ガンス(1)
以前モデルカステンより発売されていたガレージキットです。出典は横山宏さん原作のSF3Dからで、ホビージャパン誌での連載終了直前にデザインされた宇宙用2足歩行戦車となっています。
900個の限定生産でしたので現在では入手困難だと思うのですが、つい最近まで近所の模型店(仙台模型)には在庫がありました。
このキットも制作の難度はかなり高く一般の方にお奨め出来る代物とは云えないですね。しかし完成すると20㎝ほどの大きさとボリューム感がありますので、労力以上の充実度を与えられました。
今日から2回に分けてこの「ガンス」に纏わる嫌な思い出を書かせてもらおうと思います。
3年ほど前の事なのですが、金策に疲労した私はそれまでに制作したプラモデル及びガレージキットをオークションに出品しました。少しでも借金の足しになればと思って出品したのですが、案外と良い値がついてしまい世間並みの生活に戻る手助けとなったのです。
オークション自体は特にトラブルもなく(韓国のお金持ちの方がなかなか入金してくれませんでしたが)、恙なく終了し商品の発送に取り掛かる事としました。
近所のコンビニから宅急便で発送して、次々と無事に到着したとの連絡が落札者様から届きました。商品が強度の面で不安なプラモデルですので、梱包には十二分な注意を払っていたものの不安であったのが正直なところです。そんな心配も杞憂で終わると思われた頃に残念な報告を受けました。
私が出品した10体のうち約半数を購入されたTさんからのメールには、殆どの商品が一部破損、または半壊程度の損傷を受けていると書かれていたのです。これには非常な驚きと悄然の感を催しました。
もし壊れる事があるとすれば、これだろうと云う目星を付けていた物があり、それが無事に到着したとのメールを他の落札者様にもらったばかりであったので、意外の感にも打たれました。
しかし商品を2つの段ボールに分けはしたものの纏めて梱包した私に不備があったのかも知れないと考え、当然の事ながら無償での修理を申し出て実行しました。
これで大丈夫だろうと思える梱包を施して再度発送したのですが、結果はまた2体の商品が破損していたと云う事でした。この段階でTさんが発送を請け負ったクロネコヤマト宅急便に連絡を取り、次回郵送の際の注意を促してくれました。私の方にも仙台の担当者が謝罪に来て、次回郵送の際には手荷物として丁重に扱うと云う約束まで取り付けました。
模型の修理とは思った以上の手間がかかるものです。破損した部品を作り直し、下地処理をしてプライマーでコーティング、その上で基本塗装をしグラデーションをかけ、墨入れを施したら光沢スプレーを塗布する……これだけの作業が必要となるのです。
そうしてやっと完成した商品を郵送してもらう為に、私の家に来たクロネコヤマトの担当者に手渡しました。
ドアを閉めて暫くした後、階下で「バーン」と云う大きな音が聞こえました。その時は何とも思わなかったのですが、よく考えて見ると段ボールを地面に叩き付けたかのような音だったのです。私が慌てて表へ飛び出した時にはクロネコヤマトの担当者は既に立ち去った後でした。
まさかとは思いましたが念のためにTさんの方にはこの事を報告しておきました。
その後、偶然商品到着の便を目撃したTさんが云うには、クロネコヤマトの配送員が段ボールを振り回さんばかりに乱暴に扱っていたそうです。届いた商品をその場で開封してもらい確認すると、また「ガンス」は強かに破損していました。
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