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2007/01/27

ルナポーン 完成

Afssa09

汚し塗装を行う模型はどこで完成とするかが難しいところですね。キリがないので取り敢えずここで終了としました。

Afssa07

年末から作り始めたのですが、完成に要した時間の実質は、一日1時間ほどで計七日間くらいでしょうか。
模型を作らない方は1~2日で完成するものと思われているかも分かりませんが、改修などを全く行わない素組みでも、最低この程度は掛かってしまいます。私の場合だとこれでも早く完成した方ですね。
今回は極力シンナーを使わない方向で制作した為に、家族にも優しいモデリングとなりました。

パーツ同士の接着と合わせ目消しは瞬間接着剤で行い、どうしてもと云う場合だけ「リモネン」を使いました。リモネンは有機溶剤を含んだ接着剤であるものの、レモンやオレンジの成分を配合した爽やかな臭いを提供してくれます。シンナー臭に弱い方でも扱える最近の大発明であり、これからのスタンダードとなるマテリアルです。
私はリモネンの臭いに癒しと和みを感じてしまうほどです。しかしシンナーである事には変わりないので換気には気を付けなければなりませんね。

パーツを組んだあとにラッカー塗料の黒で全体を筆塗りしました。まともにシンナーを使ったのはここだけです。
妻が買い物に出た間隙を縫い、換気も十分に行っての作業でしたので非難を受ける事なく終了。

その後、ポスカの白を全体に塗布。勿論シンナー臭は発生しておりません。
ポスカが完全に乾燥してから表面をスチールウールで軽く擦り、下地の黒を露出させて大袈裟なチッピング(剥がれ塗装)としました。
やり過ぎた部分は再度ポスカを塗る事で簡単に修正出来ます。

水転写デカールを貼り完全に乾燥してから、半光沢スプレーで模型全体をコーティング。
これは朝方の寒い中ベランダで行いました。寝ている妻が起きて来ないようにと気を遣いながら、スプレーをタオルで包み、なるべく音がしないようにと素早く攪拌。知らない誰かに見られたら間違いなくエレジーを提供した事でしょう。

クリアースプレーは一回のみで終了。
本来ならば幾度かに分けて吹き付ける事で、デカールの段差をなくすべく研ぎ出しを行うところなのですが、手軽に完成させたいとする都合上、手間を放擲して諦める事としました。年末のベランダが寒かったと云う理由もあります。

今回のキットに付属しているデカールは薄手のものだったので、実際には段差も殆ど気になりませんね。ただ、ちょっと糊が弱いようなので、デカール用接着剤マークセッターは必須アイテムだと思います。

これ以降はコピックによる汚し塗装に入ります。
コピックはアルコールマーカーなのですが、シンナー臭もせず清々しい香りを提供してくれるので、誰に気兼ねするでもなく作業出来る優れものとなっています。
色付きのコピックで汚れや影を描き込み、透明コピックで色を伸ばしたり消したりを飽きるまで繰り返します。

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今回は通常の汚し作業に加えて、デザイン上の裏となる部分に緑色の影を入れています。
具体的に云うと、腕や足の内側や、光源の照り返しが掛かるだろう部分への面シャドーです。
絵画では当たり前の手法ですが、模型では先ず見られない塗装表現だと思います。
これには理由があって、絵画は平面からなるカンバスを鑑賞するものですので、作者の意図する陰影を狙い通りに受け手へと伝えられます。しかし、模型は立体からなる以上、見る角度やその時々の照明で、陰影を自動的に入手する事が出来るのです。
そうであるならば殊更に影を描く必要性が見当たらないとしても良いでしょう。

取り敢えず思うような陰影を操作する目的と、色味を増やす事を前提に入れて見た緑色なのですが、なかなか面白い効果が出ているのではないかと思います。この手法はまだ実験段階ですので、これから試行錯誤してみたいと考えています。

キャノピーはエナメルのスモークを筆塗りしたのち、コピックのオレンジを重ねて見ました。スモークのみでは得られない深い色味を入手出来ました。
ただ、この時点でフィギュアを普通に肌色で塗装していた為に、キャノピーを通して見ると、黄色が強くなってしまったかも知れません。
キャノピーの色味を考慮するならば、フィギュアは白黒のみで仕上げた方が良かったかなと後悔しています。

腕と足にあるパイプ類は、ライン入りのビニールコードに差し替えました。ここは好みの問題ですね。

と云う訳で完成。キット自体の出来映えが素晴らしい事と、なるべく手間を掛けずに作るとする方向性が一致して、思っていたより簡単に仕上がってしまいました。そうして最後まで遣り仰せた充実感も付与しています。
シンナー類を極力使わないようにしても、この程度の物なら気軽に制作出来ると云う一例になると嬉しいですね。

新作ルナポーンはマシーネンクリーガーに興味のなかった方にも作って欲しい良作キットとなっていますよ。

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コメント

不自由な印象があるエコモデリングでも
ここまで表現の幅が広げられるっていう
ある意味指針ですね。
ラッカーをガンガン使ってる自分に
いい意味で警告にもなりました。
今後の展開の参考にします。

ルナポーンは今、
いろんなトコでいろんな方がほぼ同時に
モデリングブックを見て作られているので
全体的にどこのもレベル高いですよね。
今やると、どうしてもそれらと比べられちゃうので
ウチはブームが少し落ち着いたら作ってみます(笑)。

投稿: ppk | 2007/01/28 22:14

るなぽん!

投稿: | 2007/01/28 23:38

>ppkさん

本当は私もラッカーでガンガン行きたいんですけどねえ。奥さんが臭いに弱いのでなかなか使用出来ません。エアブラシも封印されたようなものとなっています。

ポスカは苦肉の策なんですけども、塗膜が良い案配にテクスチャーを付けてくれるので、めっけもんだったとも思っています。

ルナポーンはマシーネン初心者にも好評みたいですね。今迄よりは格段に作り易いキットだからかな?
ppkさんの清潔感のある作例を楽しみにしています(^^)


> さん

タンポン!

投稿: バブシカ | 2007/01/29 00:05

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