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2005/03/28

ストリートファイター

sf

1987年にカプコンから発表されたビデオゲームです。

本作を最初に見た時はアタリの新製品かと思いました。堅牢なアップライト筐体がそのような印象を与えたに過ぎないのですが、腰の据わった筐体がそれまでの国内ゲームにはない頑丈さをアピールしていたのです。
黒一色の固いレバーもそれらしく見えましたし、どう考えても冗談としか思えない大きなボタンもアメリカンな雰囲気を醸し出していました。
筐体の側面に描かれた大袈裟な絵と前面にあるマーキーも印象を助長してくれたようです。
実際にアタリのデザイナーが図面を引いたものだとの記事を後日読んだ記憶があります。

そうしてタイトル画面を見てやっとカプコンのゲームだと知れました。
ご存知の通り本作は空圧式のボタンを使用し、押す力加減で3段階の入力を感知するようになっています。
いま考えると恥ずかしいのですが、当時は力一杯押すか叩くほど強い攻撃が出るものだと思っていました。一回遊んだだけで体中汗が滲み、掌が熱くなるほどでした。

ゲーム内容は「イーアルカンフー」のカプコン版とも呼べるものでしたが、美麗なグラフィックと大きなキャラクターが現代の作品だと思わせて、より洗練された操作系がオリジナルへと進化していたと云えるでしょう。
特にレバーを後方に入れると防御姿勢となり、前方に入れた場合は素早い攻撃になると云うシステムは良く出来ていますね。

稼働後しばらくしてから「波動拳」「竜巻旋風脚」「昇竜拳」の隠しコマンドが発見されました。
コマンド入力式の必殺技と云うのも素晴らしいアイディアなのですが、それ以上にコマンドの入力体系が感嘆に値するほど斬新でした。
そのコマンドはキャラクターが必殺技を出す際に必要であろう予備動作と体勢の完成図を含んでいたのです。

波動拳ならばレバー下半分を回す訳ですが、これがキャラクターの腕の動作と一致している為に納得させられるのです。
昇竜拳では一歩踏み出して屈んでから飛び上がる……これが簡素なコマンドに割り当てられていると思わせます。
ゲームとしての情報量がとかく少なくなりがちなタイマン格闘物に偉大なる発明が組み込まれた瞬間でした。


現在の目で遊ぶと面白いゲームだとは決して云えないのですが、以降の格闘物の規範となるべき多くのアイディアが本作から生じたと云うだけででも意味のある作品だと思います。

余談ではありますが、本作は資本の少ないカプコンがセガに対抗すべく腐心して作り出した体感ゲームだとも取れます。
可動筐体を開発する費用もなく技術に乏しかった同社が、それに変わるものをソフト的に企画開発したものだったのではないでしょうか。その努力の甲斐あってか本作を準縄として「ストリートファイターⅡ」が生まれ、カプコンは世界のトップブランドへと成長して行くのです。

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コメント

コレの6ボタンバージョン、駄菓子屋でけっこうプレイしてました。

たぶん、当時はダブルドラゴンと同じぐらい人気があったかも。

波動拳が全くといっていいほど出ない出ない。
なんで?どうして?って感じで何度も「236P」やっても出ない出ない。

あの頃は必殺技コマンドのタイミングがものすごくシビアだったんですよね…たぶん。

ストリートファイターと共に印象的だった格ゲーといえば、任天堂の「パンチアウト」。上下2画面のやつで、確かプレイヤーがワイヤーフレーム状態だったと思います。
アレ、DSで移植もしくはリメイクされないかなぁ…と密かに期待している自分がいたりします。

あと、格ゲーといっていいのか分かりませんが、デコの「ファイティングファンタジー」も好きでした。
ファイヤーボールファイヤーボールファイヤータワー(魔術師)
ヒーッヒッヒッヒッヒッ、ヒーーーーーッ(ガーゴイルの悲鳴)
キャラのボイスを真似してた小学生時代(*´д`*)

投稿: 都筑てんが | 2006/12/11 02:46

管理画面を見たらコメントがドバっと埋まっていたので一瞬嫌がらせかなんかだと思ってしまいました……。

都筑てんがさんコメントありがとうございます。
古いゲームにもお詳しいですね。ブログの方も拝見させてもらっています。ゲーム動画って沢山あるもんなんだなあと毎回感心頻り状態です。

投稿: バブシカ | 2006/12/12 08:50

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