My Favorite Game 100 ファミリーコンピュータ編 34
●ワルキューレの冒険 時の鍵伝説
ナムコ 1986年8月1日発売
ナムコ発アクションRPGと云う事でかなり期待していたのですが、思い切り裏切られた記憶が残っています。
全く以て詰まらない作品とまで云う積もりはないものの、過去の名作RPGたちを研究していないかのようなゲーム性の低さには悄然とさせられました。
特にゲームプレイの大半を担うであろう戦闘が面白くありません。
ボタンを押す事で剣を出し、隣接する敵にダメージを与えるタイプのシステムなのですが、ボタンを押した後の硬直時間が長すぎます。これと剣を振るグラフィックスが相俟って非常にテンポの悪いゲームとなっています。効果音も硬質な音色であるところから、全く面白みのないゲーム性を提供してしまっています。
敵にダメージを与えると遠くまで吹き飛んでしまうのも旧態依然とした部分です。ここでまたテンポを悪くしています。敵アルゴリズムも盆踊りしてるんだかなんだか意味不明。
「ドルアーガの塔」「ゼルダの伝説」を意識して開発されたであろう本作は、そのどちらにも、どの部分でも勝る事なく完全敗北したと云えるでしょう。
当時、学校にも行かずゲームばかりしていた私ですので、本作も繰り返し何度かはクリアしています。しかし詰まらないゲームだとの認識は変わりませんでした。
●北斗の拳
東映動画 1986年8月10日発売
当時、社会的ブームにまでなった大人気同名マンガ、アニメを原作としたゲーム化作品です。売上本数は150万本と大ヒット。これは現在に至るまでキャラクター版権物では歴代三位の記録となっています。
しかし、ゲーム内容がお粗末すぎます。「スパルタンX」タイプの横スクロール格闘アクション物なのですが、まともなゲームとして完成していない試作品のような佇まい。ビデオゲームを開発した事がない、または理解していない会社が作った作品としか思えません。
とは云うものの、敵を倒す部分のゲーム性は低くなく、当たり判定などは納得行くものとして遊べるレベルを維持していると云う不思議。
具体的に印象を悪くしているのは、グラフィックスとゲーム構成、細部の詰めの甘さと云う事になります。
ただ、原作の力を借りたとしても、この程度の内容で150万本売れてしまうと云う部分には納得行きませんね。
ファミコン版に先立ちセガ・マークIII版「北斗の拳」がこの一ヶ月前に発売されました。
こちらは真面目に開発された名作として現在にも語り継がれています。ゲーム雑誌では特集が組まれ、素晴らしい出来映えに多くの賛辞が贈られました。因みにプログラマは後の「ソニックシリーズ」や「ファンタシースター」でお馴染みの中裕司さんです。
普段ファミコン人気の陰で、精神的物質的にも虐げられて来たセガユーザーは、やっと溜飲の下がる思いを味わえたのでした。
しかし、マークIII版「北斗の拳」がファミコン版「北斗の拳」のプロモーションになっていたのではないかと云う疑いもあります。
大人気マンガ「北斗の拳」のゲームを遊びたいもののマークIII本体を持っていないファミコンユーザーが、丁度折良く発売された東映動画版「北斗の拳」に飛び付いた……このような図式を演繹してしまいます。
マークIII版の売上本数は資料がないので分からないのですが、健闘したとしても母数の問題でファミコン版よりかなり少ないでしょう。内容としてはマークIII版こそ150万本売れても不思議ではないほどの完成度を有しているのですが……人生上手く行かないものですね。
マークIII版の記事はこちらです。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2006/01/strongstrong_6ae8.html
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