サイドポケット
1987年にナムコから発売されたファミリーコンピュータ用のゲームです。
オリジナルはデータイーストのアーケード版で、それをナムコがファミコンへ移植した形となっています。ナムコット黎明期のバーガータイムから始まりカルノフやドラゴンニンジャ等、デコ(オリジナル)→ナムコ(移植)と云ういまいち分からない繋がりもありましたね。
本作のゲーム内容は特徴を見出し難い固定画面のシンプルなビリヤード物と云えるのですが、それが為に気分転換や息抜きをしたい時に役立つ作品となっています。
最近の豪華絢爛で複雑なゲームとは違い、ファミコンのゲームはいずれもシンプルな内容で直ぐにプレイ出来るところが良い所だと云えます。これはハードスペックや容量の問題もあったが故の仕様ではある訳ですが、もっとも優れている部分だとも取れますね。
十字キーと2つのボタンしかないインターフェイスも直感的に内容を把握させる事への仲立ちとなっています。
私は映画ハスラー2の直撃世代なので無性にビリヤードをしたくなる時があります。しかしなかなか遊ぶ機会も作れない為に家庭用ゲームで自らを慰めるしかありません。
ビリヤードのゲームは定期的に発売されていますが、ポリゴンで幾らリアルなプールバーを構成したところで実際のプレイ感には未だ程遠いと云うのが本当でしょう。実際にあるスポーツ物はそのシステムをゲーム内で楽しむと云う以上には発展しないものと感じています。
云って見れば割り切りが必要なのだとも思います。ビリヤードであればビリヤードと云うスポーツが持つ本来のゲームシステムをモニターを通してから楽しんでいるとする余裕とでも云えば良いでしょうか。
あくまでビリヤードのゲームを遊んでいると割り切って自らに肯がわせる事が重要なのです。
そうして見ると下手にリアルなゲームである必要もなくなります。ファミコン程度のグラフィックでもビリヤードと云うスポーツのシステム的な楽しさは十分に味わえます。
他の事例にすれば、本物のラーメンとカップ麺を別物として美味しくいただく方便とも云えますね。もう少し下品な表現が許されるならオナニーとセックスは最終的に射精する事を目的としていますが、楽しみ方のベクトルが相違している……とも云えます。
ファミコンのビリヤード物は結構良く出来た当たりが多いと思います。名前は失念してしまいましたが、コナミがディスクシステムで発売していた物も当時随分と遊びましたし、少し毛色の変わった物としてはポニカのルナボールも完成度の高いゲームでした。
取り敢えずプールバーに行ける時が来るまで私はエミュレーターでこれらの良作を遊び、ビリヤードのシステムから出でるゲーム性を楽しみたいと思います。
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