昨日の女子準決勝マリア・シャラポワvsヴィーナス・ウイリアムズの試合は凄かった。歴史あるウインブルドンの中でも稀代の名試合となりました。
内容を一言で表せばハードヒッターである二人のストローク戦だったのですが、男子の試合かと見まごうばかりの激しいものでした。
結果はヴィーナスの勝利でシャラポワの2連覇はなくなりました。
スコアだけ見ると7-6、6-1とヴィーナスが2セットを連取しているのですが、スコアからは見る事の出来ない満足感を視聴者の皆に与えたものと思います。
私は近年のダベンポート、ウイリアムズ姉妹がもたらした女子テニス界のパワーヒッター隆盛には納得していませんし、どちらかと云うと異を唱えたいくらいの気持ちを持っています。女子テニスが詰まらなくなった原因がそこにあるからです。
現在はアガシの奥さんであるグラフや、先頃引退を表明したヒンギスの華麗なコートプレイこそが女子テニスの醍醐味であると思っています。
パワープレイは男子テニスの特権であり、敢えて力では劣る女子がそれに追随する意味を見出だせなかったのが理由です。
しかし昨日の試合を見てしまうとこの考えも撤回したくなりますね。それほど素晴らしい試合でした。
01年以降怪我に泣き調子を崩していたヴィーナスですが、今回は全盛期を取り戻したかのような動きを見せていましたし、成長著しいシャラポワも良く動いていました。
また今回の試合で今迄未知数だったシャラポワの肉体的なポテンシャルも見極められました。人気先行気味の彼女はこれからもっともっと強くなる可能性を秘めていると思います。
去年ウインブルドンで杉山愛に勝って以降の彼女はメンタル面での強さを入手して、それこそ飛ぶ鳥を落とすかの勢いを見せ世界ランキング2位にまで上り詰めました。肉体的に恵まれたシャラポワはメンタル面さえセーブ出来ていれば負けないトッププレイヤーに成長したと云えます。
しかし肉体に不安のないヴィーナスはパワー面でも経験に於いてもシャラポワより上でした。それが為にシャラポワは力を十二分に発揮して闘わざるを得なかったのです。
もしシャラポワが現在の力強いストロークにサーブ&ボレーなどのテクニックを身に付けたら無敵の存在になれるのではないかと思います。
ヴィーナスについてですが、もし彼女が妹セレナへと対する躊躇の念を捨てる事が出来ていたら、今回のような激しい試合を4大大会で多く見る事も出来ていたでしょう。
彼女は妹を思うあまりか姉の余裕か知りませんが、姉妹対決の際には八百長とも云える試合をこれまで展開して来ました。決勝で二人が対戦する事になった時はセレナの優勝が目に見えているので、興味の大半を失ってしまうほどでした。
今回ヴィーナスが決勝まで勝ち進んで来たのもセレナが早い段階で負けてしまった事と無関係とは云えないと思います。
今回の女子決勝はダベンポートvsヴィーナスとなりました。なんとも久し振りの顔合わせですね。対戦成績ではほぼ互角同士の闘いとなりますが、肉体的な仕上がり具合を見るとヴィーナスが有利だと思います。準決勝モレスモ戦でのダベンポートを見るとメンタルが整っていないようにも感じられました。
またヴィーナスは怪我の多い選手なので来年出場しているか分かりませんし、セレナの勝ち進み具合などでも第2週に残っているか判然しません。と云う事で私はヴィーナスを応援しています。当初はシャラポワvsエナンを予想していたのですが。
雨による順延が当たり前のウインブルドンなので判然しませんが、今日午後から行われる決勝戦が楽しみです。仕事もそこそこに帰宅しようと思っています。
因みに男子は相手がまだ決まっていませんが、フェデラーの優勝で決まりでしょうね。あとは如何に彼がサンプラスの持つグランドスラム13勝に近付けるのかが見物です。
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