ラビオ・レプス
1987年にビデオシステムから発表されたビデオゲームです。
ビデオシステムと云うと脱衣麻雀の印象しかなかった頃に発表された本作でしたので、意外な感に打たれましたが様々なアイディアを盛り込んだ意欲作となっています。
ゲーム内容はウサギの格好をした自機を操る強制横スクロールのシューティング物で、8方向レバーとショット、ミサイルの2ボタンを使用します。
横シューティング物としては珍しく地形に触れてもミスになりません。これは自機のデザインから導き出された必然だとも思います。地面に近付くと自らの足で歩行したり、レバー操作でジャンプ出来るところなどはアクション物らしい雰囲気も醸し出しています。
新しいアイディアとしては、敵にごく接近してショットボタンを押すとパンチが出せる事でしょう。これは通常ショットの16倍の威力を持っています。耐久力の高い敵の出現場所を憶えてパンチで先制攻撃するのが本作の攻略法と云えます。
これは非常に面白い仕様だと思うのですが、暗記ゲームとしての側面を浮き彫りにする欠点ともなっています。
ミサイルは誘導弾となっていて役に立ちますが弾数制限があります。比較的多く補充出来るようになっているのですが、緊急回避的な使われ方をするので使用頻度は低く面白味に欠けています。ミサイルを使用しない事で全面クリア時にボーナスが入る事も邪魔をして使い難いものに思わせます。
面構成や敵キャラクターの動きなども良く考えられていて好感が持てます。しかし、自機が比較的大きい設定とアクション物を思わせる仕様がシューティングゲームとしての爽快感を減じてしまっている感がありますね。
それと倒せない敵が出現するのも悪い部分と云えます。無敵の障害物キャラが多すぎるのです。
グラフィックが独特な世界観を作り出していて美しいのですが、キャラクターの設定におふざけが多いのも硬派なシューティングを求めるユーザーには不評であったと思います。ウサギのコスプレをしたお姫様を助けると云う物語は脱衣麻雀のビデオシステムらしいと云えばそれまでですが。
ゲーム性も低くなく面白い内容ではあるのですが、シューティング物として考えると中途半端なゲームですね。
内容はこのままでも中解像モニターを用いプレイフィールドを広大にし、シューティングとしての爽快感を強くすれば現在でも楽しめるゲームになるのではないでしょうか。
一般への認知度が低い本作ですが、制作者のゲームに対する熱い思いが伝わって来る隠れた名作のひとつだと思います。
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