ツインビー
1985年にコナミから発表されたビデオゲームです。
同社の新基板バブルシステムの第1弾として登場した本作は、ゼビウスの亜流ゲームとしては最も有名な作品と云えるでしょう。ほどなくして発売されたファミコン版が大ヒットした事もその要因です。
8方向レバーと対地対空の2ボタンで操作する基本システムはゼビウスと同様ですが、新たに導入されたパワーアップが本作の肝となっています。
浮遊する雲に隠れたベルを出現させてショットを5発ずつ打ち込む事で、ベルの色が変化(青→白→緑→赤)して行きます。そのベルを取得すると色に応じて自機がパワーアップすると云う仕様です。
ベルも敵空中物と同様に対空ショットで打たなければならない為、思ったようにはパワーアップ出来ないもどかしさがあります。これを欠点とする向きもあるでしょうが、ジレンマとして上手くゲーム性に結び付いているとも考えられます。
ベルを打ち続ける(赤→15発)と蜂に変化して襲って来ますが、これを倒すと高得点になると云うのも面白い仕様ですね。
対地攻撃は或る程度の融通を持っており、自機と対象物の縦軸が大体合っていれば命中してくれます。これは非常に良く出来た仕様だと思います。
当時多くあったゼビウスの亜流ゲームですが、対地攻撃の当たり判定がシビアなものが殆どでストレスを感じさせるのが常でした。
本作を面白く感じさせる縁の下の力持ちがこの対地攻撃のシステムだと考えられます。ゼビウスのように常時照準が出てない事も手伝ってテクニカルな印象も抱かせます。当時の言葉にするとファジーな魅力とでも云えば良いでしょうか。
ゲームとして見ると本作のゲーム性は薄い方だと思います。しかし常に画面上にある何かを打っていると云うシューティング物としての作業感と、地上物破壊の達成感、それに伴うアイテムの取得がプレイヤーを飽きさせません。
最終的なゲーム性はと云うと……青ベル(スピードアップ)を好みで数個取得し、赤ベルでバリアを張り、3方向ショットの地上ベルを取った状態で進み、黄色ベル(点数500~10000点)を取り続けて行く事になります。このゲーム的なテンポが素晴らしく面白いのです。バリアを張り代える瞬間のリスクも楽しい瞬間であると云えるでしょう。
本作もバブルシステムの次作「グラディウス」のように、プレイ時間とパワーアップの段階で難度が上がって行く仕様になっています。この辺りのゲームバランスが練り込まれていないので、一度死んでしまうと復活が困難でそのままゲームオーバーとなってしまう事も多いのですが、本作に限って云えばこれも「味」になっているように思えます。
SF的な背景一辺倒だったシューティングゲームにポップでカラフルな世界観を提供した本作は紛れもない名作と云えるでしょう。現在に遊んで見ても十分に楽しめる内容となっていますよ。
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