HGUC ジム
旧ザクを仮組した事でHGUCシリーズの持つ素晴らしさを認識しましたが、疑り深い性格なものでもう一つ作ってから評価して見ようと思います。
本来ならば主役機であり一番人気のガンダムあたりを作って見るべきなのでしょうが、正直あまり好きなデザインではない為、そのバリエーションに当たるジムを選びました。
ガンダムはそれまでになかったリアルな世界観を持ったアニメとして成功を収めたのだと思います。世界観から舞台装置などは現実的に処理されていて大きな矛盾を提供しません。根暗な主人公が戦闘を通して鬱になったりする件は多少に文学的でもあります。
有り得ないだろう巨大な人型ロボットにも兵器としての演出が施されていました。物語最初に登場する量産型ザクの重厚な動作、モノアイの動き、ザクマシンガンの薬莢排出などは当時の子供たちに新鮮な驚きを与え、ザクが本当に存在するかのような印象を植え付けました。
後に聞いたところでは、ザクのイメージソースはロシアのT34戦車とスターウォーズのストームトルーパー(若しくはTIE FIGHTERパイロットか?)だったそうです。メカとしてのリアル感はスターウォーズから多くの影響を受けているようにも取れますね。
このようなリアルを前提としてモビルスーツがデザインされて行ったのでしょうが、主役機であるガンダムだけはヒーロー然とした過去のロボットを踏襲したものとなっています。
これには様々な商業的大人の理由があったのでしょうが、ガンダムの世界観からはかなり浮いて見えたのも事実です。人を模した顔、頭の角、合体システム、トリコロールカラー……どう見ても不自然です。
登場シーンではパイロットがいなければ動かない機械としての当然を描かれ、起動時には胸のダクトから熱が排気されるメカとしての演出も付けられてはいましたが、ザクに較べてリアルな印象では劣っていると思います。
ザクが以降、シャア専用ザク、旧ザク、グフとそのバリエーションを発展させて行く毎にガンダムのデザインが異質なものとなって見えてしまいました。
こう云った地味なザクの中にあったからこそ、主人公機としての特殊性をアピール出来ていたと考える事も出来るのですが、個人的には未だにガンダムのデザインが好きになれません。
で、今回のジムなのですが、基本的にはガンダムのデザインを簡略化したものとなっています。
最たる部分は頭部の変更ですね。これだけでも随分と印象が異なります。そしてトリコロールカラーから青が抜けました。俄然モビルスーツとしてリアルに見えて来ます。
ガンダム系デザインが嫌いなアウトローな方にも許容出来る連邦軍モビルスーツだと云えるでしょう。
デザインと云うものは不思議なもので、部位一つ、線一本、曲面ひとつで印象を大きく変えてしまう可能性を持っている事が分かります。
ちょっと強引に纏めようとしている感がありありですが、HGUCジムの評価に入ります。
旧ザクから遡ること5年前に発売されているのですが、かなり良好なキットとなっています。プロポーションもアニメに準拠した現在形となっていて、新旧ファンどちらにも満足出来る物だと云えそうです。可動範囲も広く組み立ても簡単。値段も¥700とリーズナブル。非の打ち所がありませんね。
量産型と云う設定を活かして複数個作って並べても良いし、シャア専用ズゴックと併せてジャブローの名シーンを再現するのも楽しそう。
あとはTIE FIGHTERと2001年宇宙の旅の作業用ポッドがデザインソースとなった同スケール旧キットのボールを作ろうかな。
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コメント
アオリで撮るとジムはスゲェ様になるなぁ。っていうかバブシカさんって密かに写真撮るの上手いですよね~。素組なのに全然安っぽくないっていつも感心させられます。
HGUCは実はあんまし数作ってないのですが、以前少し名前を出した「ヘイズル」なんかはやっぱデザイン的に微妙だったりするんでしょうか。僕の周りではかなりヒットだったんですけど(^^;。
投稿: クリス | 2006/08/24 00:36
デジカメ、もっと上手く撮れるようになりたいんですけど向上心が足らないようです。あとは三脚とライトも足りないな。
「ヘイズル」今一度見てみました。
個人的にはパスですね。適当にゴチャゴチャさせた感が強いので。
ガンダム系でかっこいいと思ったのは唯一GP02だけかなあ。
でも最近ゼータは少し好きになって来ました。
投稿: バブシカ | 2006/08/25 05:26