マザー3
細君がゲームボーイアドバンスのマザー3を遊んでいたのですが、一週間もしない内に飽きてしまったようです。一言「まどろっこしい」と云うのが辞めた最大の原因だとの事です。
私も少し遊んで見ました。なるほど細君の云っている意味が理解出来ました。
マザー3はハードや表現方法の相違はあるにしても、向かうところはPS2のファイナルファンタジー12と同様の問題を抱えているのだと感じました。
簡単に云うと、シナリオ優先型のストーリーをなぞらせて満足を与える作品だったのです。プレイヤーにゲームを遊ばせると云う部分が希薄に出来ています。
私は前作と前々作もプレイしているのですが、評判の多くに見られるような物語上の感動を全く感じる事もなくクリアしてしまいました。正直な感想は「幼稚」なストーリーだなと云う事だけでした。
マザー3をプレイすると任天堂制作スタッフの苦労が手に取るように分かります。
ご存知の通りコピーライターの糸井重里さんが原作を書いているのですが、氏はゲームシステム開発の素養を全く持っていないものと思われます。
シナリオとゲームシステムの融合がギクシャクしているのがその証拠です。
私の想像で云うと以下のような開発手順を踏んだのではないかと思われます。
先ず、糸井さんの書いた第一稿のシナリオを元に任天堂開発スタッフがシステムを考案。またはシナリオが未完成の時点でシステムを作り始めた。
シナリオに沿うようなシステムを作って行くも、糸井さんがアイディアを出す度に、またシナリオを改変する度に作り直して行かなければならない効率の悪さを味わった。
これの繰り返しでなんとか完成したのがマザー3。開発中止になったのがN64DD版だった……。
多分間違っていないと思うのですがどうでしょう? シナリオとシステムの無理な組み直しがプレイ中に感じられるんですよね。これが為に作品として見た時の完成度の低さとバランスの悪さが目立ってしまっています。
個人的に詳しい訳でもないので断言は出来ませんが、糸井さんが人間として純粋であるか仕事に対して真面目である可能性、そして著名人としての冠を利用した作品であると云う曲げられない事実。この事から糸井さんを絶対とする暗黙の了解がある為に開発が苦労して纏めあげたのが本作と云う事になります。糸井さんのゲームを知らないが為の迷走が開発スタッフを困惑させていたのは想像に難くありません。
マザーシリーズが評判に反して決して売り上げの良いシリーズではない(ドラクエやFFに並べない)理由がここに存在すると思います。ゲームとしての楽しさを提供してくれていないのです。宮本さんですらアドバイスに遠慮を挿し挟んでいるのではないかと勘繰ってしまいます。頑ななまでの任天堂の糸井さんに対する忠誠が作品を停滞させているとしては云い過ぎでしょうか? 在り来たりな中世ファンタジーや中途半端なSFではないRPGとしては面白い素材を持っていると思えるだけに残念の感が募ります。
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コメント
こんにちは
僕も、伊集院光さんと太田光さんと小説家の川上弘美さんが絶賛してるの読んでマザー123と一通りクリアしたのですが、全く面白くなかったんです。
今でもアマゾンではGBA版の廉価版中古でさえ¥5000です。信じられない。
バブシカさんのブログ読んでバブルボブルのPCソフト版メディアカイト新品を送料込み¥400で買い、本気で、楽しんでます。今、80時間越えました。大満足。
投稿: 下村比鶴 | 2013/08/30 12:10