前作が好評だったのかどうかは分からないのですが、来年の頭にプレステ2で発売されるそうです。定価¥5040。
今回も収録作品数は25本。一見したところなかなかバラエティに富んだラインナップとなっています。いつものように個人的な評価を★印として全作品を紹介して行こうと思います。

THE運動会 ★★★
1984年に発表されたオムニバス形式のスポーツゲームです。
平たく云ってしまえば、前年にコナミから発表され大ヒットを記録した「ハイパーオリンピック」の二番煎じですね。
平行に配置されたABCの3ボタンを用い様々な競技を行います。
AとCが所謂「走る」ボタンで、真ん中のBが「タイミング」ボタンとなっています。
後発作品である為に「ハイパーオリンピック」よりも複雑な競技が多く、ACボタンを連打しながらBボタンをタイミングよく押さなければクリア出来ないものが殆どです。
●玉入れ
●二人三脚
●リングベル
●障害物競走
●ソフトボール遠投
●120Mリレー
●綱引き
七つの競技があり全てクリアする事でクオリファイが上がりループします。
各ゲームとも趣向が凝らされておりなかなか面白いのですが、先ず最初の玉入れが難しすぎますね。実機で遊んでいた頃は全くクリア出来ませんでした。
以下のゲームでは障害物競走にも難があります。途中パンを咥えなければならないのですが、ここでミスするとその場でリタイアとなり、対戦相手またはCPUがゴールするまで何も出来ずにゲームオーバーを待たなければなりません。これはちょっと遊ぶ側の事を無視したシステムだと云えるでしょう。
「ハイパーオリンピック」と「ハイパースポーツ」の中間に位置するテクニカルな種目が多く興味はそそられるものの、理不尽なシステムがプレイ感の邪魔をしてしまっています。二番煎じとは云え少し残念な作品ではありますね。

スーパークイックス ★★★
1987年に発表された陣取りゲームです。
云わずと知れたタイトーアメリカ不朽の名作「クイックス」の現代版として当時リリースされました。
原作はベクターゲームを思わせるハイセンスなグラフィックスとクールな内容で一世を風靡しましたが、今作はどうしようもないほどの格好悪さを体現していますね。クイックスの大ファンである私はかなり憤慨した記憶を持っています。
しかしゲームとしては紛れもないクイックスのシステムが踏まれている事から、問題なく楽しめる内容だとも断言出来ます。
この2年後にクイックスフォロワーの決定版とも云えるMTJ氏の「ヴォルフィード」が発表されます。
それ以後もカネコ社「ギャルズパニック」シリーズがクイックスの血脈を現在にまで伝え続けています。スーパークイックスも同社の制作です。

リターンオブザインベーダー ★★★
1985年に発表された固定画面シューティングゲームです。
当時は今更インベーダーもないだろうと思いましたが、綺麗なグラフィックスときらびやかなサウンドに誘われて結構遊ばせて貰いました。
以後現在に至るまでインベーダーの続編やアレンジ物は多く作られていますが、本作が最も良く出来た佳作と云えるでしょうね。
制作はUPL。「忍者くん」でお馴染みの藤沢勉氏が企画を担当しています。
氏はやっつけ仕事だったと語っていたそうですが、なかなかどうして細かいアイディアが散りばめられており楽しませてくれます。ゲーム性が特に高くない事から熱中出来るものとなっていないのが残念な部分ではあります。

イグジーザス ★★
1987年に発表された強制横スクロールシューティングゲームです。
タイトーらしい最悪のセンスを発揮した作品のひとつですね。絵、音、内容と低俗さが見事なハーモニーを醸し出しています。
「ワイバーンF-0」と同様なハーフミラーを用いたアップライト筐体が先に出荷され、後に通常テーブル筐体用のボードが出回りました。今回収録されているのはテーブル筐体用でしょうね。内容の相違もなく、ハーフミラーを使用する意味のないゲーム内容ではありました。
遊べない事もないゲームなのですが、敵が四方八方から出現する為に、体力を持たない自機は画面中央付近でしか活動出来ません。
この問題は自機の現在位置により敵出現位置を変更させる事で回避出来ます。また横スクロールのゲームであれば地形を設ける事で敵にも制限を付けると云う解決法もあります。当時既に確率されていたシステムではあるのですが、本作は通俗さえも無視したが為に低俗の域まで進んでしまったのでしょう。

オペレーションサンダーボルト ★★
1988年に発表された疑似3Dガンシューティングゲームです。
前作「オペレーションウルフ」の大ヒットを受けて開発された続編となっています。
フロントビュー面とサイドビュー面が交互に行われるのが最大の特徴と云えますが、それ以外に新しい要素もなく、シューティングゲームとしての楽しさは減殺されています。
特にフロントビュー面に問題があります。
敵が画面奥から出現し接近して来る都合上、倒す爽快感が薄れているのです。
奥にいる敵(グラフィックス小)を倒す……画面手前(グラフィックス大)の敵を倒す……これに同等なゲーム性を与えるのであれば、簡単なやり方としては画面奥の敵を増やすのが最上だと思います。
グラフィックス大には倒す充足感を与え、グラフィックス小には爽快感を付与するのです。そして小の敵が近付いて来る事で徐々に大きくなれば緊張感も演出する事が出来たでしょう。こうする事でゲーム性にも幅や起伏が生じます。
本作ではこの辺の工夫が練られていないか考えられていないので詰まらなくなっています。新しいアイディアとして作られたフロントビュー面には耐久力の高い敵だけが存在する印象が残ります。これは破壊対象物を減少させる負の工夫となりました。
前作からあったサイドビュー面も若干ゲーム性が低くなっていますね。また幕間のストーリーを見せる一枚絵もかなり手抜きっぽくなっています。もともとが優れた企画として大ヒットした作品ではないので致し方ないのかなとも思います。ここに偶然でしか良作を作れないタイトー開発陣の無能力を感じてしまうのです。
以前の記事にも書きましたが(メガドラのスペハリⅡ)、続編を作る際の努力勉強を怠ったが為の罰と云えるでしょうね。
★★総括★★
良い作品と悪い作品玉石混淆としていますが、25本と云うボリュームが買って損をしないバラエティソフトに仕上がっていると思います。家庭用には移植されていなかったタイトルが多いのもお奨め出来る部分ですね。
前作にあった小さなバグや入力遅延などがない事を切に願います。また下巻に収録されるタイトルにも大いに期待しています。
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