ゼビウスの系譜(10)
ASO
1985 SNK
●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け●対地推進型ミサイル●パネル×3パワーアップ●パワーアップキープ●8種類のパワーアップアーマー●面内ワープとリバース●時間経過ボーナス●2周エンドゲーム
自機をパワーアップさせる事に特化したかのような斬新なSTGです。
地上物を破壊する事によりパネルが出現し入手する事でパワーアップすると云うものなのですが、即効性がなくパネルを3枚集めて一段階上昇します。自機性能に関するもの(S:スピード、L:レーザー、M:ミサイル)は三段階までパワーアップし、途中でパワーアップの色に対応したK:キープパネルを入手する事で、ミスしてもその段階のパワー性能から継続出来るようになっています。
逆さ文字、または鏡文字となっているものはパワーダウンしてしまうパネルです。故意に自機性能を落とす意味のないゲームですので、これは意地悪な罠として作用しています。
Bパネルはボーナス点加算となっているのですが、出現させてからのスクロール距離で点数が変わると云う珍しいシステムが取られています。早く出現させて遅く入手する事で高得点となります。単純ではありますが非常に考えられたものだと思います。
W:ワープとR:リバースはそれぞれ面内での一定距離を進退するものですが、リバースを使った不毛な点数稼ぎのある事を考えると蛇足であったかも知れませんね。プチワープと云う意味では面白いと思います。
本作のメインであるパワーアップアーマーも三分割されたものを集める事で一種類入手した事になります。
8種類存在する何れもが有用で(一部使わないものもありますが)個性的なものである事は評価に価しますね。
特にボス敵でさえも一撃で破壊出来る威力を持つサンダーアーマーには度肝を抜かされました。現在のSTGに流通しているボムよりも強力なボムと云えるでしょう。
地上用ミサイルはゼビウスのような着弾点を設けた一点攻撃型と違い、直線上に進む当たり判定を持っています。目立たない部分かも知れませんが新しいシステムでした。
地上にあるパワーアップパネルやアーマーのパーツ類にも当たり判定があり、ミサイルが通過しないシステムは不親切にも思えるのですが、空中敵の少ない本作ですので、これも罠の一種と捉えて良いのかも知れません。
ASOはその複雑なパワーアップシステムと高い難度からマニアに受け容れられた作品と云う印象があるかと思いますが、実際にはサラリーマンなどの一般層がインカムに貢献する事でロングヒットを記録したゲームなのです。
実際のところ敵の攻撃が激しくない事から反射神経や動体視力を特に必要としません。敵の配置を憶え先手を取り、アーマーの使いどころを考えるパズル的な素養を持ったSTGであると云えるでしょう。このような独特なゲームであった為に以後正常進化を遂げた作品が現れていないのが残念でなりません。
→亜種
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