ラスタンサーガ
1987年にタイトーから発表されたビデオゲームです。
8方向レバー1本、剣とジャンプの2ボタンで主人公ラスタンを操作する任意スクロールのアクション物となっています。
ゲーム的に見て特にここが新しいと云う点はないのですが、音楽だけは突出して素晴らしい出来映えです。世界観はアーノルド・シュワルツネッガーの出世作「コナン・ザ・グレード」シリーズから材を得たものだと思われ、ダイナミックな色彩のグラフィックと共にそのヒロイックファンタジーらしさを演出しています。
ゲーム性はどちらかと云うと淡泊なのですが、敵を倒した時の効果音がまた良く出来ているため十分遊べるレベルに仕上がっています。効果音の重要性を再確認させられるほどです。
他のゲームにはない仕様としては、攻撃ボタンを押さなくても剣に当たり判定がある事ですね。
敵当たり判定との兼ね合いもある為に、これを直接攻撃の手段とする事は殆どないのですが、武器を入手する際には必要となって来ます。今迄あまり語られる事のなかったギミックとしての発展性が隠されているような気もします。
個性に乏しい作品ですがゲームバランスが統制されています。難易度も程良い印象ですし、入手出来る3種類全ての武器は何れも使い勝手が良好です。レバーとボタンを併用した剣技の数々や、ジャンプ中の攻撃力が2倍になるなどテクニカルな側面も簡素ながら持ち合わせています。
しかし旧態依然としたブロック積み重ね型の背景グラフィックなどには興醒めさせられてしまいますね。昔ながらのアクション物を当時の技術で作り直して見ました……この一言で全て云い現せられる内容と云えるでしょう。
本作は日本よりもアメリカで大ヒットしたそうです。ヒロイックファンタジーの土壌がある本国ですし、或る程度の力押しでクリアする事が可能なゲームだと考えれば至極当然の感も帯びて来ます。
私も当時よく遊んでいたのですが、体力が少なくなると心臓の鼓動がリアルに鳴り響く演出の印象しか残っていません。特に悪いところも見当たらず適当な時間を費やせる普通のゲームだと思います。
| 固定リンク
コメント