
彼らについては殆ど全ての事が語り尽くされているので特に書く事もないのですが、このアルバムに関しては予算などの都合上約半日で一発録りに近い形で作られた事もあり、非常にライブ感のある佳作に仕上がっています。
私が初めて購入したビートルズのアルバムは「パストマスターズ2」だったのですが、ご存知のようにシングル曲やアルバムから何らかの理由で漏れた曲の集合であるこのアルバムを好きになれませんでした。ビートルズとはこんなものなのかと以降聴く機会を自ら放擲してしまったのです。
数年後、バンドでビートルズを演奏しようと云う事になり必要上「プリーズ・プリーズ・ミー」を購入しました。
改めて聴いたビートルズは衝撃的でした。私の今迄抱いていた印象である「パストマスターズ2」の単調さや「レットイットビー」「ヘイ・ジュード」など有名曲の辛気臭い感じとは無縁の勢いのあるデビューアルバムは、それこそ私を夢中にしてくれました。キャッチーでハードなロック、甘くて切ないバラード、カヴァーを自家薬籠箱にしてしまう力、盗作まがいのポップス(アスクミーホワイ、PSアイラブユー)。全てが新鮮でした。
以降私はすぐさまビートルズの全アルバムを買い揃えてしまいました。順を追って聴く事で「パストマスターズ2」の意味や位置も判然し好きなアルバムとなりました。
この事で勉強させられたのは、たった一枚のアルバム、ひとつの作品で全てを評価しないと云う態度です。もし初めて購入したアルバムが初期の名曲がぎっしり詰まっている「パストマスターズ1」であったのなら、私はここでビートルズのファンになっていただろうと思います。しかし今では「パストマスターズ2」があったからこその自分だと思えるのです。このアルバムと「プリーズ・プリーズ・ミー」こそがまさしくマストアイテムだと云えます。
もしビートルズを真剣に聴いた事のない方がいるならば、年代順を追って購入する事をお奨めします。聴いていないビートルズのアルバムの数だけ人生に幸せが残っているなんてとても羨ましい事実ですよ。

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