タイトーメモリーズ2 上巻 ~その4
前作が好評だったのかどうかは分からないのですが、来年の頭にプレステ2で発売されるそうです。定価¥5040。
今回も収録作品数は25本。一見したところなかなかバラエティに富んだラインナップとなっています。いつものように個人的な評価を★印として全作品を紹介して行こうと思います。
レインボーアイランド ★★★★
1987年に発表されたアクションパズルゲームでバブルボブルの続編となっています。
ポップなグラフィックスと秀逸なサウンド。斬新なゲームシステム。名作の続編と呼ぶに相応しい内容となっています。
しかし、高い難度と複雑な隠しフィーチャーの導入によって、前作を楽しんだ一般ユーザーを置いてけぼりにしてしまいました。
素晴らしいアイディアである虹を使った攻撃方法なのですが、横方向への攻撃に特化している為に、画面上部から現れる敵に弱いと云う側面を併せ持ちます。
画面の上へ上へと進むゲームですので、敵の配置を憶えないと即死に近いミスを誘発させられる理不尽感をも提供してしまうのです。
システムとしては計算通りだったと作者のMTJ氏に以前指摘されたのですが、プレイヤーからすると突然死の理不尽さは拭い切れないものがありました。特に後半面でミスする殆どがこのパターンだと云い切れます。結局は敵の配置を憶えて虹の仕掛けを作り、敵を呼び出してから殺す……この繰り返しに陥ってテンポの悪い印象が付随したと考えられます。
また、虹を崩す行為にゲーム性の殆どが集約されており、敵を倒している感が殆どしないところは痛し痒しな部分です。極端な実験として、音を消して遊んで見ると分かるのですが、音ありの時とゲーム性があまり変わらない事実に行き当たります。それだけ虹を崩す爽快感と充実感が素晴らしいとも云えます。
本作品を名作としなかったA級戦犯は隠し扉のフィーチャーだったと思っています。
敵を虹崩しで倒すと現れる小ダイアを7色集めるとエクステンドします。これを各ワールドで全て集めないと隠しワールドが出現せず全面クリア出来ません。これ自体はゲームに目的を設けると云う意味で成功しています。
しかし或る法則のもとに小ダイアを集めると、各ワールド最後に待ち受けるボス面に隠し扉が出現するのです。
その法則とは、小ダイアを左から並び順に赤、橙、黄、緑、水色、紺色、紫と7色集めると云うものでした。小ダイアは敵が死んで落下して来た際の位置で色を変化させます。敵を倒す位置と落下させる位置を厳密に計算しておかなければなりません。これはあまりにもマニアックなフィーチャーです。初心者お断りの難しさであるし、虹崩しでダイアを含むアイテムも回収出来るシステムが、時として上級者にも失敗を犯させる仕打ちを用意しました。
苦労して出現させた隠し扉は、ボス戦をキャンセル出来るほどの融通を持っています。そうしてその先には強力な隠しアイテムが用意されているのです。
隠しアイテムの効能は、壷アイテムの効果をミスしても持続させる。自機に羽が生え永久に空を飛べる。攻撃と防御の効果を併せ持つバリアが付く……など非常に強力なものばかりです。これらは入手しなくてもクリア出来るのですが、持っている上での難易度設定がしてあるので必須アイテムだと思って良いでしょう。
結局は上級者であればあるほど簡単になっていくゲームバランスが取られているのです。小ダイア集めにストレスを感じて遊ばなくなったユーザーが多いと思います。
個人的には17歳の一時期を賭けてまで遊び込んだ青春のゲームではあるのですが、多くの方にお奨め出来る作品だとは思っていません。ポップな見た目に誘われて本気でプレイすると痛い目に遭いますよ。
痛い目に遭ったプレイヤーの証拠画像です。
ゲームスタート時に隠しコマンド(億カウンター出現)を入れ、最終面で杖を取らずにクリアする事でZAP。最終面HURRY状態でリスタート。ここからまた小ダイアを順に揃えて隠し扉を出現させ、また杖を取らずにZAP。これを20回弱繰り返す事でカウンターストップ完成クリアします。かなり厳密なパターン作りとテクニックが要求される超絶プレイと云えるでしょう。当時、理論的には達成出来ると考えられていましたが、研鑽の末本当にやってしまう人が現れるとは思っても見ませんでした(私の周囲ではSPREAMのK.Wさんだけだったかな)。妖怪道中記の1コイン三種の神器あり天界クリアにも通じる感動がありました。
ここまでやり込んだのは極少数のマニアだけでしたが、それを許容したレインボーアイランドと云う作品にはそれだけの魅力があった事に疑いを持ちません。腕に自信のある方にだけお奨め出来る稀有な名作ですよ。
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