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2006/11/11

タイトーメモリーズ2 上巻 ~その6

前作が好評だったのかどうかは分からないのですが、来年の頭にプレステ2で発売されるそうです。定価¥5040。
今回も収録作品数は25本。一見したところなかなかバラエティに富んだラインナップとなっています。いつものように個人的な評価を★印として全作品を紹介して行こうと思います。


Gunlock

レイフォース ★★★★★

1993年に発表された強制縦スクロールシューティングゲームです。

丁寧に作られた素晴らしい作品ですね。ゲームとしては空中地上を打ち分ける「ゼビウス」タイプのシューティングなのですが、ハード性能の進化がグラフィックスとシステムに融通を持たせた事で独特のゲーム性を持つに至りました。
複数の敵に照準を合わせる事が可能となり、一定時間内に纏めて倒す……ゼビウスのシステムが進化すると「アフターバーナーⅡ」に変化する事を確認出来ます。

グラフィックスとサウンド、演出効果なども高い完成度を有しています。
90年代に入ってからのタイトーはシューティングの名作をコンスタントに開発。「ガンフロンティア」「メタルブラック」「グリッドシーカー」「ダライアス外伝」……いずれもアイディア性に優れた良作ばかりですね。しかし会社の方針から近年シューティングチームは解散を余儀なくされました。残ったのはパズルチームとバトルギアチームのみとなり、殆どを外注に頼る制作体制となります。「人は得難き宝なり」と云う言葉を知らない会社の将来は、皆様も知っての通り(自社より規模の小さい)スクウェアエニックスに買収される事でひと先ずの終焉を迎えました。余談ですが、タイトーの持つ保守社風とスクエニ経営陣が取る操舵の不明確さは、現在もアーケード関連部門に迷走を続けさせています。


Fhawk

ファイティングホーク ★★

1988年に発表された強制縦スクロールシューティングゲームです。

アイディア性に富みゲーム完成度の高い「レイフォース」のあとに紹介する作品としては悲しくなるほどの駄作です。
タイトー内で東亜プラン社製シューティングゲームの劣化コピーを作るとこうなります。
本作が「飛翔鮫」をもとに企画制作された事は明らかですね。ぱっと見は東亜プランシューティングに思えますし、グラフィックス他の細かいクセも研究して真似ています。
しかし、上っ張りだけの猿真似に過ぎず、プレイ感やゲーム性は著しく低下していると云わざるを得ません。同人レベルにも届かない単調で最悪な作品としても良いでしょう。

しかしゲームセンターに足を運ぶ多くの人が皆「レイフォース」のように斬新な作品を求めている訳でもないのです。
時間潰しや待ち合わせ場所としてゲームセンターを利用する一般ユーザーには、作品の独創性など埒外にあって当然の気味を帯びています。どちらかと云えば今迄にもありそうな1プレイでルールを把握出来る作品が好まれます。

事実、「レイフォース」は稼働時にはマニアが躍起となり攻略しようとしていたのでインカムも好調でしたが、作品の完成度とは裏腹に短期間で寿命を終えました。
かたや「ファイティングホーク」並びに二番煎じシューティングゲームは、爆発的な人気もありませんが長期間にわたってインカムを稼いで行きます。
トータルの売上で云えば後者に軍配が上がる現実を提供するのです。

これはなかなか難しい問題を孕んでいる部分ですので、簡単な答えは出せませんね。

個人的な考えを述べさせて貰えれば、「レイフォース」は中途半端に斬新で中途半端に素晴らしい作品だったのだと思います。ゲームシステムが全くのオリジナルではなく既存の発展型に過ぎず、マニアにしかその素晴らしさを提供出来なかった。またハード性能の向上が徒となり、それを使いこなそうとした結果グラフィカルな分かり易さを開発者が放棄した。一般ユーザーには破壊対象物が多いゲームは煩雑と混乱を想起させるものです。
「ファイティングホーク」はこの逆を行きます。ただ現在に語られる事の全くないゲームなのは、あまりにも低俗過ぎただけなのでしょう。

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