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2004/12/19

アテナ

athena

1986年にSNKから発表されたビデオゲームです。

アーケードゲームとしては数少ないロールプレイング型のアクション物となっています。
4方向レバーと攻撃、ジャンプの2ボタンで操作します。アイテムを入手してパワーアップして行く仕様です。面内にびっちりと配置されたブロックを破壊する事でアイテムを出現入手して主人公アテナを成長させて行きます。画面構成としては「スーパーマリオ」を剽窃しているような感がありますね。

本作は操作性の悪い事で有名です。先ずジャンプシステムが変わっています。連続してジャンプする事で3段階の高さのジャンプをする事が可能になります。高所に存在する敵を倒す為には予め空ジャンプをして位置を微調整しておかなければならないのです。垂直にジャンプしてからレバーを入れて斜めジャンプとするところも独特です。これはちょっと煩雑で無駄の多い仕様と云えるでしょう。

操作性の悪さを助長しているのが当たり判定のシステムです。敵に触れると主人公が後ろ向きに吹き飛ばされるのですが、無敵時間が全くなく一切の操作も受け付けません。吹き飛ばされた先に敵が存在すると連続して吹き飛ばされた上に大きなダメージを受けてしまうのです。これは結構なストレスを感じます。

ハマリがある事も理不尽さを募らせます。主人公が死亡すると基本的に初期装備から再スタートする事となるのですが、その場所に依っては敵の攻撃を避けられず連続で死亡してゲームオーバーとなってしまうのです。これは本当にムカつきますね。

この手のRPGによくある問題として、ゲーム序盤の難度が非常に高い事も初心者には辛いバランスと云えるでしょう。逆に或る程度パワーアップしてしまうと簡単には死ななくなります。

悪い点ばかり挙げてしまいましたが、本作は他に類を見ないほどの高いゲーム性を持っています。
特にパワーアップアイテムを探す為に行うブロックを崩す行為が楽しいのです。この点に至っては「スーパーマリオ」をさえ超えています。
その要因は効果音に依る所が大きいと云えます。本作の効果音はリアルを追求したものではなく、あくまでゲーム的に仕上がっています。全ての効果音にメロディアスな節が付いているのです。これを文章で表現するのは至難の限りだと思われるので実機に任せますが、ただブロックを破壊しているだけで遊べてしまうほどの出来映えだと云えます。楽しい作業のご褒美にパワーアップアイテムまで入手出来るのですから中毒性があるのです。
パワーアップする事でブロック崩しの作業は素早く効率的に行えるようになります。主人公の最強状態であれば剣を一振りするだけで画面上のほぼ全てのブロックを破壊する事も可能となります。この爽快感は素晴らしいの一言ですね。

操作性とゲーム展開に問題はあるものの非常に良く出来たアクションゲームの傑作だと思います。ただ現在に本作を遊べる環境が全くないところが残念ですね。出荷台数の少ないゲームではないと思うのですが、レトロゲームを扱っているゲームセンターでも見掛けた事がありません。

SNKはネオジオ環境以前にも多くの良作を発表しているのですから、ナムコミュージアムのようなバラエティパックを発売してくれませんかねえ。大人の諸事情から難しいのは重々承知の上での希望ではあるのですが。

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