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2008.01.01

謹賀新年 2008

お正月とは全く関係ないのですが、プロモデラー平田英明さんのブログに興味深い記事が載っていたのでご紹介します。

http://hiratahideaki.blog8.fc2.com/blog-entry-502.html

具体的には「ホビージャパンプラス」と云う模型誌に、現在入手出来る最もポピュラーな模型ハウツー本「ノモ研」でお馴染みの古参モデラー野本憲一さんが、筆塗りを推奨する記事を書いていた……と云うものです。

模型を趣味としていない方には「なんのこっちゃか分からない」話だと思うので簡単に要約しますと、
野本氏はホビージャパン誌を通じてこれまでエアブラシによる塗装方法を推奨して来た第一人者と云えます。その氏が突然いままで散々時代遅れだ的に貶めて来た「筆塗り」に乗り換えたかのような態度で阿世している……と云った内容です。

私の印象だけで云わせて貰えば、野本氏は映画界で喩えるとプログラムピクチャー監督かなと思われます。適度な技術を持っているもののポリシーが少ないか人が好く優柔不断な為に組織からは使いやすい人材……それだからまだ意見を持ち得ない初心者の為のハウツー本を執筆出来る。

ハウツー本好きな私は「ノモ研」別冊を全て購入しています。もちろん模型を作る際の参考になる良書である事に疑いを持ちません。しかし中級者以上の目からすれば当たり前すぎる行程と技法に飽和感を覚えてしまうのもまた事実です。毒にはならないものの良薬とも成り得ない。風邪を引いたあとに飲む「ルル」みたいな存在とも云えるでしょうか。

「横山宏Ma.k.モデリングブック」以降、模型界に(特にプロモデラーの間で)筆塗り流行の兆しがあるのは確かだと感じます。
エアブラシ塗装のマンネリズムと無個性化は個人に作家性を付与しない弊害を生みました。プロモデラーである彼らが筆塗りと云う個性を発揮し易い原点に戻ろうとする流れは自然のものと云えるでしょう。塗装はエアブラシ以外に有り得ないとして来た野本氏だとて例外ではない筈です。特に氏の得意分野は筆塗りと相性の良いボトムズですしね。

詰まるところ、今回の筆塗り推奨論はどちらかと云えばホビージャパン誌側からの要求ではなかったかとも考えられます。
10年前から5年前だと「エアブラシ特集」としただけでHJ誌は随分と部数を伸ばしたそうですが、ハンドピースの普及と技術の一律化と云う役目を終えた今、それだけでは部数が伸びなくなった。それならば温故知新お抱えライターたちも夢中になりつつある「筆塗り」を推し進めて見ようではないか……こんな企画会議があったのではないかと穿つ事も出来ます。ただでさえ電撃ホビーに専門誌一位の座を奪われてしまっている訳ですから、新しい何かを打ち出したいとするのは急務であった筈です。

私自身は野本氏を悪の権化とまでは思わないのですが、筆塗り一本で今迄やって来た平田さんからすれば、矢面に晒してしまいたい気持ちがあるのも当然であり立派な仇討ちであるとも感じます。
取り敢えず結論が出る類のものでもないのでここらで終わりにします。ただ模型界のようなミニマムな業界でもこのよう興味深い論争があるのだと知っていただけたならば幸いです。


野本氏の事を「毛沢東に似ているあの人」と云ってしまう過激な平田さんは時として敵を作ってしまう方だと思うのですが、少年のような佇まいを備えたユーモアのあるキャラクターとして慕われています。大人の計算をし得ない為か多少迂闊なところがあるものの愛くるしくて憎めない方ですね。私も個人的に平田さんの大ファンであります。
モデラーとしても一流で専門誌の作例の他、最近では食玩やキューブリックなどの原型制作も多く手掛けています。
フジテレビCS「プラモつくろう」に出演された回は、筆塗りで模型を仕上げる醍醐味と楽しさがダイレクト伝わって来る放送でした。機会がありましたら是非多くの方に見ていただきたいと思います。プラモデルが作りたくなる事を請け合いますよ。

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