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2005/04/04

A-JAX

ajaxj

1987年にコナミから発表されたビデオゲームです。

個人的な評価ではありますが、私の考えるビデオゲーム・ワースト1が本作となっています。
とは云うものの、それは当時の意見であり若かったが故の管見から導き出された結論であったのかも知れません。
しかし何故にそこまで本作を嫌悪したかは判然としています。ゲームデザインの完成度が低く企画者が無能に思えたからです。

本作のゲームシステムの発端は「ゼビウス」の亜流として成立されています。強制縦スクロールの対地対空打ち分けシューティング物と云う訳です。オリジナルから何ら発展もない凡百な作品なのですが、これだけを捉まえてパクリだと嫌悪したのならば早計には違いありません。


本作の売りは当時まだ目新しかった回転拡大縮小機能を取り入れたハードにあり、それをゲーム内に演出として持ち込んだ事でした。
ゲーム進行は「ゼビウス」タイプのトップビュー縦シューティング面と、「アフターバーナー」風のリアビュー3Dシューティング面を交互に遊ばせるものになっています。
縦シューティング面はまだ遊べるとしても、3Dシューティング面は取って付けたような中途半端な内容だと云えるでしょう。もともとはハードの性能を無理にでも使って見たいと云う制作者のエゴから出たオマケなのかも知れませんが、あまりにも稚拙な内容で楽しめません。

それ以上に首を傾げたくなるのは、何故ひとつの作品中に別ゲームにすべきシステムを搭載して纏めようとするのかです。トータルバランスや完成度を敢えて反古にしようとする行為には得心が行き着きません。
「面白ければ何でも有り」と云う方向性もあるとは思いますが、本作に限って云えばゲームとして全く面白くもないばかりか詰まらない蛇足感だけを与えているのです。

私が本作の制作者に見た無能はここにあると云えます。
他の事柄で例えれば、タレント上がり映画監督の処女作にも通じるものが見付かります。彼らは玩具として無意味にカメラを動かしたがります。奇を衒ったアングルから対象を捉えようと腐心します。ビスタサイズの縦横比の意味を知らないが為に360°パンを多用して喜びます……。
これらは私達ユーザーを無視した自慰行為に過ぎません。カメラと云う機械の存在を知った私達は容易には物語へと戻る事を許されません。それは当然です。人為的な舞台には嘘しか乗っていないと悟らされたのと同様なのですから。

「A-JAX」から受ける嫌悪の原因は正にこれだと思います。回転拡大縮小機能を安易に使った演出は全くのオナニーであると云えます。ナムコの「オーダイン」にも制作者の自慰行為を感じますが、こちらは子供の可愛いオナニー程度のものでしょうか。
また同時期に回転拡大縮小機能を効果的に使った作品としてはナムコの「アサルト」があります。

ひとつの作品に別のゲームシステムを搭載すると云う意味ではナムコの「源平討魔伝」が代表ですね。こちらは絵としての破綻があるもののゲームとしては纏まっていると云えます。

結局のところ本作は全てに於いて中途半端なのだと思います。ゲームとして面白くない…ハードの性能を使い切っていない…システムに破綻を見て取れる…企画者の能力に不安を感じる…。
コナミの作品にはありがちなパターンだとも云えます。同社の方針が十作のうち一作を当てろ…ですからね。

まあ、なんだかんだと書いてしまいましたが、現在に遊んで見ると当時感じたほど詰まらないゲームではないのかなとも思います。実際にプレイして見たところ適当には楽しめました。年齢を重ねたからかは分かりませんが、物事に順位を付ける不毛を知ってしまったのでワースト1も撤回したいと思います。

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コメント

 当時中学生の私にとって、これは 本当に思い出深いゲームなんです。
1プレイ25円の筐体に、数ヶ月の間、一体いくらの おこづかいを注ぎ込んだのか。
1度だけ 1クレディットで最終面まで たどり着き、変なBGMを聴きながら 変な敵にやられたときの理不尽な気持ち。
いつもの駄菓子屋に云ったら あの筐体が無くなっていた時の寂しさ。
ええ。あれは私の青春なんです。ワースト1でも良いから、1箇所だけでも誉めてやって下さい。
いやホントに。

投稿: ぴてら | 2006/08/02 08:07

ぴてらさん初めまして。管理人のバブシカと申します。

A-JAXのこの記事はどうも評判が悪いようで、お気に障りましたら謝ります。
ワーストとは書きましたが私もリアルタイムではそこそこ遊んでいたんですよ。
ゲームとしては詰まらない出来ではないと云う認識も持っています。

ただ、どうしても制作者が持つ意識の低さが気になってしまうんです。
コナミとタイトー(知っている限りですが)って企画自体がかなりいい加減で、作って見てから作品を評価しているような感が強いメーカーと云えます。

それが悪いとも云い切れないのですが、偶然と云う運に頼っているが為、作家性に乏しい弊害を生んでいたと思うんですよ。
私はメーカーで好悪を判断するタイプではないので、特にそう云う部分がワーストと云う表現になっていると思ってください。

私が個人的に好きなゲームが、他の方からしたら駄作と云う可能性もある訳ですから、今回のように否定的な記事になってしまう事があるのも仕方のない事だと思います。

メーカーのファンじゃないから、そのゲームに思い入れがないから……だからこそ書ける内容と云うのもあります。そこには客観と云う真実が含まれている事も多々ある筈です。
これからもこのようなスタンスで記事を書いて行きたいと思っていますので、A-JAX批判どうかお許し下さい。

メタリックなグラフィックと重厚な効果音は好きな部分ですよ。

投稿: バブシカ | 2006/08/03 05:26

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