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2004.11.10

忍者くん―魔城の冒険―

ninjakun.png

1984年にUPLが発表したビデオゲームです。

個人的な見解なのですが、私が考えるアクションゲームの最高峰がこの作品です。
ゲームの内容自体は単純で2方向レバーとショット、ジャンプの2ボタンを使用して、8匹の敵を全滅すると1面クリアとなります。簡単に説明出来ると云う事は、ルールが把握し易い事実の証拠立てでもありますね。

操作性がやや独特です。まずレバーを入れていないとボタンを押してもジャンプ出来ません。2方向レバーを使用していますので、結果左右への斜めジャンプしか行われない事になります。ジャンプボタンのみを押すと下段への垂直降下となります。
また斜めジャンプはボタンを押す長さで二段階の強弱を持っています。強ジャンプは上段への移動に、弱ジャンプは同じ段の中での移動に使用されます。
弱ジャンプの入力時間を超過すると強ジャンプを認識すると云うシステムになっているのですが、不思議な浮遊感があって操作しているだけでも楽しいと思わせてくれます。

ジャンプシステムに関してはもうひとつ新しいルールが発明されています。
プレイフィールドは縦に3画面分の広さを持ち、8段ほどの足場が作られています。自機忍者くんの位置(高さ)に合わせて任意スクロールする形です。
平面に描かれた山、岩、城が舞台となっているのですが、下からジャンプ移動する際には足場となる段に当たり判定がなく、足場にある一定のラインを越えると着地する為の判定が生じるように設定されているのです。これはゲーム的に見て非常に素晴らしいアイディアだと思います。
それまでのジャンプを用いるゲームでは、段となる足場にはグラフィックに応じた全方向からの当たり判定が用意されていました。足場は一種の障害物でもあった訳です(これを逆に上手く利用したのが任天堂のマリオブラザーズだと云えますね)。
本作では下方向からの当たり判定がなく、上からのみ当たり判定があると云う一種の一方通行を作り出したのです。このシステムの利点はプレイフィールドの広大を維持する事に尽きます。ジャンプする際に移動の妨げとなる障害がないと云う事になるのです。

この移動システムはゲームシステムと密接に結び付いていて、敵キャラクターの設定とも関連しています。

忍者くんは敵に触れただけでは死にません。敵のショットである飛び道具に触れて初めてミスとなる仕様です。これは敵も同様で忍者くんのショットである手裏剣が当たる事で死亡します。
お互いの当たり判定(体)が触れる事で、押し合い圧し合いの攻防が生ずるようになっています。ジャンプ中のキャラにジャンプでぶつかると、あとからジャンプした方のジャンプ力が先方に加わって通常では有り得ない方向などに飛ばされてしまう事もあります。しかし、これはゲーム内での物理法則に適っているので不自然な感を提供しません。
詰まるところ敵キャラクターこそが障害物として存在しているのです。画面内をところ狭しと動き回る敵キャラ以外に移動の妨げとなる物は全く必要とされなかったのだと思います。

足場に乗っているキャラにジャンプでぶつかると相手方が気絶して動作不能となります。これを利用して敵を倒して行くのが本作の攻略法です。
敵を気絶させる事で忍者くんの倒されるリスクが軽減されるのですが、同じ条件のもと忍者くんも気絶させられてしまい不利な状況に陥ります。
敵を気絶させる事にはもうひとつ利点があります。本作は一つの面で無駄なショットを打たないでクリアすると高得点ボーナス(No Miss Shot)が加算されるのです。動いている敵よりも動けない敵の方が倒し易いのは当然ですので、これは正当な攻略法と云えるでしょう。

敵キャラクターのアルゴリズムも良く考えられた画期的な仕様となっています。
疑似人工知能とも云えるシステムが搭載されているのです。こう云うと大袈裟なのですが簡単に説明すると、敵キャラの行動には幾つかの選択肢が用意されていると思って下さい。左右移動、上下移動、攻撃…大まかにするとこの3種類の中から忍者くんの動きを見て或る程度ランダムに選択決定を繰り返して行くのです。
敵キャラには性格も用意されていて、マイペース、追っかけ、逃げ…の3種類があり、性格によって行動の選択確率も変わって来ます。

この敵キャラの人工知能が本作に飽きの来ないゲーム性を提供していると云って良いでしょう。臨機応変に対処して行く事が前提とされていて、パターン化出来ないのが特徴なのです。この為に毎回新鮮な気持ちで遊べます。私は長年の「忍者くん」フリークですが未だ飽和感を覚えた事がありません。

前出のノーミスショットボーナスもそうですが、本作には非常にテクニカルな技が多く存在しています。他には倒した敵にもう一度手裏剣を当てる「死体ボーナス」、敵を気絶させたと同時に倒す「かぶりつき」、弱ジャンプを利用した「同段かぶりつき」、敵を倒すと現れる巻物のパーフェクトボーナスなどなど。気絶させて敵を倒すと云う基本すらテクニカルな技と云えるでしょう。

一つの面に1個現れる宝玉を3個集めるとボーナスステージとなります。全16面もあり、これもまたテクニカルな技と思考を要求される素晴らしい構成となっています。

「忍者くん」については少しの非も認められないと云うのが私の感想です。しかし現在に本作を遊べる環境が殆ど残っていない問題があります。制作会社であるUPLも倒産してしまいました。携帯電話で遊べる「忍者くん」はありますが、全くの別物でした。これは当時移植されたファミコン版も同様です。
いま遊べるとすればオリジナル基板を購入するか違法であるエミュレータを導入するしかないでしょう。しかし、どちらも一般にお奨め出来るものではありません。
こうしてビデオゲームの名作が人知れず埋もれて行くのは業界の為にも勿体ない事だと思います。何か私達に出来る事はないものでしょうか。尽力を惜しまない積もりではありますが、行動の向きに見当を付けられない自らが非力だとも思わせられてしまいます。

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Comments

ジャジャ丸君とバンゲリングベイを激しく希望。

Posted by: the tears@ゆきひと | 2004.11.11 01:40 AM

the fears@ゆきひと様、コメントありがとうございます。
バンゲリングベイの前に「掛布くんのジャンプ天国」をやろうと思っております。ご了承くださいませ。
因みに、じゃじゃ丸くんは平仮名ですよ。

Posted by: 管理人ひとぴー | 2004.11.11 01:53 AM

同感です。>こうしてビデオゲームの名作が人知れず埋もれて行くのは業界の為にも勿体ない事だと思います。
iPhone版を作ろうかと考えているんですが、まーその、いろいろあってですね。(^^;

Posted by: nishizawa | 2011.02.22 02:21 PM

西澤さん初めまして。管理人のバブシカと申します。
まさか原作者の方からコメントをいただけるとは思っても見ませんでした。光栄の至りです。

iphone版はとてもそそられますね。版権の件さえ整えられるのでしたら是非とも切にお願いしたいと思います。

2007年に書いた攻略記事もありますので、宜しかったらご覧頂きたいと存じます。

http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/cat7580566/index.html

Posted by: バブシカ | 2011.02.23 04:19 AM

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