ファンタジーゾーン(2)
1986年にセガから発表されたビデオゲームです。
任意スクロールと自機の位置関係は、ゲームシステム上に解決を見出せない懸案として現在にも残っています。当時この問題を解決しようと腐心した本作のシステムを見てみる事とします。
》面スタート時、自機は画面の中心に位置している。
》右へ移動スクロールさせる事で、自機の位置は徐々に左(進行方向逆側)へと移動して行く。これにより進行方向の視界を確保する。併せて自機と敵の位置矛盾をなくす為にスクロールスピードの調整も強制で行う。
》左へ方向転換、移動する場合。その時点の自機位置から徐々に右(進行方向逆側)へと強制スクロール。新たに左方向への視界確保を行わせる。
》移動を停止した場合。自機がどの位置にあっても画面中央に来るようにと徐々に強制スクロールを行う。
このようなものになっています。
パワーアップする事で自機の移動力が極端に上がって行く本作においては、理論的に正しいと思わせるシステムに仕上がっていると思います。
しかし視界を広げる為に行われる調整スクロールの始まる以前に下の項目が含まれます。
》自機移動に対するスクロールの開始位置は、画面端から50ドットあたりに設定されている。
この1項目がある為スクロールの開始される前に進行方向への視界が極端に狭くなるのです。
これは敵と敵弾を避け易くする為に設けられた処置だと思われます。画面中央付近での移動にスクロールを干渉させない事で自機の位置を把握させようと云うものでしょう。
しかし、これが仇となり移動時に出会い頭の敵と接触する確率が高くなっています。本作でミスをする場合は殆どがこの瞬間と云っても良いほどです。
このシステムに拘泥するのならば敵のアルゴリズムなどを工夫する余地もあったと思われます。殆どの敵が自機の位置にそれほど関係なく隊列を組み移動している為に、ミスし易い環境が整えられているとも云えます。敵の発する弾の量、速度もシステムに合致しているかどうかは微妙な感を抱かせます。
スクロールシステム自体は良く考えられていると思わせられるものの、バランス調整の練り込みが不足しているのが本作最大の欠点だと云えるでしょう。ゲームとしては上下スクロールがなく調整スクロールの幅が少ないセガMk.Ⅲ版の方が遊び易いとも云えます。
大好きなゲームではあるのですが、理不尽なミスが多い為に続けて遊び込みたいとは思えないんですよね。もう少しの改良で本当の名作にも成り得た作品だと思えるだけに残念で仕方がありません。
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