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2006.01.31

ゼビウスの系譜(1)

今年に入ってから相互リンクさせていただいているSTG研究所さんがかなり熱い事になっています。ここのところほぼ毎日更新されていますし、その毒舌を交えた真摯な意見は一読に値すると云えるでしょう。
その中でも特にシューティングゲームの系譜を完成させる事に腐心なさっています。と云う事で私も多少お手伝いしたいと思い、系譜図を参照しながら画像も交えて年代順に補完しようとする次第であります。先ずはゼビウスの系譜から……

scramblbスクランブル
1981 コナミ/コナミ

●強制横スクロール●ショット、ボム●エネルギー制

横スクロールと縦スクロールの相違から異論もあるかも知れませんが、空中と地上を撃ち分けると云う意味で影響のあった事に間違いはないと思われます。
←影響






liberateミッションX
1982 データイースト/データイースト

●強制縦スクロール速度任意●空中地上撃ち分け●上昇下降●地上攻撃連射

縦スクロールSTGで空中地上への撃ち分けシステムを初めて導入した作品です。
併せてレバー上下で自機の高度を変更出来るシステムも新しい部分です。下降する事で地上攻撃の連射率が高くなりますが、撃墜され易くなるのも考えられています。

かなり斬新な内容なのですがゲームとして面白くないものとなっています。
←影響

xeviouscゼビウス
1983 ナムコ/ナムコ

近代STGの全てはここから始まりました。オリジナルです。
●背景を使った強制縦スクロール
●空中地上ショットの撃ち分け
上の二つがゼビウスの系譜を決定づける大きな要素となりますが、他にグラフィックとサウンド、敵キャラクターのアルゴリズム、また時代を捉える事も重要な部分だと考えます。





espialイスパイアル
1983 オルカ/サンダーボルト

●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け●敵弾相殺●エンドゲーム

ゼビウスの発表後もっとも早く現れた模倣作品です。
横モニターを使用していますが、空中地上への二元攻撃。自機と敵キャラの類似。音響の類似……とゼビウスの影響を受けた事に疑いはありませんね。
システム上の相違もあり、敵弾をショットで相殺出来るのが大きいところです。
これは当時ゼビウスが高難度のゲームに取られていたが為の措置だったのではないかと考えられます。
もうひとつ大きな相違はエンディングがある事ですね。作品を開発している段階でゼビウスがループゲームである事に起因したハイスコア争いを想定出来ていなかった為でしょう。
→亜流

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2006.01.28

メジャーハボック

mhavoc

1983年に米アタリ社から発表されたビデオゲームです。

この作品はベクタースキャン(ワイヤーフレーム)ゲームの最高峰とも呼べる最後の大作です。
1979年のルナランダーから始まり、同社は数々の名作とされるベクターゲームを発表して来ました。

’79 アステロイド (全方向移動シューティング)
’80 バトルゾーン (ツインレバー3D戦車シューティング)
’81 テンペスト (リアビュー移動制限シューティング)
’82 クァンタム (トラックボール敵包囲アクション)
’82 ブラックウィドウ (ツインレバー全方向シューティング)
’83 スターウォーズ (同名映画3Dシューティング)

以上が主だった素晴らしい作品群です。これ以降は’85にスターウォーズ帝国の逆襲が存在するくらいですね。
メジャーハボックは一時代を築いたアタリ社ベクターゲームの総決算とも取れる絢爛な内容を誇っています。

先ず主人公が戦闘機に乗り込み宇宙空間へ飛び立つシーンから始まります。このような演出は当時のゲームには皆無であったと云えるでしょう。

mhavoc2 mhavocrv

そうして俯瞰から眺めた形のシューティングゲームとなります。全ての敵を破壊すると(例外あり)敵基地への着陸ステージが始まります。
無事着陸すると主人公が戦闘機から降り出て来て、本作のメインとも云える迷路ステージとなります。ここではダイアルコントローラーで主人公を左右に操り、ジャンプで上昇しバリアを張り敵や罠を凌ぎつつ原子炉を目指します。

mhavocp原子炉を停止させた後は、いま来た迷路を時間内に脱出しなければなりません。無事脱出した暁には次面コマンド画面へと移り、ブロック崩しゲームを一定時間遊べます。
以降はシューティングステージへと繰り返します。

とにかく豪華な内容だと云わざるを得ません。文章にしてしまうと取り止めのないように思えるかも知れませんが、ベクターの特徴を使った画面表示がやや強引ではあるけれど流麗さを約束してくれています。
現在の目で見てしまうと個々のゲームは印象を中途半端に思わせますが、ベクタースキャンの魅力がそれ以上の楽しさと興奮を提供して飽きさせません。シャープに感じる高いゲーム性と独特な物語進行は他の追随を許しませんでした。そうしてベクターゲームは時代の流れに幕を閉じてしまったのです。

メジャーハボックは個人的にも大好きな作品です。機会があればここからベクターゲームしか有していなかった独特なゲーム性を研究してみたいと思っています。

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2006.01.27

プーヤン

pooyan

1982年にコナミから発表されたビデオゲームです。

それほど有名な作品ではないと思うのですが、アイディア性に秀でたコミカルな固定画面シューティング物の佳作となっています。

先ず特筆すべきなのはポップなグラフィックから作られた世界観でしょうね。
色彩自体は当時のゲームとして見ても平凡の域を出ていないのですが、キャラクターが愛らしくて憎めません。その造形自体もまた並程度のもので大した事はないのでしょうけれど、没個性的な部分に不思議な魅力が隠されているようにも思えます。ヘタウマ絵の安心感とでも云えましょうか。

固定画面の中に絵としての情報が詰め込まれているのも特徴の一つです。
自機であるママが乗るゴンドラ、それを操作する男の子ブータン、小屋や牢屋の中で暢気に構えているのはタイトルに冠された女の子プーヤンとなっています。

敵であるオオカミは風船発生装置を操りプーヤンを捕まえに来ます。或る時は梯子からママを噛み殺そうとしたり(ミスする毎に自機の移動が制限される)、また或る時は崖の上から岩を突き落としてママを殺そうと躍起になります(小さなミスを繰り返す事で大きなミスとなる)。
バルーンボンバーの移動制限とインベーダーの侵略が上手くシステムに組み込まれていると見ても良いかと思います。

当時としては比較的ゲーム性が高く出来上がっていました。
自機ショットである矢が2連射出来る事と、貫通弾である肉の存在が秀逸ですね。

敵の弾が放物線を描くように飛んで来る事や、防御された自機ショットがその真下の敵に当たる融通性も面白い部分です。
ただ詰め込まれたアイディアの為なのかシューティングとしての面白さが希薄となっています。これは現在にプレイしても同様の感を提供していると云えるでしょう。しかしアクションゲームとして捉えるとプーヤンは俄然面白いゲームに変化します。
以前記事を書いたラビオレプスも同様の作品ですね。プレイヤーの受け取り方でゲーム性が変化するのです。この部分には未だ話題にもならず解明されていない謎が含まれているのではないでしょうか。

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2006.01.25

『いかさま師』 トゥール

Tricheur

悪事とは露見した瞬間に他人が付ける罪状である

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2006.01.24

ペニシアン

海外の家庭用ソフトって海賊版が結構出回ったりしているんですよね。
違法コピーが多いのは勿論なのですが、所謂ハック物と云うやつは稀に面白い掘り出し物なんかもあったりします。

よく見掛けるのがスーパーマリオのハック物です。
ただ単にキャラクターを書き換えたものから、地形マップを作成し直して上級者向けにしたものなんかが存在します。

で本日のお題である「ペニシアン」なのですが、これはギャラクシアンのハック物です。
もしかすると不快な思いをなされる方がいらっしゃるかも知れないのでサムネイルは極小さくして置きます。笑いの分かる方のみクリックしてご覧ください。
 
 
POう~む、くだらない。しかしコピーライト表示がありますねえ。敢えて誰も使用しないとは思いますが……おっと、会社名も!

Pはい、ご想像の通りです。しかも真っ赤っかだし。一発ネタと云う事でお許し下さい。私はこの手のが大好きなんですけどね。
 
 
 
因みに256面をクリアすると赤玉を発射してGAME OVER……にはならないでしょうね。

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2006.01.21

平成18年初場所

13days

本日13日目を消化した大相撲ですが、久し振りに面白い展開となっていますね。
この大事な場面でまさかの伏兵安馬(あま)に敗れた朝青龍の茫然自失の態が印象的でした。これで3敗目、優勝争いから脱落したと見ても良いでしょう。

個人的には栃東に優勝して欲しいと思っています。
若貴時代のあと将来を担うと思われていた当時の力士は幾人もいましたが、絶対的な力を持った朝青龍以外は皆怪我に泣かされて現在に微妙な立ち位置を余儀なくされています。

ここには相撲協会の悪も潜んでいますね。年4回の本場所と地方巡業と云うハードスケジュールの被害者と呼べるのが、栃東や魁皇、千代大海と云った未来の実力者たる若者たちだったと考えられます。もちろん本人らの努力が至らない部分もあったとは思いますが、若貴ブームが作り出した莫大な金銭が協会を悪の道に引きずり込んだと見て良いでしょう。
現在は地方巡業も減って来ましたので、多少は改善されているとも取れるのですが、谷間の力士であった彼らの悲劇は継続しています。

若手では琴欧州の台頭ばかりが目立っていますが、現在2敗で優勝争いに留まっている白鵬の存在も見逃せません。
当初は琴欧州よりも早く大関に出世するものと見ていたのですが、明晰な頭脳となんでもこなせる器用な部分が邪魔をして現在に停滞しています。立ち会いの迷いさえ払拭出来るならば次の横綱の最右翼だと考えられます。個人的にも好きなタイプの力士です。腰の強い逆鉾と云う印象もありますね。

と云う訳で栃東と白鵬の優勝決定戦に進むと面白いだろうなと思っています。
大相撲に興味のない若い方も多くいらっしゃるでしょうが、一年を通じて観戦出来る熱いスポーツとしてお薦めします。個々の力士が持つ特徴などが分かって来ると俄然面白くなって来ますよ。
場所中に仕事から帰宅した私が先ずチェックするのもNHKの本日の全取り組みとなっています。


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千秋楽、栃東が一敗のまま朝青龍に勝ち賜杯を手にしました。
これからも上を目指すとの栃東の弁に感動。

http://www.tochiazuma.jp/
優勝の翌日に栃東関の公式ブログがオープンしました。でもまだ一日しか更新されていません……(1/24現在)

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2006.01.14

北斗の拳

hokuto

1986年にセガMk.Ⅲで発売されたアクションゲームです。

当時ROMカートリッジの大容量化が飛躍的に進んだ事により、家庭用ゲームに於ける表現の幅も大きく向上しました。具体的にはグラフィックパターンやステージ数の増加が売りとなり善であった時代だとも云えますね。
ファミコンではマップ100画面分とか登場キャラクター100種類などと云った啖呵が宣伝文句となっていました。セガも大容量のカートリッジを売りにはしていましたが、上のような無為な宣伝はしていなかったように思います。どちらかと云うとMk.Ⅲの長所であるグラフィック機能を前面に押し出していたからでしょうか。若しくはそちらに容量を割いていたが為の負であったのかも知れません。

無為に容量を使わなかった当時のセガゲームには質実ともに素晴らしい名作が多く存在しています。
ファンタジーゾーンスペースハリアーなどアーケードからの移植物を始めとし、赤い光弾ジリオンアレックスキッドのミラクルワールド阿修羅など美しい映像と内容を伴った作品が目白押しとなっています。

その佳作名作群の中にあって最も素晴らしい出来映えを誇っていたのが北斗の拳でした。
内容はスパルタンXの亜流アクションゲームなのですが、原作である漫画のストーリーと敵キャラクターとの戦闘を巧みにゲームシステムへと組み込んだ内容は、まさに珠玉の名作と呼べるレベルに仕上がっています。

ゲーム性も非常に高くザコ敵を倒した際の肉体が砕け散る様子とノイジーな効果音がゲームを盛り上げてくれます。
道中に出現する中ボス達も原作に倣っており、倒し方なども準拠している事から演出としての効果も期待出来ます。
面の最後に待ち受けるボスも、シン、カーネル大佐、巨人デビル、トキ、サウザー、ラオウとオールスターキャストとなっています。

ボス戦の時のみ固定画面となりキャラクターが大きく描かれます。
しかし道中のグラフィックパターンと同じ等身で作られているので、源平討魔伝のように絵としての破綻がないのが素晴らしい部分と云えます。
ボスの倒し方がちょっとした謎になっていて、原作を反芻しなければ難しいところもゲームとのシンクロ率を上げる効果を作り出しています。これは見事な構成だと感心させられます。
そしてボスを倒す際のフィニッシュ技も原作通りで嬉しくなってしまいますね。


久し振りに遊んで見たのですが、かなり難しく感じました。当時は一日に何回もクリアしていたのに2面もクリア出来ず断念。脳と腕の退化を感じ悄然するに至っただけでした。
GTSさんのHPに攻略法が掲載されているので参考にして腕を磨こうかなと思います。
東映動画から発売されていたファミコン版北斗の拳しか知らないと云う方がいらしたら、是非ともセガMk.Ⅲ版を遊んで欲しいですね。これが本物のキャラクターゲームだと感動し、当時本作を遊べなかった不幸に地団駄を踏んでしまう事を請け合いますよ。

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2006.01.13

カラテカ

kateka

1984年に米ブローダーバンド社から発表されたAPPLEⅡ用のアクションゲームです。
作者はプリンスオブペルシャと同じJordan Mechnerさんとなっています。

ファミコン版ではクソゲーの大本命と見なされている本作ですが、オリジナル版はゲーム性も高く印象ほど詰まらないゲームとは云えません。
特にグラフィックが素晴らしいと感じます。APPLEⅡの貧弱な色数が逆に作用して、浮世絵のような独特で明快なディフォルメを形成するに至っています。これは間違いなく作者の意図した部分だと云えるでしょうね。

初期の格闘物としては操作体系も練られています。直立不動からの移動、構えは云うに及ばず、上中下に振り分けられる攻撃、敵攻撃の相殺などは現在にも通じるシステムであり源流を見るようでもあります。安易にジャンプを組み込まなかったゲームシステムは素敵ですね。

ゲーム的に見ると理不尽な部分も多く存在します。走行中に攻撃されると一撃死するところや、障害物である柵に挟まれても一撃死します。また扉に触れただけでもダメージを負ってしまいます。
ゲーム後半、自機の場所に依り鷹に連続でダメージを受けてしまうのも辛いところです。

このような古いゲームの文法とも呼べる負はありますが、本作にはそれを補って余りあるほどの美点が存在します。
それはゲーム内の演出です。
物語としては敵の要塞に忍び込み姫を助けるまでの短いものとなっているのですが、ゲーム進行に合わせて行われる演出の巧みさには舌を巻きます。

独房らしき所に閉じ込められたマリコ姫には寂寥を感じますし、ボス敵アクマが部下に指示を出す部分には強力な権柄を見出せるでしょう。
そして主人公カラテカ目指して走り来るザコ敵には相互の緊張が込められています。

これが映画で云うところのカットバックで挿入されるのが斬新な演出となっているのです。
しかもゲーム内で使用されているキャラグラフィックのみで作られている事から統一感を作り出しています。

最近のゲームにありがちな無理に誂えたムービーを見て嫌悪感を催されるのは私だけでしょうか?
そこには映像演出に進みたくても進めなかった制作者の無能と自己満足が垣間見られます。またはクリエーターと云う立場に勘違いして酔っ払った彼らの増長が感じられます。中には自らを監督と称して雑誌にそう掲載させている勘違い野郎さえ存在しています。
ディスクの容量を無駄に埋めようとしているであれば年末の道路工事をさえ想起させるのです。大人の事情とも取れますし非生産的なオナニーの臭いを嗅ぐ事も出来ます。
入れなければならない当然のものとして何の考えもなく扱われているのであれば、それはsexの際にバイブを使わなければ女が喜ばないとするのと一般です。きっとAVの見過ぎですよ。

ムービーを挿入する事で絵の統一感を破綻させて、作品の中に於けるプレイヤーとの一体感を裁断する意味とは一体どこにあるのでしょうか?

32bitCPUを積んだ次世代機登場以降に迷走を続けているクリエーターの皆さんはそろそろ大きな岐路に立たされていると自覚した方が良いと思います。
カラテカの演出は最低限でありながら最高の効果を出しているテキストとして見逃す事の出来ない作品と云えるでしょう。

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2006.01.11

プリンスオブペルシャ

pop01

1989年に米ブローダーバンド社からAPPLEⅡで発表されたアクションゲームです。
既に時代遅れのマシンとなっていた名機APPLEⅡ最後の大作と云っても良いと思います。

日本ではPC-98に移植(92年頃)された後、スーパーファミコン、メガドライブにも移植され一部で絶大な人気を誇りました。

ゲーム内容はサイドビューのジャンプアクション物なのですが、反射神経を必要としないトラップ回避型のパズルゲームと捉える事も出来ます。
特徴のある自機の性能を熟知した上で、程良い広さのマップ間の繋がりを憶えて行く事が攻略法となります。

ゲームを始めて先ず目を惹くのが自機キャラクターアニメーションの流麗なところですね。
ブローダーバンド社の作品ではロードランナーやカラテカが同様な素晴らしいアニメーションを持っています。どちらかと云うと滑らか過ぎて気持ち悪く思えるほどです。
ペルシャの移植作品も良く出来たアニメーションパターンを持っているのですが、本家の素晴らしさを凌ぐには至っていません。

これはAPPLEⅡのグラフィック性能が低かったからこそ得られた特徴であり、制作者の工夫が勝利した部分だと云えます。
移植作品の中ではメガドライブ版のグラフィックが最も優れていると思うのですが、自機に色数を多く使っている為アニメーションにちょっとした破綻が見て取れます。
オリジナルの自機は胴体が白一色で構成されています。これが為にアニメーションパターンが少なくて済み、キャラクターの中心がぶれず滑らかさを演出しているのです。
この部分には大きな研究の余地が隠されています。他のゲームで云えば、タクティクスオウガのキャラクターアニメーション、大魔界村のエンディングで王女が仰向く時の髪の毛のパターンなどが、同様な技法の使われている部分だと云えます。興味のある方は是非見比べてみて下さい。ひとつの法則を発見出来る筈です。


プリンスオブペルシャを一つの企画として考えると、ゲームだからこそ当然あるキャラクターの動作制限を取り除こうとした物だったのではないかと思えます。
作られたゲームフィールドの中にあって、実際の人間であればこのような動作を行うのではないか? 当然このようなアクションを取るだろう、きっとそうする筈だ……。
ゲームと云う作られた舞台にリアルな人間を放り込む意図であったとすれば、本作は大成功を収めていると云えるでしょう。
しかしリアルさを求めたが為に間口を狭めてしまう弊害も抱え込んでしまっています。本国では大ヒットしたプリンスオブペルシャですが、日本では一部濃いファンを持つに留まるカルトゲームの域を出ていません。

ペルシャの自機は何か行動を取る際に操作レスポンスが悪くなります。これは前の行動の繋がりから生ずる間となっていて、本作の企画意図からすれば必要な措置であり当然とも云える部分なのですが、スーパーマリオに代表される考え抜かれた良好なレスポンスを期待する日本人ユーザーには苛立たしいシステムに映ったのではないでしょうか。

ここには私たちの持つ融通の失効が見て取れます。
文芸映画を見て派手なアクションがなかったから詰まらないとする幼稚や、アイドル歌手の恋愛報道を受けて失望すると云った自分勝手な愚を孕んでいるからです。

プリンスオブペルシャを始めとする新機軸を持った作品を素直に受け入れるだけの度量を手に入れたいところです。肌に合わないとする拒否理由は食わず嫌いのそれと選ぶところがありません。精神的な嫌悪を取り除いた先にあるご馳走は最も美味であると知るべきでしょうね。そこには未だ知る事のなかった新しい食感が退屈と保守を蹴散らす為に待ち受けているのですから。

当時プリンスオブペルシャを楽しめなかったせっかちな私なのですが、現在に暇を見付けてはチクチクと遊び続けています。大人の鑑賞に堪える素晴らしいゲームですよマジで。

md-pop因みにこちらがメガドライブ版です。いま遊ぶとしたらこれが一番良く出来ていると思います。
ただオリジナル版はボタンを一つしか使わない仕様だったので感覚的に分かり易かったのですが、ボタン二つ仕様となっているので操作を間違えてしまう時があります。慣れが克服してくれる些細でもありますけどね。
またスーファミ版はグラフィックがケバケバしくて下品なのでお薦めしません。
 
 
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 ※これを書いた後でメガドライブ版を遊んで見たのですが、あまりにも難し過ぎる内容でした。マップはオリジナル版と同じようなのですが、キャラ比率の違いから攻略法が使えなかったり、敵が異様に強く感じられます。ただでさえ難しいゲームなのに……
やっぱりAPPLE版が一番面白いと思います。

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2006.01.06

ゲームセンターCX

gamecxなんだかんだと私も一個の妻帯者として自覚を持っている訳ですから、去年の暮れに妻へクリスマスプレゼントを贈りました。それがゲームセンターCXのDVD-BOXなのですが、まあネタに近い贈り物の割りには喜んでもらえました。
因みに今迄妻の誕生日やら記念日にプレゼントした物品は以下のようなものとなっています。
ニンテンドー64、セガサターン、プレイステーション1&2、ニンテンドーDS……などなど。決して私の趣味から実益を兼ねて購入している訳ではありません。多分違います。いや、きっと違うはず……。

でゲームセンターCXなのですが、ご存知の通り(?)フジテレビのCSで放送されているゲーム番組となっています。内容はよゐこの有野さんが激ムズゲーに挑戦したり開発者へのインタビューを行ったりと、ゲーム好きならば充分に楽しめるものに仕上がっていると云えるでしょう。

番組のメインは有野の挑戦と云う激ムズゲーを攻略する部分にあり、ファミコン世代の方にはお馴染みの作品群に郷愁感をくすぐられること頻りです。
しかしDVDには以下の7本しか収録されていません。

●スターフォース
●スーパーマリオブラザーズ2
●アトランチスの謎
●魔界村
●トランスフォーマーコンボイの謎(TV未収録)
●プリンスオブペルシャ
●スーパーマリオブラザーズ3

これはちょっと少ないなあ。他にもファミコンジャンプ風雲たけし城コナミワイワイワールドなど見ていて面白いゲームが放映されていたのですけどねえ。
DVD-BOXとは云い条、2枚組で構成されており中途半端な感も募ります。また開発者へのインタビューは一切収録されていません。ゲームスタジオの遠藤雅伸さんやチュンソフトの中村光一さん、ダービースタリオンの薗部さんなど興味をそそられる話も多かっただけに残念です。
新規の客を開拓すると云うよりはファンに向けたアイテムだと思われるので、今回のような構成には怪訝を提供させられます。

有野さんは芸能界でゲーム好きとして有名なのだそうですが、実際のところ一般的なライトユーザーの域を出ていませんね。それはゲームの腕前やインタビューでのトンチンカンな内容からも知る事が出来ます。
失礼ながらスタッフの方たちからもゲームへの深い眼差しは感じられません。

逆に云えばこの程度だからこそ、私の妻を例とした大勢の一般的なファミコン世代に阿世出来ているとも取れる訳です。これは悪い事とは云えませんし至極最もな選択だと思われます。

私は今回の中途半端な内容に不満足を買っていたのですが、飽かず鑑賞して喜んでいる妻を見ると、自身の感想はマニア寄りの狭い料簡から生じているのかも知れないなと勉強させられます。
未見の方には是非ともお薦めしたい番組でありDVDとなっているのは間違いのないところです。
実際はかなり面白い内容となっています。魔界村を4面クリアするのに10時間近くかかったり、スーパーマリオ2の一場面の為にホワイトボードを使ってスタッフと研究して見たりと、涙ぐましい努力に知らず応援している自分さえ発見出来るほどです。

皆様も新年の贈り物として細君や彼女にプレゼントしてみてはいかがでしょうか?

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2006.01.02

謹賀新年2006

takekoma

結婚すると生活の縛りがそこかしこに生じるものです。
血縁を決定付ける紙切れ一枚が、常識と云う慣例を道徳の名のもとに強要するのです。

盆暮れ正月冠婚葬祭……無宗教の私には何ら関係のない催事が詰まらない足枷を纏繞させて、それぞれの実家へと重い足を向かわせます。

まあ、これだとて慣例を口実とした寄り合いだくらいに考えれば気も楽ではあります。

ただ思うのは、元旦にする挨拶と平生行う挨拶には歴然とした相違があると云う事です。他人の捉える重みに差があると云う実際です。

心の籠もった挨拶であれば「明けましておめでとう」だろうが「おはようございます」「こんにちは」だろうと一向構う気遣いさえ見出せないと云えるでしょう。
便宜上、挨拶文を出しましたが、その言葉すら不要であるのではないかと思えるのです。礼儀としての挨拶が不要なのではなく、慣例の中に込められた道徳として強要させられる挨拶には、果たしてどんな意味があると云うのでしょう。

道徳の典範とは行き着くところ共産主義の理想である……

妻の実家近くにある有名な神社に行きました。
賽銭を投げ無心に自らの保身と法外な要求を祈る人たちに群盲を見ました。
おみくじを引き一喜一憂する人たちには冷酷な憐憫を感じました。
屋台で扱う粗悪な食料に暖を取る子供には純粋がありました。
厄年であろう妙齢の女性が購入した破魔矢には危険な無味を嗅ぎました。
訳も分からず連れて来られた室内犬の衣服には裕福を見せられました。
病気の父親の為にお守りを買わなければ許されない妻にあったのは諦念に相違ありません。
私は賽銭を入れて手を合わせる事でこれを正月だと思い込む事にしました。

妻の実家で飲みたくもない酒を酌み交わし、興味のないテレビ番組を見る事で時間を共有しただけで正月は終わりました。
私の磨り減らした神経と時間の代償は、義理の親の満足そうな表情に他ありません。
作られた社会に組み込まれて生きて行かなければならない私たちに芽生える疑問とは、それはそれで大変危険な思想であると云えるでしょう。

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