ゲーセンUSAミッドウェイアーケードトレジャーズ ~その5
7/28号のファミ通によると上記タイトルが秋頃にプレステ2で発売されるそうです。
ミッドウェイとは云い条アタリの作品が半数以上を占めていて、ウイリアムズの作品も幾つか入っています。そして収録ゲーム数はなんと32本! かなりのお買い得感がありますね。
1980年以降90年までの名作がずらりと揃えられたラインナップには、マニア垂涎を通り越して失禁脱糞を催されてしまいそうです。
と云う訳で、今回のウイリアムズ+αで全収録作品を紹介した事になります。
★印は個人的なお奨め度数ですのでご参考まで。
ロボトロン2084 ★★★★★
1982年にウイリアムズから発表された固定画面シューティングゲームです。
8方向レバー2本で自機の移動とショット方向を個別に指定する斬新な操作体系を生み出した傑作です。
ゲームとして見ても素晴らしく、抜群の爽快感と息詰まる緊張感を提供してくれて飽くことを許しません。
かなり難しいゲームなのですがエブリー設定は甘いので長く遊べるのも良いところです。
少ない色数のグラフィックであるにも関わらず、パレット変化で透明感のある雰囲気を作っているのも評価に値します。重厚なサウンドも見事の一言ですね。
以前書いた記事がありますので宜しかったら参照して下さいませ。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/02/2084.html
ジャウスト ★★★★
1982年にウイリアムズから発表された固定画面アクションゲームです。
日本では任天堂バルーンファイトの元となった作品と云えば分かり易いでしょうか。内容も殆どそのまんまです。
しかしボタン1押しの浮遊率が低い為に連打を余儀なくされてかなり疲労させられます。プレイフィールドもずっと同じ背景の繰り返しなので飽き易いかな。敵の登場パターンなどはバリエーションがあり面白いと思います。
斬新で良く出来た作品なのですが、バルーンファイトの考え抜かれたプレイアビリティを前にしてしまうと、オリジナルアイディアの尊さしか発見出来なくなってしまいますね。
ジャウスト2 ★★
1986年にウイリアムズから発表されたジャウストの続編です。
前作は横画面でしたが今作は縦画面となっています。特にその変更が活用されているとは云い難い内容ではあります。それ以上に何故この時期に発表されたのかが最大の謎ですね。色々なアイディアは詰め込まれているのですが、全て蛇足感をしか提供しません。無闇に難しくなっているし、はっきり云って遊ぶ価値はないと思います。
バブルス ★★★★
1982年にウイリアムズから発表された固定画面アクションゲームです。
自機バブルスを操作して流しの中のゴミや虫を掃除し尽くすと一面クリアとなります。排水溝が緑色に光った時に逃げ込む事で2面先にワープ出来ます。
自機は時間が経つと見た目にも巨大化して当たり判定が大きくなってしまいます。その上で慣性も付いているのでなかなか難しいゲームと云えます。しかし独特な雰囲気が魅力でついつい遊んでしまいます。
余談ですが、忍者くんでお馴染みのUPLはウイリアムズ作品のグラフィック、サウンドにかなり影響を受けていると思います。本ソフトが発売された暁には米ゲームから日本にもたらされた技術影響などを調べる事も容易となりますね。
スプラット! ★★★
1982年にウイリアムズから発表された固定画面アクションゲームです。
操作体系がロボトロンと同一で8方向レバー2本を使用。自機移動とショット方向指定に用います。
ゲーム内容がなんとも奇天烈なものとなっており、画面上部から落ちて来るトマトやバナナ、パイ、魚を拾って敵に投げつけます。ここに重力の法則を発見出来るのですが、自機、敵は画面内を縦横無尽に移動が可能。
攻撃を受けると頭だけが画面内をバウンドしまくり、再度合体しないとミスになります。
敵トウモロコシがホップコーンをばらまきながらトマトを投げて来るし、雷雲が自機を執拗に追いかけ回します。どう云う世界観なのかさっぱり見当も付きません。
その理不尽な設定を抜きにすればゲームとしては適当に楽しめるかな。本気で遊べるかどうかは別として何か心惹かれる作品ではあります。
トータルカーネイジ ★★★
1992年にミッドウェイから発表された任意スクロールシューティングゲームです。
今回のラインナップでは年代的に最も新しい作品となっています。
内容は日本でも多少知名度があると思われるスマッシュTVの続編です。スマッシュTVはロボトロンの進化版と云えるでしょう。8方向レバー2本を使用し自機移動とショット方向指定を行う共通点を持っています。作者も同一人物です。
トータルカーネイジは日本初お目見えとなる移植版なのですが、そこに価値を見出せなければはっきり云って駄作です。詰まらないゲームではないのですが、ロボトロンの完成度、スマッシュTVの後味の悪い爽快感には遠く及ばない凡百の作品と云えるでしょう。
どうせラインナップに加えるのならスマッシュTVがあっても良かったと思いますし、同作者のナークあたりも希少価値が高い作品として機能した筈です。どうも中途半端なセレクトだなあと残念に思えてなりません。
と、最後に文句を云ってしまいましたが、これで全作品解説を終わります。
●総括
アタリゲームズからの作品は17本となっています。本当に素晴らしい作品が多数収録されていると云えるでしょう。これだけでも購入する意味があると思われます。特に日本では殆ど知られていないけれど良く出来た作品が多く収録されているのが嬉しいところです。
ミッドウェイ作品は10本。ちょっと古臭いものばかりになっていますね。ゲームとして楽しめない物が多いのも残念です。
トータルカーネイジと同年代の作品が収録可能であったのならば、モータルコンバットや、ランページ、NBAジャムあたりが入っていても良かったのではないかと思います。
ウイリアムズ作品は5本。これは納得の作品が収録されているのではないでしょうか。これでディフェンダーがあれば完璧でしたね。
海外の作品は操作システムに独自インターフェイスを持ったものが多いので、それがプレステパッドでどのように再現されているのかを確認するだけでも意味と価値があるのではないかと思います。
今回このように紹介記事を書いて見て思ったのは、収録本数32本ではまだまだ全然少なすぎるのではないかと云う事でした。
どうせレトロゲームマニアの琴線しか弾かないコンピソフトなのですから、代表的な作品を100本単位で入れてしまっても良いのではないかと考えます。
それを新しいハードが出る度に発売してくれれば私たちレゲーファンはお布施としてもきっと購入させてもらいますよ。
例えばナムコミュージアムBEST50とか、SEGA AGES1978-1990、タイトー過去ゲー叩き売り100本……なんてのが出ませんかねえ。
そんなライブラリーとしても機能するバラエティソフトがあればグレーゾーンにあるエミュレーターの意味と価値も変わって来るものと思います。誰も好きこのんで違法行為に手を染めている訳ではないのです。ビデオゲームメーカーは過去の遺産を尊びその保存に尽力して、私たちユーザーが大手を振って楽しめる、または研究出来る環境を作らなければならないのではないでしょうか。自分勝手な意見かも知れませんが、ゲームが作品としてひとつの芸術と呼ばれるようになる為には、保存と提供を主とする確乎とした団体が登場しなければならないと常々考えています。現実にそのような活動を無償で行っているのがMAMEプロジェクトだったりする訳ですから、なんとも痛し痒しな状況と云えますね。
タイトーのように小銭を稼ぐ為に自社製品在庫ボードを二束三文で海外に売り飛ばすようなメーカーがいる限りは無理な相談なのかなと悲観してしまいます。
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