ドラゴンバスター (1)
1985年にナムコから発表されたビデオゲームです。
当時はゲーム雑誌を通じてRPGが国内で紹介され始めた時期でもありました。国産初のRPGとしては84年に「ブラックオニキス」がPCで発売されると人気を博し、翌85年にコンピューターRPGの元祖とも云える「ウルティマ」と「ウィザードリィ」が国産PCへと相次いで移植されました。
以後、PCソフトメーカーが競うようにしてRPGを発表して行く事で、国内でも不動の1ジャンルとして定着したのです。
「ドルアーガの搭」を参考にしたと思われるアクションRPG「ハイドライド」も84年後半に発売され空前絶後の大ヒット作品となりました。
このようにユーザーへの認知度が飛躍的に上がって行った RPGではあったのですが、実際にプレイして新たな面白さを享受出来たのは、高級なパソコンを所持する事の許された一部の人達だけだったと云えるでしょう。
それ以外のユーザーは巷で中毒者を続出させているRPGと云うものを、雑誌の記事や想像だけで追い求め、羨望の指をくわえているより他ありませんでした。
そのような時にナムコから発表されたのがRPGの風味を持った本作「ドラゴンバスター」でした。まさに飢餓している人が飛び付くかのように勢いで群がりヒット作品となったのです。
ナムコは前年にRPG要素の詰まった名作「ドルアーガの搭」を発表していますが、ゲームルールが特殊であったのと難度が高かった事から一般ゲーマーには支持されずにいました。
「ドラゴンバスター」はRPGの世界観をグラフィックで強く表現していましたが、基本はアクションゲームであったのでプレイするユーザーを選ばなかったと云えるでしょう。
剣や盾を装備すると主人公が強くなる。ファイアボールの魔法が使える。アイテムで体力の回復が行える。また体力の上限も増えて行く。王冠や杖と云った特定の場所で効果を発揮するアイテムがある。スケルトンには魔法が効かない…など。聞きかじった事のある知識が目の前で展開されて行く事に興奮を覚えて夢中になった方も多いと思います。
ゲームセンターの中では「ドラゴンバスター」が発表された事によってRPG元年を迎えたと云っても過言ではなかったのではないでしょうか。
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