My Favorite Game 100 ファミリーコンピュータ編 15
●キン肉マン マッスルタッグマッチ
バンダイ 1985年11月8日発売
バンダイ参入第一弾ソフト。当時原作であるマンガ「キン肉マン」が週刊連載中であり、TVアニメも放映され大人気でした。キン肉マン消しゴム、所謂「キン消し」ブームの真っ直中にもあり、本ソフトも105万本の大ヒットを記録しています。
ゲーム内容はAC版「アッポー(セガ 1984)」を参考にしたと思われる体裁で作られています。シンプルな格闘物ではありますが、良好な操作性とそれなりの駆け引きを伴うシステムで良く出来ています。アイテムを入手した際のパワーアップは単調になりがちな内容に素晴らしいスパイスとして効果を発揮していると云えるでしょう。
「アッポー」と異なる点は対戦が出来る事ですね。これだけで本作は当時の少年たちを夢中にさせたと云って良いほどです。自分か好きな超人を使って友人らと対戦……これは燃えました。放課後は決まってリーグ戦をして盛り上がった記憶が蘇ります。当時を知る方でしたら現在でも楽しめそうですね。
●スカイデストロイヤー
タイトー 1985年11月14日発売
原作は同年に発表されているアーケード版なのですが、私はこれも見た記憶がありません。タイトー系列の店舗に通っていたにも関わらずですので、出荷台数がかなり少なかったのかな。
ゲーム内容は何の変哲もない3Dシューティング物となっていて、単調で爽快感も認められない凡作となっています。これ以上語るところも持ちません。
●忍者じゃじゃ丸くん
ジャレコ 1985年11月15日発売
「忍者くん 魔城の冒険」の続編と云うよりはスピンオフ作品となる存在です。じゃじゃ丸くんは忍者くんの弟と云う設定だそうです。
これは原作であるAC版「忍者くん」のファンからすると微妙な作品ですね。当時は続編扱いされていたので特にそう感じます。
原作開発者のひとり藤沢勉さんがゲーメスト誌で語っていた弁によれば、開発元UPLの社長が「忍者くん」の版権を勝手にジャレコへ売ってしまったとの事でした。当時の私はこれを聞いて大人の汚い遣り口に憤慨したものですが、現在に考えると何ら不当性も感じられません。忍者くんのキャラクターは藤沢さんがデザインしたものだそうですが、会社員である氏に断りを入れる類のものでもないでしょう。
まあ、これは今に思う話であって、当時は「じゃじゃ丸くん」が鬼子に見えた事には違いありません。
ゲームとしては原作との関連性がないとすれば良く出来ている方だと思います。ゲームとしての文法も特に破綻していませんし、キャラクターも豊富でアイテムの効果なども考えられています。巨大カエル「ガマパックン」のインパクトも忘れられません。ただあまりにも完成していた原作と較べてしまうとなあ……と云うファン視点の偏向が残るのみです。
●パックランド
ナムコ 1985年11月21日発売
原作は1984年に発表されたアーケード版となっています。
かなり期待していたものの裏切られた形の移植作品であるひとつです。
原作は「スーパーマリオブラザーズ」の雛形となった横スクロールジャンプアクション物の傑作なのですが、その片鱗も感じられない程こぢんまりとした移植になってしまいました。
先ずキャラクターが小さすぎますね。チビマリオ程度しかありません。原作はスーパーマリオと同等の大きさを持っているのに……。まあ、これはファミコンの性能上仕方がないとして諦められるのですが、小さいキャラであるのにジャンプの軌道大きさがAC版とあまり変わらないと云う不自然なバランスになっているんですよねえ。
これは結局のところ、大きいキャラは表示出来ないから、プレイ感覚だけでも原作に近付けようとした工夫ではあるのでしょうが、どうも遊び続けてもしっくり来なかった部分ではあります。
原作を知らなければ小さくて可愛いパックマンが活躍するアクションゲームに見えたのかも知れません。実際ゲームとしては良く出来ていて十分に楽しませてもらいました。
まだケチを付けるのであれば原作よりも難度が高い部分ですね。キャラが小さい事の弊害として、利用するべき障害物なども小さい事からアスレチック面が異様に難しいと云う問題を抱えてしまっています。敵キャラクターも移動する手段として利用する本作では致命的な欠点とも考えます。
まともな「パックランド」をプレイするにはここから四年後のPCエンジン版まで待たなければなりませんでした。
アーケード版の記事はこちらです。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2004/11/post_17.html
●マッハライダー
任天堂 1985年11月21日発売
映画「マッドマックス2(1981)」の世界観をそのままゲームに持ち込んだ世紀末暴走族伝説とでも云うべき雰囲気となっています。開発はHAL研究所。
個人的に大好きな作品です。当時これだけスピード感のあるゲームは存在していなかったと思います。荒々しいグラフィックスの野外コースがぐにゃぐにゃと曲がりくねる感覚が斬新でした。
自機バイクにはマシンガンが搭載されておりシューティングの要素もあるのですが、これは微妙なシステム。敵車に体当たりし弾き倒す事が出来るので不要であったかも知れません。若しくはもっと連射性能を高めて障害物を一掃出来るようにした方が良かったと思います。
ギアが4段変速となっているのは複雑で珍しい部分です。きついカーブが多かったり、早く走るだけが目的ではない内容なので必要と云えば必要だったのかも知れません。2段変速にしてアクセルワークだけでも対応出来たのではとも思いますが。
バックミラーがあり常時後方確認出来るのも当時としては珍しいシステムでした。後方から超スピードのパープルバイクが現れた時の恐怖感も素晴らしい演出となっています。
惜しむらくは家庭用ゲームとしては難度が高すぎるところですね。コース内に障害物が多すぎるのもマイナス部分で、素晴らしいスピード感を味わい難くしています。コース脇に障害物が多いのでコースアウト=ミスとなるのも厳しいですね。しかし、ユーザーフレンドリーじゃないだけにシビアなゲーム性となっていて、そこが面白いと思わせる魅力を持っています。トゲトゲの世界観同様にMっ気のある方には痺れるゲームと云えるかも。
●バーガータイム
ナムコ 1985年11月27日発売
原作は1982年にデータイーストが発表したアーケード版「ハンバーガー」となっています。
AC版が発表された当時はシステマチックなアクションパズル物として大ヒットしていましたが、ビデオゲーム変革期を挟んだ3年後の移植版に歓迎の意を表す人は少なかったと思います。
個人的にも好きな作品でしたので多く遊んでいたものの、今更遊ぶゲームではないなと思ってしまいました。その主な原因は自機移動速度の遅さから生じる操作性の重さに他ありませんでした。併せてゲーム展開の緩慢さと云っても良いでしょう。
ゲームシステムとしては、ハンバーガーの具材を連鎖させて下に落とす為の仕込みと、敵を巻き込む事で大連鎖となる素晴らしいパズル内容を誇っています。グラフィックスの納得度もかなり高いものに仕上がっていると云えます。
でもゲーム全体のスピード感がなく物足りないですね。これは現在にプレイして見ても同じ感想を持ってしまいます。内容はナムコの黄金期にも等しい光るものを感じるんですけどね。
●いっき
サン電子 1985年11月28日発売
原作は同年に発表されたアーケード版となっています。
「クソゲー」として有名な作品ですが、云われているほど酷いものではないと思います。ただ幾つかゲームシステムに破綻しているところが見受けられます。
問題があると思われるのは以下の二点です。
1、自機ショットである「鎌」はボタンを押す事で、敵の方向へ自動射出(或る種のホーミング弾)されるのですが、その精度が適当すぎて当たり難い。
2、自機の移動に合わせて全方向任意スクロールするのですが、スクロール開始位置が画面の端に近すぎる。その為に画面外から出現した敵にぶつかり易い。
上記二つの不備によってかなり理不尽を感じさせられるゲームになってしまいました。
これだけで「KING OF クソゲー」扱いされているのは可哀想だとも思うのですが、やはり「一揆」と云うテーマ、及び世界観をふざけた表現を用いて描いた事に問題があったが為の必然だとも思う訳です。
ゲームとしてのクソゲー度で云えばAC版の方が勝っています。二つの問題点はそのままに、キャラが大きく描かれている為プレイフィールドが狭いのです。これの意味するところは、状況の把握が出来ないままにミスし易くなっていると云う事です。
しかしながら幕間のデモが「一揆」を完全なパロディとして扱っていて、作品の方向性を明確にしています。
このデモがあったのならファミコン版は今ほどクソゲー扱いされなかったのではないでしょうか。
「いっき」と云う日本人にとってナーバスな題名。何の説明もないまま悪ふざけとしか受け取れない絵的表現。忍者や幽霊、腰元と云った間違った歴史的認識。理不尽なゲーム内容……これらが渾然とした結果が「クソゲー」と云うレッテルを欲しいままにしてしまった原因だと考えます。
近年制作元のサンソフトは本作の「クソゲー」扱いをネタとして取り扱っていますが、世間に迎合を打つ見苦しい自虐として反吐を催されます。
まあ、「クソゲー、クソゲー」と云って喜んでいるのは、大方ゲームセンターCXなんかを見て知ったかぶりしているゲーム業界の裏道や路地も見た事のない一般ゲーマーくらいなものでしょうがね。
折り畳んだ先にAC版「いっき」の幕間デモその他スクリーンショットを載せて置きます。興味がおありでしたらご覧下さいませ。
タイトル画面その1
タイトル画面その2
デモ画面
クレジット投入
スタートボタンPUSH
荘厳なスタート画面
掛合い
1面
1面クリア
2面
2面クリア
3面
3面クリア
4面
4面クリア
5面
5面クリア
6面
6面クリア
7面
7面クリア
8面+隠しメッセージ
8面クリア、2周目スタート
ゲームオーバー
ネームエントリー
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