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2006/07/26

1/144 ジュアッグ (仮組)

Juagg01

以前購入して押し入れで眠っていたジュアッグを仮組みして見ました。
意外と云うかなんと云うか思っていたほど酷い出来のプラモではないな……と云うのが第一印象です。

ご存知の通り(?)ジュアッグは機動戦士ガンダムの没メカです。名前の語感から想像するに、アッガイやゴッグと云った水陸両用モビルスーツからの流れを組んだメカだと思います。
本来ならばジャブロー攻防戦に参加するべくデザインされた物だったのでしょう。しかし画像を見ても分かるように、ズゴックなど整合性の取れたメカに較べると、ストレンジでありピーキーにも見えデザインの完成度が低いと云わざるを得ません。
他にある没メカ(アッグガイ、アッグ、ゾゴック)も同様にガンダムの世界観からは多少逸脱している感がありなるべくして没になったデザインだと云えますね。

通常お蔵入りとなる筈の没メカが発売された理由は、留まる事を知らないガンプラブームにありました。ガンプラと名が付けばドダイでもアッザムでもガウ攻撃空母だろうと何でも売れた時代だったのですが、アニメ本編に登場したメカを出し尽くしキット化する種がなくなってしまったのです。
そこで苦肉の策として企画されたのが没メカの立体化でした。

デザインとしては最低の部類と見なす事も出来るモビルスーツだったのですが、プロトタイプと銘打たれた見知らぬメカに私たち子供は心惹かれずにはいられなかったのです。
××専用とか量産型、RX-78、MS-R09などと云う型番に魅了されていた子供たちが新しく憶えた甘美な言葉でもあったろうと思われます。
また当時の模型シーンの一翼を担っていた「コミックボンボン」での素晴らしい作例もプロトタイプ祭りを盛り上げてくれました。

しかし元々が流行り熱にも似た一過性のものに過ぎませんでした。バンダイは次に既存キットのリアルタイプ化を進め、新たなムーブメントとなるモビルスーツバリエーション所謂MSVを企画する事で発売するキットがなくなると云う難を逃れました。そしてジュアッグ、アッグガイに代表されるプロトタイプは忘却の壁に歩を止めてしまったのです。

没メカ第1弾となる1/144アッグガイの発売されたのが1982年ですから、当時私はまだ小学生でした。夢中になり作った記憶はあるものの殆ど愛着を感じていない事から、没メカ自体に恋をしていなかった事実が窺い知れます。
でも今回ジュアッグを仮組みしていて何とも云えない郷愁感を覚えました。それは当時の友達の顔だとかそれに類した逸話だったり、大好きだったさち子ちゃんの唇の味だったり、初めて入れられた取調室だったりと多岐に渡ります。
その中にありながら当時と全く変わっていないのが仙台模型なんですよねえ。
一見無愛想に見えるけれど実は子供と模型が大好きなのだろう佐藤店長は、時間を超越したかの如く見た目も変わらず現役で働いておられます。
最近は個人的に忙しい事もありなかなか足を運べないのですが、寄った際には云い知れぬ安堵感を与えてくれるオアシスとも呼べる場所となっています。

以前にも書きましたが、仙台模型には当時の古いキットが未だ結構残っている事もノスタルジーを助長しているのかも知れません。
ジュアッグが思っていたよりも良く出来たキットで作っていて楽しかった事から、今日あたり他の¥300ガンプラを買い出しに行ってみようかな。

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2006/07/23

罪と罰

Tonbo先日、極楽とんぼの山本さんが未成年者への婦女暴行の廉で送検されました。
それについては特に思うところもないのですが、以後の関係者や知人友人のコメント態度に釈然としないものを感じてしまいます。

確か山本さんって以前から少女好きをメディアで公言していましたよね。ましてや乱れた性生活をネタにして糊口を潤していた感さえあったと記憶しています。
と云う事は、関係者や知人はおろか相方である加藤さんだって事件に繫がり兼ねない彼の日常を認識していた筈なのです。

謝罪会見で見せた加藤さんの涙は本物である事に疑いを持ちません。
しかし最も身近にいて誘掖してあげられる立場にいた人の涙としては信用を置けません。そこには上滑りだけを良しとする曖昧な関係をしか想起出来ないからです。公で涙を流す前にやるべき事があったのではないか。長年苦楽を共にして来た相棒であるからこそ、指摘し難いだろう案件を敢えて指摘しなければならない苦い時間が必要だったのではないか。

テレビ局側も被害者面をして苦々しい態度を顕わとしています。
山本さんの性生活やロリータ嗜好を面白おかしく電波に乗せて全国へ発信していたのはどこの誰ですか? そりゃあ番組差し替えやら放送延期などで忙しい事でしょう。しかし散々無責任を消費するだけとしいて、いまさら被害者面するなんてムシが良すぎますよ。

事件として発覚したから個人が悪人へと豹変する訳ではないのです。
悪を行った時点で個人は悪となり断罪せられる権利を有してしまうのです。現在の風潮では犯罪を行なっても逮捕されるところまで進まなければ良しとなっていますよね。社会がそれを許容してくれている訳です。村上ファンドしかりホリエモンしかりです。

はっきり行ってモラルが低下しているのだと思います。悪を悪として判断し裁断出来る規矩が教育されていないのでしょう。
以前NHKの若者討論番組を見ていた際に「どうして人を殺しちゃあ駄目なんだ?」と云う意見があって大きな衝撃を受けました。これについては推して行くと別次元の話になりそうなので省きますが、これほどまでに日本が進めて来た道徳が退嬰を欲しいままにしてしまっているのです。

知り合いの大学生のブログを読んだところ今回の山本事件については、ただ大好きなテレビのコーナーがどうなるのかと云う心配しか書いてありませんでした。好き嫌いを超越したところに道徳はあるものですが、それを前提とした個人の考えさえ脳を働かせていないようです。
中国人の民意が低いと云う前に、自国の基盤たる思想道徳を見詰め直す時期にあるのではないでしょうか。早めに手を打たないと少子化問題と合わさる事で、取り返しの付かない未来が約束されているものと感じています。

まあ、しかし今回の事件を殊更大きくしてしまう引き金を仕組んだのは金ちゃんなんですけどね。

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2006/07/22

1/20 アーケロン (途中)

Arke01最近プラモは殆ど作っていないんですけど、途中までで止まっている物が十個以上あります。スターウォーズ、戦車、レシプロ機などが主なのですが、マシーネンクリーガーが最も多く、数えて見たら塗装前段階の物だけで5つもありました。

画像のアーケロンは5年ほど前に作り始め、胴体が9割方完成したので安心して放って置いた物です。
もともとはAFSと云う機体で、それにパテを盛って改造してあります。あとは手足を少し改造すれば完成するんですけど、いつもこのくらいの段階で飽きてしまうんですよねえ。
最後まで作らなければ意味がないとも思うのですが、ちょっとでも飽きてしまうと次の何かを探してしまいます。ゲームで云うと、RPGがエンディング間近でも詰まらないと感じたら辞めてしまうタイプですね。

このアーケロンは胴体の形出しが肝なので、それが或る程度上手く行った事で興味が薄らいだのだと思います。
最初に難しいところから始めてしまい好きなだけそれを続けてしまう……で、取り敢えず自分が納得するか妥協出来る程度の物を作ってしまうと満足して放擲する。これの繰り返しとなっています。
未完成の悪循環だなあと思います。もう少し効率よく作業するパターンもある筈なんですけど、興味のある事だけひとつひとつ終わらせたいとする性格が悪循環スパイラルを引き起こしている事実。
これが現在置かれている自分の生活位置を形成したのには相違ありません。とは云うものの偉くなりたい訳でもなし金が欲しい訳でもなし、楽しく生きていられれば良いかなあとする楽観的な私がいます。本当に詰まらなくなったら死ねばいいだけですしね。


因みにこのアーケロンは、そのままAFSにパテ盛りすると胴体が短く見えてしまう事から、胴体の下部を(前方だけ)1センチ延長してからパテを使いました。横山先生のオリジナルモデルとは印象を異にしてしまいますが、ホビージャパンAFS特集のイラストには近くなったのではないかと思います。
いま見るとウエストをもう少し絞っても良かったかなとも思います。

アーケロンはppkさんのリンク先、村生えでぃさんのブログでも制作途中画像が公開されています。氏はモデルグラフィックス誌で作例も担当なさっているプロモデラーですので、参考になさるなら断然そちらの方が良いでしょう。

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2006/07/21

ハルモニオデオン

Harmoni_1

1989年に発表された遊佐未森さんの3rdアルバムです。

前年に1stアルバム「瞳水晶」でデビューした彼女は、同年に続けて2ndアルバム「空耳の丘」をリリースします。
1stではまだ独特な歌声を持つ不思議アイドル的な扱いであったと思うのですが、2ndから叙情的な世界観を確立し以降の作風へと続いて行きます。

そして発表された3rdアルバム「ハルモニオデオン」は初期の遊佐未森が持つ郷愁感を前面に掲げた名作となりました。

私は邦楽を殆ど聞かない質なのですが、本作だけは購入以後十数年間ずっと飽かずに聞き続けています。
邦楽を聞かない理由はその歌詞にあります。私たちが日常必然として耳に入れ口にしている日本語ですから、その意味が頭に入り過ぎてしまうのです。
私が音楽CDを掛けるのは曲が聞きたいのであって歌詞を知りたいからではありません。素晴らしい詩を感じたいのであれば梶井基次郎や三好達治を読めば良いと思います。良い曲を感じたいのであればクラシックを聞けば事足ります。

曲に乗せなければならない歌詞には制限から来る限界が付随して消えません。そうであるならば定型句の羅列と化した邦楽の歌詞を楽しめる理由は見あたらなくなってしまいます。

その点洋楽は私が無学である事から漠然とした内容しか把握出来ない為、或る程度純粋に曲を聴く事が出来る訳です。もちろん洋楽にも歌詞が乗っている以上は定型句が耳障りに感じる事もあります。しかし判然と意味の理解出来ない負がメロディとして受け流してもくれます。
また現在の邦楽はビートルズ以降のポップスを参考として成立している為に、メロと日本語の相性が甚だ悪い事も聴き難い要因となっていると思います。8ビート16ビートに日本語は上手く乗らないものと認識しててるからです。

しかし曲と詩が一体となった時、1+1が通常の答え2ではなく、3や5や10に変化する事実も認めています。
ハルモニオデオンはまさしくそれを地で行く邦楽アルバムだと思います。
遊佐未森さんの優しい歌声と外間隆史氏の諦念を伴った切ない曲調、工藤順子さんの懐かしさを感じさせる日本語、これが三位一体となり完成した稀有な名作となっています。あまり評価される事はありませんが編曲アレンジ面の完成度もかなり高いと云えます。

能く云われるように宮沢賢治の世界観を持った邦楽だと思っていただければ分かり易いかも知れません(実際はちょっと違いのですが)。または矢野顕子のファンタジー版とも呼べるでしょうか。ケイトブッシュの影響もボーカルスタイルやコーラスに現れていると思います。
人によっては鼻にかかった高音ボーカルとファルセットに嫌悪感を抱くかも知れませんが、郷愁感を煽る癒し系音楽を求める方や、心に平静をもたらしたいと考える忙しい現代人に強くお奨めしたい作品となっていますよ。


遊佐未森さんは仙台の出身で地元アーケード街のテーマソングも歌っておられます。中央通りを歩いている時にその曲が流れると何だかそれだけで幸せな気分に浸れてしまいます。
余談ですが氏のお父さんは地元高校の先生で、その高校に通っていた私の同級生は無理矢理デビューシングルを買わされたそうです。

友人に誘われてコンサートを見に行った事でファンになった口なのですが、コンサート、ライブ嫌いの私が三回も足を運ぶほど凝った演出で楽しませてもらいました。ただ「0の丘と∞の空」演奏時一斉に席を立ち踊り出すオタクっぽいファンが凄く怖かった……。
90年以降彼女の作風が変わって行った事でアルバムを購入しなくなってしまったのですが、良い機会だから今一度アーティストとしての遊佐未森を追いかけて見ようかな。

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2006/07/20

ゲーセンUSAミッドウェイアーケードトレジャーズ ~その5

7/28号のファミ通によると上記タイトルが秋頃にプレステ2で発売されるそうです。
ミッドウェイとは云い条アタリの作品が半数以上を占めていて、ウイリアムズの作品も幾つか入っています。そして収録ゲーム数はなんと32本! かなりのお買い得感がありますね。
1980年以降90年までの名作がずらりと揃えられたラインナップには、マニア垂涎を通り越して失禁脱糞を催されてしまいそうです。

と云う訳で、今回のウイリアムズ+αで全収録作品を紹介した事になります。
★印は個人的なお奨め度数ですのでご参考まで。


Robotron
ロボトロン2084 ★★★★★

1982年にウイリアムズから発表された固定画面シューティングゲームです。

8方向レバー2本で自機の移動とショット方向を個別に指定する斬新な操作体系を生み出した傑作です。
ゲームとして見ても素晴らしく、抜群の爽快感と息詰まる緊張感を提供してくれて飽くことを許しません。
かなり難しいゲームなのですがエブリー設定は甘いので長く遊べるのも良いところです。

少ない色数のグラフィックであるにも関わらず、パレット変化で透明感のある雰囲気を作っているのも評価に値します。重厚なサウンドも見事の一言ですね。

以前書いた記事がありますので宜しかったら参照して下さいませ。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/02/2084.html


Joust
ジャウスト ★★★★

1982年にウイリアムズから発表された固定画面アクションゲームです。

日本では任天堂バルーンファイトの元となった作品と云えば分かり易いでしょうか。内容も殆どそのまんまです。
しかしボタン1押しの浮遊率が低い為に連打を余儀なくされてかなり疲労させられます。プレイフィールドもずっと同じ背景の繰り返しなので飽き易いかな。敵の登場パターンなどはバリエーションがあり面白いと思います。
斬新で良く出来た作品なのですが、バルーンファイトの考え抜かれたプレイアビリティを前にしてしまうと、オリジナルアイディアの尊さしか発見出来なくなってしまいますね。


Joust2
ジャウスト2 ★★

1986年にウイリアムズから発表されたジャウストの続編です。

前作は横画面でしたが今作は縦画面となっています。特にその変更が活用されているとは云い難い内容ではあります。それ以上に何故この時期に発表されたのかが最大の謎ですね。色々なアイディアは詰め込まれているのですが、全て蛇足感をしか提供しません。無闇に難しくなっているし、はっきり云って遊ぶ価値はないと思います。


Bubbles
バブルス ★★★★

1982年にウイリアムズから発表された固定画面アクションゲームです。

自機バブルスを操作して流しの中のゴミや虫を掃除し尽くすと一面クリアとなります。排水溝が緑色に光った時に逃げ込む事で2面先にワープ出来ます。

自機は時間が経つと見た目にも巨大化して当たり判定が大きくなってしまいます。その上で慣性も付いているのでなかなか難しいゲームと云えます。しかし独特な雰囲気が魅力でついつい遊んでしまいます。

余談ですが、忍者くんでお馴染みのUPLはウイリアムズ作品のグラフィック、サウンドにかなり影響を受けていると思います。本ソフトが発売された暁には米ゲームから日本にもたらされた技術影響などを調べる事も容易となりますね。


Splat
スプラット! ★★★

1982年にウイリアムズから発表された固定画面アクションゲームです。

操作体系がロボトロンと同一で8方向レバー2本を使用。自機移動とショット方向指定に用います。
ゲーム内容がなんとも奇天烈なものとなっており、画面上部から落ちて来るトマトやバナナ、パイ、魚を拾って敵に投げつけます。ここに重力の法則を発見出来るのですが、自機、敵は画面内を縦横無尽に移動が可能。
攻撃を受けると頭だけが画面内をバウンドしまくり、再度合体しないとミスになります。
敵トウモロコシがホップコーンをばらまきながらトマトを投げて来るし、雷雲が自機を執拗に追いかけ回します。どう云う世界観なのかさっぱり見当も付きません。

その理不尽な設定を抜きにすればゲームとしては適当に楽しめるかな。本気で遊べるかどうかは別として何か心惹かれる作品ではあります。


Totcarn
トータルカーネイジ ★★★

1992年にミッドウェイから発表された任意スクロールシューティングゲームです。

今回のラインナップでは年代的に最も新しい作品となっています。
内容は日本でも多少知名度があると思われるスマッシュTVの続編です。スマッシュTVはロボトロンの進化版と云えるでしょう。8方向レバー2本を使用し自機移動とショット方向指定を行う共通点を持っています。作者も同一人物です。

トータルカーネイジは日本初お目見えとなる移植版なのですが、そこに価値を見出せなければはっきり云って駄作です。詰まらないゲームではないのですが、ロボトロンの完成度、スマッシュTVの後味の悪い爽快感には遠く及ばない凡百の作品と云えるでしょう。

どうせラインナップに加えるのならスマッシュTVがあっても良かったと思いますし、同作者のナークあたりも希少価値が高い作品として機能した筈です。どうも中途半端なセレクトだなあと残念に思えてなりません。
と、最後に文句を云ってしまいましたが、これで全作品解説を終わります。

●総括

アタリゲームズからの作品は17本となっています。本当に素晴らしい作品が多数収録されていると云えるでしょう。これだけでも購入する意味があると思われます。特に日本では殆ど知られていないけれど良く出来た作品が多く収録されているのが嬉しいところです。

ミッドウェイ作品は10本。ちょっと古臭いものばかりになっていますね。ゲームとして楽しめない物が多いのも残念です。
トータルカーネイジと同年代の作品が収録可能であったのならば、モータルコンバットや、ランページ、NBAジャムあたりが入っていても良かったのではないかと思います。

ウイリアムズ作品は5本。これは納得の作品が収録されているのではないでしょうか。これでディフェンダーがあれば完璧でしたね。

海外の作品は操作システムに独自インターフェイスを持ったものが多いので、それがプレステパッドでどのように再現されているのかを確認するだけでも意味と価値があるのではないかと思います。


今回このように紹介記事を書いて見て思ったのは、収録本数32本ではまだまだ全然少なすぎるのではないかと云う事でした。
どうせレトロゲームマニアの琴線しか弾かないコンピソフトなのですから、代表的な作品を100本単位で入れてしまっても良いのではないかと考えます。
それを新しいハードが出る度に発売してくれれば私たちレゲーファンはお布施としてもきっと購入させてもらいますよ。
例えばナムコミュージアムBEST50とか、SEGA AGES1978-1990、タイトー過去ゲー叩き売り100本……なんてのが出ませんかねえ。
そんなライブラリーとしても機能するバラエティソフトがあればグレーゾーンにあるエミュレーターの意味と価値も変わって来るものと思います。誰も好きこのんで違法行為に手を染めている訳ではないのです。ビデオゲームメーカーは過去の遺産を尊びその保存に尽力して、私たちユーザーが大手を振って楽しめる、または研究出来る環境を作らなければならないのではないでしょうか。自分勝手な意見かも知れませんが、ゲームが作品としてひとつの芸術と呼ばれるようになる為には、保存と提供を主とする確乎とした団体が登場しなければならないと常々考えています。現実にそのような活動を無償で行っているのがMAMEプロジェクトだったりする訳ですから、なんとも痛し痒しな状況と云えますね。

タイトーのように小銭を稼ぐ為に自社製品在庫ボードを二束三文で海外に売り飛ばすようなメーカーがいる限りは無理な相談なのかなと悲観してしまいます。

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2006/07/19

ゲーセンUSAミッドウェイアーケードトレジャーズ ~その4

7/28号のファミ通によると上記タイトルが秋頃にプレステ2で発売されるそうです。
ミッドウェイとは云い条アタリの作品が半数以上を占めていて、ウイリアムズの作品も幾つか入っています。そして収録ゲーム数はなんと32本! かなりのお買い得感がありますね。
1980年以降90年までの名作がずらりと揃えられたラインナップには、マニア垂涎を通り越して失禁脱糞を催されてしまいそうです。

と云う訳で、何回かに分けて全収録作品を紹介して見たいと思います。今回はミッドウェイの作品紹介です。★印は個人的なお奨め度数ですのでご参考まで。


Shollow
サタンズホロー ★★★

1981年にバリーミッドウェイから発表された固定画面シューティングゲームです。

ギャラクシアンのフォロワー的な内容です。同年にナムコから発表されたギャラガと同様に敵が編隊を組み攻撃して来ます。開発時期はほぼ同列に進んでいたと思うので、アイディアが必然として同じ方へ向いていたのでしょう。しかしキングアンドバルーンのように自機ストックを敵に連れ去られてしまうフィーチャーや、サスケVSコマンダによく似たボスの攻撃をどう取るかでオリジナリティへの評価が分かれそうだとも思います。
攻撃と防御を兼ね備えたバリアの存在とカラフルな背景が本作の特徴です。


Spyhunt
スパイハンター ★★

1983年にバリーミッドウェイから発表された攻撃型レースゲームです。

自機が日本製レーシングカーと云うところが変わっています。アナログスティックにアクセル、シフト、攻撃ボタンが5個もある操作系統が煩雑な印象を与えます。
ボタンは味方トレーラーから入手する武器にそれぞれ対応したものとなっていて、マシンガン、ミサイル、オイル、スモーク、トレーラー呼び出しに割り振られています。

単調なゲーム内容を複雑な操作でカバーして楽しませる……と云うのが狙いであるならば、本作はそこそこの成功を収めているかも知れません。でもゲームとしては全然面白くないんですけどね。


Spyhunt2
スパイハンターⅡ ★

1987年にバリーミッドウェイから発表されたスパイハンターの続編です。

前作はトップビューの2D作品でしたが、今回はリアビューの疑似3D作品となっています。ボタンの数も減り普通になったのは良いのですが、何故だかゲーム性は著しく低下しています。この年代にこの完成度? 何ひとつして語るところを持たないクソゲーです。


Kroo0001
コズミッククルーザー ★★

1982年にバリーミッドウェイから発表された固定画面シューティングゲームです。

どのような操作インターフェイスを持っていたか分からないのですが、自機の8方向移動とショット方向が独立しています。ソフトのシステムとしてはロボトロンや怒をイメージしていただければ良いと思います。

かなり忙しない内容となっていて、ショット方向を指定する間に敵体当たりを食らうのが日常です。自機の移動力、ショットの強さ、敵移動力のバランスがお座なりで楽しめないゲームとなっています。


Wacko
ワッコー ★★★

1982年にバリーミッドウェイから発表された固定画面シューティングゲームです。

自機キャラクターがコズミッククルーザーと同じでゲーム内容も似ている事から続編物なのかも知りません。

操作はトラックボールで自機の移動、レバー(?)でショット方向を指定するようです。
内容が少し変わっていて、対で現れるモンスターを連続で攻撃する事で撃破します。前作のようにバランスが悪いと云う事もないのですが、ゲームとして全く面白くありません。やり込んだら印象が変わるのかな?


Xenophob
ゼノフォーブ ★★★

1987年にバリーミッドウェイから発表されたアクションシューティングゲームです。

同一画面で3人同時プレイが可能となっています。かなり単調な内容だと思うのですが、不思議な魅力も持っていて漫然と遊び続けられます。やり込んでいない事もあり評価し難い作品です。


Tapper
タッパー ★★★

1983年にバリーミッドウェイから発表された固定画面アクションゲームです。

内容としてはゲーム&ウォッチの豪華版とでも云えば良いでしょうか。
インベーダーよろしく徐々に近付いて来る客にビールを注ぎ投げ渡します。一見して把握出来るシステマチックなゲーム内容は個人的に好みです。馬鹿らしい雰囲気も楽しませてくれます。


Timber
ティンバー ★★★

1984年にバリーミッドウェイから発表された固定画面アクションゲームです。

4方向レバーで木こりを操作して、それぞれの方向に対応した左右2ボタンで木を切り倒します。
これもゲーム&ウォッチ的な内容ですね。キャラもタッパーのバーテンと類似しています。
アタリ作品がハリウッドの意欲的大作だとすると、ミッドウェイ作品は商業的なB級映画と取る事も出来るでしょう。詰まらなくはないけれど何も残らない……と云った感じです。

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2006/07/18

ゲーセンUSAミッドウェイアーケードトレジャーズ ~その3

7/28号のファミ通によると上記タイトルが秋頃にプレステ2で発売されるそうです。
ミッドウェイとは云い条アタリの作品が半数以上を占めていて、ウイリアムズの作品も幾つか入っています。そして収録ゲーム数はなんと32本! かなりのお買い得感がありますね。
1980年以降90年までの名作がずらりと揃えられたラインナップには、マニア垂涎を通り越して失禁脱糞を催されてしまいそうです。

と云う訳で、何回かに分けて全収録作品を紹介して見たいと思います。先ずはアタリゲームズの紹介から。★印は個人的なお奨め度数ですのでご参考まで。


Harddriv
ハードドライビン ★★★★

1988年にアタリゲームズから発表されたリアルシミュレータードライブゲームです。

それまでにもポリゴンを使ったゲームは存在していましたが、本格的な3Dを意識させてくれたのは本作が最初と云っても良いと思います。
現在の目で見ると非常に緩慢なレースゲームとなってしまいますが、当時はこれでも斬新でしたし逆にリアル感を演出していました。
コクピット筐体もそれを助長しており、キーを回すところからゲームが始まるあたりには感動させられました。クラッチが付いた初めての作品だとも記憶しています。

個人的にはメガドライブへの移植版でかなり遊ばせてもらいました。ゆっくり楽しむ事を前提とすれば現在でも十分に面白いドライブ物だと思います。


Cyberbt1
サイバーボール2072 ★★★

1988年にアタリゲームズから発表された近未来アメフトゲーム、サイバーボールのマイナーチェンジ版です。1989年発表。

アメフトに詳しくないのでゲームシステムへの言及は避けますが、テンポの悪い作品の典型のように感じます。
もともとがシステマチックなスポーツを題材にしているとは云え、初心者ではルールが把握出来ず、戦略を選ぶ際にいちいちプレイ画面から遠ざけられるのも興醒めさせられる部分ですね。


Toobin_1
トゥービン ★★★★

1988年にアタリゲームズから発表されたコミカルな川下りゲームです。

日本では殆ど知名度のない本作も目玉のひとつに数えられるのではないでしょうか。
操作方法が独特で5つのボタンを使用します。

   ① ②
  ③   ④
    ⑤

上のようなボタン配置となっており、
③④を同時に押す、または交互に連打すると前進

③を押すと左方向旋回
④を押すと右方向旋回

①②を同時に押すと後退

⑤が入手した缶を投げる攻撃ボタンとなっています。

またボタンを組み合わせる事でかなり微妙な操作が可能となります。要はボタンと自機キャラクターの手の動きが連動していると思っていただければ分かり易いでしょう。

世界観としてはペーパーボーイの川下り版とも呼ぶべき愛すべき滑稽な雰囲気を提供してくれています。
ゲーム的にも大味に見えてテクニカルな操作を要求する遊び甲斐のあるものに仕上がっていると云えます。二人同時プレイで得点を競いワイワイと楽しむのが本道かな。


Rampart
ランパート ★★★★

1990年にアタリゲームズから発表された戦略パズルシューティングゲームです。

これもまた非常に遊び甲斐のある素晴らしい作品です。
城壁を築き砲台を配置するテトリスライクなパズル面と、侵攻して来る敵を迎え撃つミサイルコマンド的なシューティング面を交互に繰り返し行います。
メインはパズル面となっていて高次面に進むほど的確な操作と深い思考を要求されます。この事から大人でも十分に楽しめる内容となっていて好感が持てますね。地味な作品ですが多くの固定ファンを持つアタリ後期の名作と云えます。

日本に輸入されていたのが8方向レバーで操作するバージョン、オリジナルはトラックボールを使用します。このあたりの操作方法もどのように移植されているのかが気になります。


Pitfight
ピットファイター ★★

1990年にアタリゲームズから発表された対戦格闘ゲームです。

実写取り込み画像を使ったキャラクターが印象的な本作ですが、ストⅡに代表される完成度の高い格闘物を知っている私たち日本人からすると、かなりのクソゲーと云えますね。
スタンランナーから脈々と受け継がれて来た或る意味素晴らしい日本語訳以外見るべきところはないと思います。

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2006/07/17

ゲーセンUSAミッドウェイアーケードトレジャーズ ~その2

7/28号のファミ通によると上記タイトルが秋頃にプレステ2で発売されるそうです。
ミッドウェイとは云い条アタリの作品が半数以上を占めていて、ウイリアムズの作品も幾つか入っています。そして収録ゲーム数はなんと32本! かなりのお買い得感がありますね。
1980年以降90年までの名作がずらりと揃えられたラインナップには、マニア垂涎を通り越して失禁脱糞を催されてしまいそうです。

と云う訳で、何回かに分けて全収録作品を紹介して見たいと思います。先ずはアタリゲームズの紹介から。★印は個人的なお奨め度数ですのでご参考まで。


Marble
マーブルマッドネス ★★★★★

1984年にアタリゲームズから発表されたゴール到達型アクションゲームです。

ゲームシステム、グラフィック、サウンド、また操作性全てに於いて完成され尽くしたアタリゲームズの最高峰と云っても過言ではないでしょう。

移植作品としてトラックボールの操作感をどこまで再現出来ているのかが気になります。
オリジナルでは殆ど遊ぶ事のなかった二人同時プレイも家庭用でしたら気兼ねなく楽しめそうですね。

以前書いた記事がありますので宜しければ参照して下さいませ。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2004/10/post_8.html


Roadblst
ロードブラスター ★★★

1987年にアタリゲームズから発表されたレーシング+シューティングゲームです。

ラスタースキャンによる疑似3Dコースを走破しながら、敵車を破壊して行く……任天堂のマッハライダーに似ています。
各面が比較的短くサクサクと楽しめるのが良いところですが、特に目新しいところもない平凡な作品ではあります。


Xybots
ザイボッツ ★★★★

1987年にアタリゲームズから発表された迷路探索型シューティングゲームです。

個人的には本作と次に紹介するビンディケーターズが今回の目玉だと思っています。
特殊回転レバーを使用し自機の向きを指定しながら3D迷路を探索しゴールを目指します。
自機の後ろから見たリアビュー視点を取っていますが、内容としてはドゥームなどのFPS物と同等だと思っていただいて大差ありません。

少数ながら日本にもアップライト筐体が輸入されていたと思うのですが、ビデオゲームとしては斬新な画面構成に内容が把握されず早々姿を消してしまいました。
当然コンシューマー機への移植もありませんでしたから今回ラインナップに加わった事実に喜びを禁じ得ません。

私はMAMEで結構遊んでおり、なかなか素晴らしい作品だと認識しているので、未見の方には特にお奨めしたいところです。二人同時プレイも面白いですよ。


Vindictr
ビンディケーターズ ★★★

1988年にアタリゲームズから発表された任意スクロール型シューティングゲームです。

上下2方向のツインスティックを使用し自機戦車を操作します。同年にナムコから発表されたアサルトのような特殊移動(横転、ウイリー)がないので多少のもどかしさを感じます。しかし地味ながら独特な操作感を味わえる良作となっています。

これは日本に輸入されていたかどうかの記憶がありません。移植作品も当然ありませんし貴重な存在であると思います。
ゲーム的に見ると、鍵を入手して出口へ向かうと云う旧態依然としたシステムが取られており、スクロール開始位置と自機の位置関係の悪さがプレイ感を損ねていて残念に思わせます。
この問題については以下の記事を参照して下さい。

メトロクロス
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2004/11/post_10.html
ファンタジーゾーン
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2004/11/post_11.html
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2004/11/post_12.html


Klaxj
クラックス ★★★★

1989にアタリゲームズから発表されたテトリスフォロワーの落ちゲーです。

テトリスを意識して作られた事は明らかですが、そこはアタリらしい趣と斬新を用意したアクションパズル物の佳作となっています。

以前書いた記事がありますので宜しければ参照して下さいませ。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/02/post_6.html

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2006/07/16

ゲーセンUSAミッドウェイアーケードトレジャーズ ~その1

7/28号のファミ通によると上記タイトルが秋頃にプレステ2で発売されるそうです。
ミッドウェイとは云い条アタリの作品が半数以上を占めていて、ウイリアムズの作品も幾つか入っています。そして収録ゲーム数はなんと32本! かなりのお買い得感がありますね。
1980年以降90年までの名作がずらりと揃えられたラインナップには、マニア垂涎を通り越して失禁脱糞を催されてしまいそうです。


と云う訳で、何回かに分けて全収録作品を紹介して見たいと思います。先ずはアタリゲームズの紹介から。★印は個人的なお奨め度数ですのでご参考まで。

720
720° ★★★★★

1986年にアタリゲームズから発表されたアクションゲームです。
特殊回転レバーによりスケボーの向きを制御してキックボタンで前進、ジャンプボタンを組み合わせる事で様々なトリックを披露します。

ゲームにし難い題材を上手く調理してあり、最高にクールでポップな作品に仕上がっています。格好いいアップライト筐体を含め当時ゲームセンターで最もお洒落な佇まいを持っていたのが本作でした。
内容も素晴らしくただ操作しているだけでも楽しいと思わせてくれます。ただ最初のトレーニング面のタイム設定が厳しく、本編に進めないままゲームオーバーとなってしまうパターンも能く見受けられました。洋ゲーならではの説明不足もあったと思いますが、現在に家庭用として遊ぶ分には心配するに及ばないところでしょう。

やや特殊な操作性がどのように再現されているかが見物であり心配な部分ではあります。


Apb
APB ★★★

1987年にアタリゲームズから発表されたカーチェイスアクションゲームです。

2Dのドライブ物なのですが、アップライト筐体にハンドルとアクセル、ブレーキ、サイレンボタンが付いていたと思います。あと武器ボタンもあったかな?
内容としてはファミリーサーキットと同等な任意スクロールシステムが採用されており、チェイスHQのように犯人を捕まえる……と云えば分かり易いでしょうか。

犯人を捕まえる方法がドライブ物としては独自なシステムとなっています。ゼビウスのような自機前方に配された照準を敵に合わせてサイレンボタンを押すのです。亜種ながらゼビウスの系譜に含んでも良さそうな内容ですね。また敵にぶつかり破壊する事ででも逮捕出来ます。

ミスの条件が何種類か存在するのも面白いところです。タイム切れ、ガス欠、交通違反など。

私は殆どプレイした事がないので評価し難いのですが、遊び込む事で面白くなりそうな作品だとも思います。同作者は他にミサイルコマンド、テンペスト、アイロボットなども手掛けた名ゲームデザイナーです。


Gauntletp
ガントレット ★★★★

1985年にアタリゲームズから発表されたアクションRPGシューティングです。

4人同時プレイが可能な事からパーティーゲームとしても楽しめるでしょうね。シンプルな内容が現在に遊んでも十分に楽しませてくれます。

以前書いた記事がありますので宜しければ参照して下さいませ。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2004/11/post_16.html
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2006/04/mame_icons_07.html


Gaunt2
ガントレットⅡ ★★

1986年にアタリゲームズから発表されたガントレットの続編です。

ゲームシステムは前作と同様なのですが、かなり意地悪な内容となっていて遊んでいて楽しいとは云えなくなってしまいました。前作を遊び尽くしたファン向けですね。
 

Paperboy
ペーパーボーイ ★★★

1984年にアタリゲームズから発表された新聞配達ゲームです。

ザクソンのように斜め俯瞰から描かれたフィールド内を、自転車で走りながらポスト目掛けて新聞を投げ込みます。このようにリアルな日常をゲームにしてしまうのはアメリカならではのお家芸と云えますね。
日本にも多くの台数が設置されていた筈なのですが、遊んでいる人はあまりいなかったと記憶しています。ゲームに独自な世界観を求める日本では受け入れられなかったのでしょう。新聞を投げる習慣もありませんしね。でもこのバタ臭さ私は大好きです。


Ssprint
スーパースプリント ★★★

1986年にアタリゲームズから発表された固定画面レースゲームです。

この手のトップビューレース物って海外では大変な人気があるようですね。見た目でかなり地味な印象を受けてしまうのですが、遊んで見ると意外に熱くなれます。3人同時プレイ出来るのも良い部分だと思います。
ゲーム的に見てもブレーキングやドリフトを多用しなくてはならず、非常にテクニカルな趣を提供してくれる良作となっています。


Csprint 
チャンピオンシップスプリント ★★★

1986年にアタリゲームズから発表されたスーパースプリントの続編です。

コースが変更されただけで内容的には前作と殆ど変わりません。
日本では同年にアウトランが発表されていますので遊ぶ機会もなかった事でしょう。

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2006/07/15

クリスタルキャッスルズ

Cc03

Cc01Cc02Cc04Cc05Cc06Cc07Cc11Cc12Cc08Cc09

1983年に米アタリ社から発表されたドットイートタイプのアクションゲームです。

画面フィールド上の点(ドット)を全て取る事で面クリアとするゲームシステムは、ヘッドオン(1979)から端を発し、パックマン(1980)の世界的な大ヒットで不動のものとなりました。以後もパックマンの派生やコピーゲームから様々な種類の作品が生まれる事になります。

クリスタルキャッスルズも完全なるドットイートゲームの亜流と云えますが、1983年と云う後発時期から工夫を凝らされた作品として発表されました。
先ず目を引くのが素晴らしいグラフィックです。それまでのドットイートゲーム並びにビデオゲームは、システム把握の容易さとハードの貧弱を理由に2D画面で作られているのが当然でした。
本作も疑似3Dの域を出ない作品とは云えるものの、絢爛な立体表現とセンスの良さが融合しており、現在の目で見ても際だった強い個性を感じさせてくれます。
立体交差と高低のある地形、トンネルやエレベーターと云った仕掛けも上手く機能していますね。
面スタート時にワイヤーフレームで描かれて行く背景は一見の価値アリです。また、それぞれの面に名前が付いているところも新しい試みだったのかも知れませんね。

操作はトラックボールとボタン(ジャンプ)1個を使用します。
ここは評価の難しいところで、トラックボールの特性を活かすべくドットが配置されていたりもするのですが、細かい移動を余儀なくされる部分で思ったように操作出来ず苛々してしまう事もあります。
ゆっくりと移動してドットを取れば良いのですが、高次面になると敵移動スピードが極端に速くなるので、自機もトラックボールのデジタル特性を活用しなければならなくなり誤操作を誘発させられてしまいます。
企画段階では正解と思えたトラックボールによる操作が、難度調整の段階で反古になってしまったと見て取れます。

他のドットイートゲームに見られない特徴としては、敵もドットを食べてしまうところですね。
これにより不可抗力的に面クリアしてしまう事もあります。が、このシステムを利用しなければ高次面はクリア出来ないものと思われます。それくらい敵の移動スピードが上昇しますし、トラックボールによる操作の難しさがネックになって来るのです。

通常、攻撃の手段を持たない自機のクマさんなのですが、敵がドットを食べている時は体当たりする事が可能となります。倒した敵は以後復活しないので、ドットを食べさせて攻撃するタイミングも重要になって来ます。
他にはジャンプで飛び越えた直後に倒せる敵や、無敵アイテムでのみ体当たり出来る敵など攻撃方法もバラエティに富んでいます。

ゲーム性はそれほど高くなく特に面白い作品とは云えません。しかし独特の操作感とハイセンスなグラフィック(マーブルマッドネス1984に繋がるかのような)がちょっとした麻薬性を醸し出しています。プレイ出来る環境をお持ちの方にはお奨めしたいアタリゲームの傑作ですよ。

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