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2006/07/15

クリスタルキャッスルズ

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1983年に米アタリ社から発表されたドットイートタイプのアクションゲームです。

画面フィールド上の点(ドット)を全て取る事で面クリアとするゲームシステムは、ヘッドオン(1979)から端を発し、パックマン(1980)の世界的な大ヒットで不動のものとなりました。以後もパックマンの派生やコピーゲームから様々な種類の作品が生まれる事になります。

クリスタルキャッスルズも完全なるドットイートゲームの亜流と云えますが、1983年と云う後発時期から工夫を凝らされた作品として発表されました。
先ず目を引くのが素晴らしいグラフィックです。それまでのドットイートゲーム並びにビデオゲームは、システム把握の容易さとハードの貧弱を理由に2D画面で作られているのが当然でした。
本作も疑似3Dの域を出ない作品とは云えるものの、絢爛な立体表現とセンスの良さが融合しており、現在の目で見ても際だった強い個性を感じさせてくれます。
立体交差と高低のある地形、トンネルやエレベーターと云った仕掛けも上手く機能していますね。
面スタート時にワイヤーフレームで描かれて行く背景は一見の価値アリです。また、それぞれの面に名前が付いているところも新しい試みだったのかも知れませんね。

操作はトラックボールとボタン(ジャンプ)1個を使用します。
ここは評価の難しいところで、トラックボールの特性を活かすべくドットが配置されていたりもするのですが、細かい移動を余儀なくされる部分で思ったように操作出来ず苛々してしまう事もあります。
ゆっくりと移動してドットを取れば良いのですが、高次面になると敵移動スピードが極端に速くなるので、自機もトラックボールのデジタル特性を活用しなければならなくなり誤操作を誘発させられてしまいます。
企画段階では正解と思えたトラックボールによる操作が、難度調整の段階で反古になってしまったと見て取れます。

他のドットイートゲームに見られない特徴としては、敵もドットを食べてしまうところですね。
これにより不可抗力的に面クリアしてしまう事もあります。が、このシステムを利用しなければ高次面はクリア出来ないものと思われます。それくらい敵の移動スピードが上昇しますし、トラックボールによる操作の難しさがネックになって来るのです。

通常、攻撃の手段を持たない自機のクマさんなのですが、敵がドットを食べている時は体当たりする事が可能となります。倒した敵は以後復活しないので、ドットを食べさせて攻撃するタイミングも重要になって来ます。
他にはジャンプで飛び越えた直後に倒せる敵や、無敵アイテムでのみ体当たり出来る敵など攻撃方法もバラエティに富んでいます。

ゲーム性はそれほど高くなく特に面白い作品とは云えません。しかし独特の操作感とハイセンスなグラフィック(マーブルマッドネス1984に繋がるかのような)がちょっとした麻薬性を醸し出しています。プレイ出来る環境をお持ちの方にはお奨めしたいアタリゲームの傑作ですよ。

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