« スペースハリアーⅡ | トップページ | アフターバーナーⅡ X68000 »

2005/12/26

ボスコニアン X68000

bosco68

ボスコニアンは1981年にナムコから発表されたビデオゲームです。
名前の知られている割りには比較的マイナーなナムコ作品だとも思われます。当時としては斬新な内容のゲームであり一般に受け容れられなかった所為もありますが、メジャーに成り切れなかった最大の理由はファミコンへの移植版が存在しなかったからだったのではないでしょうか。
MSXへの良く出来た移植版はありましたが役不足であったのは云うまでもありません。

同社の作品としては人気の高かったラリーXも移植されていませんので、画面右側に置かれたレーダーシステムをソフト的に再現出来なかったが為のラインナップ漏れだったのだと思います。

そのような日陰者としての立場がX68Kへの移植を可能にした裏の理由だと演繹するのは穿ち過ぎでしょうか?
移植を手掛けたのは長年に渡りナムコのビデオゲームをPC用に提供し続けて来た電波新聞社マイコンソフトです。
ビデオゲームと比較して性能の低い(若しくは移植に向いていないとされる)PCで出来る限りオリジナルを再現したい……と云うのが同社の方針目標だったと思います。
様々な国産機へナムコの初期名作群をリリースして来たものの、高い技術力を以てしても完全移植と呼べる作品は皆無だったと云わざるを得ません。

しかしX68Kと云うビデオゲームと同等の性能を持ったPCが初めて完全移植を可能たらしめたのです。
X68Kのボスコニアンはオリジナルが発表されてから7年後の1988年に発売されました。大幅に表現力を身に付けて行った当時のビデオゲームと較べると、オリジナルが見劣りする内容に思えたのは致し方のないところでしょう。

しかし、だからこそここで以て初めてオリジナルを越えたアレンジ移植が行われるに至ったのです。
具体的にX68K版でアレンジされた箇所は、グラフィックの刷新と敵基地の配置を異にしたアレンジバージョンの収録でした。
またオリジナルにはなかったBGMを時の花形ゲーム作曲家である古代祐三さんが付けました。

アレンジバージョンはオリジナルを逸脱しない極めて些細な内容の違いしか持っていませんが、センス良く纏まっており文句の付けようもありません。どちらかと云うとプレイヤー側に沿って考えられているようで乗りの良いBGMとともに、ボスコニアンと云う作品をテンポよく楽しめる内容となっています。

これ以降も電波新聞社はナムコ作品の素晴らしい移植を行って行きます。源平討魔伝ドラゴンスピリットなどが特に優れた完全移植作品ですね。
個人的にはボスコニアンのような古いゲームのアレンジ版も期待していたのですが、それは叶わぬ夢として終わってしまったのが非常に残念です。
オリジナルのボスコニアンを遊びたいと思う事は皆無なのですが、X68K版は現在に遊んでも充分に楽しめる作品として輝き続けています。

|

« スペースハリアーⅡ | トップページ | アフターバーナーⅡ X68000 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ボスコニアン X68000:

« スペースハリアーⅡ | トップページ | アフターバーナーⅡ X68000 »