クラックス
1989年に米アタリ社より発表されたビデオゲームです。
世界を席巻したテトリスのフォロワーとして企画開発された作品だと思うのですが、そこは老舗アタリ社の意地として独自のルールとゲーム性を作り出す事に成功しています。
ゲーム内容は、フィールド奥から転がって来る彩り豊かなタイルをパドルで受け止めて、画面手前にあるボックスへと並べて行きます。同色を縦横斜めいずれかに3つ以上並べる事で消去出来ます。
4方向レバーの左右でパドルを移動させ、レバー下はタイルの移動を早める為に使います(テトリスで云うところの落下)。レバーを上に入れる事でパドルにあるタイルをフィールドへと一旦投げ戻す事も出来ます。
ボタンを押すとパドル上にあるタイルをボックスへと落とします。
パドルには5つまでタイルを置いておけます。ボックスがタイルで埋まってしまうか、タイルをパドルで受け損ない3つ落としてしまうとゲームオーバーとなります。
テトリスに比較すると非常に思考力を要するアクションパズルゲームとなっています。エンドレスで続くタイプではなく、各面にある課題をクリアして行くタイプなのですが、タイルのひとつひとつを考えて並べなければすぐゲームオーバーとなってしまう程です。
因みに課題は、タイルを×個揃える…タイルを斜めに×個揃える…タイルを×個パドルで受けると云ったものとなっています。
攻略の為の様々なセオリーが存在しており大変奥深いゲームではあるのですが、いかんせん難し過ぎますね。
ボックスの容量が少ない為にタイルの無駄な配置が許されないのを始めとして、タイルの色が多すぎるのも同色を揃え難い欠点です。またタイルを受け損なってもミスとなるところが厳しいルールに拍車を掛けています。
ルール的にはテトリスよりもコラムスに近いと思いますが、偶然による連鎖が有り得ない内容ですのでコラムスのような爽快感も皆無だと云えます。
それでもアタリらしいハイセンスなグラフィックと独特な効果音からなる世界観は特筆すべき部分でしょう。やり込む事を前提にするならば非常に優れたパズルゲームだと思います。私は同時期に発売されたPCエンジン版でかなり遊ばせて貰いました。
もし本作を未プレイの方がいらっしゃるのでしたら是非一度遊んで見て下さい。決して詰まらないゲームではありませんし、国内メーカーからは感じる事の出来ない独特な雰囲気にアタリ社の底力を味わえる筈です。
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