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2004.11.14

メイド イン ワリオ

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2003年に任天堂から発売されたゲームボーイアドバンス用のソフトです。

昨年もっとも感銘を受けた作品です。
内容はミニゲームの集合体でその数は200種類もあるようです。ひとつのゲーム自体は3秒から8秒程度のごく短く単純なものでしかないのですが、矢継ぎ早に進んで行くテンポが独特のゲーム性を提供してくれます。
ボタンひとつのみで遊ぶもの、レバーだけで操作するものが全てですので、普段ゲームを遊ばない方でもその瞬間から楽しめるものとなっているのが優れている部分と云えますね。任天堂が考えるゲームに対しての思想が色濃く現れた実験作であり、今後の方向性を決定づけた画期的な作品となっています。

この作品はとやかく説明するよりも先ずは遊んでいただきたいゲームとしか云えません。ゲームとしての原初的な面白さに充ち満ちています。ゲーム&ウォッチを初めて手にした時の感動が甦って来るかのような印象さえ与えてくれます。

様々なミニゲームを次々遊ぶと云う特性上、瞬間的な発想の転換を余儀なくされる部分に密度感が隠されているのではないかとも思います。また、それぞれのゲームが簡単ではあるけれど特異な操作性を有しているので、感覚的に内容を理解しなければクリア出来なかったりもします。1度目は意味不明だったゲームが2度目に理解出来て、3度目にはクリア出来た…と云う反復を前提とした学習性も用意されています。

ひとつのステージが10面から20面ほどの長さで4回の失敗を許容しています。この調整も絶妙で何度でも挑戦したいと思わせてくれます。ゲームが或る程度の乱数で出題選択されるところも飽きの来ない要因と云えます。これに加えて前出の学習性の効果で確実に上達して行く感じが掴めるのも楽しい部分ですね。

過去にはあったけれども忘れ去られていた単純なミニゲームを続けざまに提供する。ゲーム性のコラージュとも云える手法が新たなゲーム性を入手した……これが本作の発明と云えるのではないでしょうか。

携帯ゲーム機との相性と云う意味でも本作は完璧な感を与えてくれます。

発売当初はネットで賛否両論だった本作ですが、現在では悪い意見を聞かなくなりましたね。
批判していた方はゲームに壮大な物語、美麗なグラフィックを求めているハードユーザーであったと思います。ハードの性能に依存したゲームを評価する方にとって「メイドインワリオ」と云うゲームは異端に見えたのではないでしょうか。
ゲームに映画的な演出を取り入れて行くのも1つの方向性として間違ってはいないと思います。しかしゲームの最も優れている部分とはプレイアビリティから生ずる楽しさ―即ち「ゲーム性」に他なりません。
ゲームがプレイするものだと云う前提を持っている以上、映画を超える物語性を所持する事は出来ないと断言しても良いと思います。ストーリーが良く出来ていると云われるゲーム(例えばFFシリーズやメタルギアシリーズ)ですら、一般の規矩に従えば物語としては幼稚の域を過ぎません。それでも名作だとされるのはゲームとしての面白さを持っているからなのです。
ハードの性能が向上する事でゲーム制作者が映像演出の道に歩を進めたのも理解は出来ます。しかし過去の憧憬は現在にエゴとして存在してしまうものです。本来の自らを忘れたタイクーンなクリエーター、偏狭な知識にのみ満足して喜悦するユーザーの如何に多い事か。

この部分に刮目して考えると、現在の任天堂が行おうとしているゲームとしての原点回帰にはもっと大きな支持があっても良いと思います。王者の座を奪われた苦悩の末に辿り着いた正解を、業界とともに醜く肥大した私達ユーザーは素直に受け取らなければならないのではないでしょうか。

本作「メイドインワリオ」は古びた扉を逆さまに開けたような新鮮さを持つターニングポイントとなるべき名作だと思います。

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