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2011.03.11

My Favorite Game 100 ファミリーコンピュータ編 23

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●グーニーズ
コナミ 1986年2月21日発売

同社アクションゲーム傑作のひとつ。美しいグラフィックスと良好な操作性。まろやかなゲーム性と適度な難易度。素晴らしいサウンドと原作映画ヒットの相乗効果。
旧態依然としたゲームシステムが残っているものの、これぞ家庭用ゲームと云える面白さに充ち満ちていました。
しかし、不思議な事にあまり語るべき部分を持たない作品でもあります。優等生ならではの毒や穴がないところがそうさせているのかも知れません。


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●忍者ハットリくん
ハドソン 1986年3月5日発売

ハドソン最大のヒット作品で、マンガやアニメを題材とするキャラクター物としても頭ひとつ抜き出た売上本数150万本を記録。いつものようにコロコロコミックとの連動記事も凄かったと記憶しています。

旧態依然としたゲーム文法が残っているものの、パワーアップなどのシステム面で工夫が窺える良く出来た作品です。
ただ売上本数とゲームの面白さが正比例しているかと問われれば正直微妙なところ。その理由を簡単に説明するならば一言「ゲーム性が薄い」からに他なりません。

「ゲーム性」とはなんでしょう? 語る人により定義は変わって来ると思うのですが、私の考えではゲーム内で返って来る「リアクション」だと受け取っています。

例えばビデオゲームの命題とも云える敵を倒した際のゲーム性に特化して考えて見ます。
攻撃ボタンを押し、敵を倒すと、それ用のグラフィックスとサウンドがリアクションとして返って来ます。ここに生じるのがプレイヤーが感じるゲーム性とします。

この際のゲーム性とは7割方サウンドに依存していると云えるでしょう。敵が死ぬ際のグラフィックスは意外と重要ではなく、サウンドとの相乗効果でのみその存在が上下するものと考えます。グラフィックス2割、残りの1割は具象性を顕わとしない「当たり判定」あたりに割り振られていると云うのが私の持論です。

この理論を分かり易くする実験としては、先ず音を消してゲームで遊んで見ると良いでしょう。どんなゲームでも悉く詰まらなく感じてしまうはずです。

次は映像を見ないで音だけでプレイして見ます。攻撃ボタンを押して見ましょう。
敵を倒した効果音が流れます。そうしますと映像がなくても「ゲーム性」を感じる事が出来るのです。
要は楽器を演奏しているのと似た感覚だとすれば分かり易いでしょうか。
映像は平面処理されているに過ぎませんが、音は縦の連なりで表現されている事に起因しているとも云えます。脳に直接的な感覚を提供するのがサウンド効果となります。

ゲームと云うところで考えると、平面処理されたグラフィックスの或る部分(敵が死んだ場所など)に縦に連なったサウンドが重なる……これがビデオゲームが入手したここだけの「ゲーム性」と云えやしないかと考える訳です。

映像を軽視した発言に取られたかも知れませんが、まったく逆で映像×音が即ち「ゲーム性」の大なるところだと思っています。

映画の世界では「対位法(コントラプンクト。元来は音楽用語)」と呼ばれる技法があります。
これは或る映像に一見似付かわしくない或る音楽を重ねる事で、別の表現を表したり、または狙った表現を大きく膨らますと云う効果があるものです。技法としては未成熟で確立された法則は今のところ発見されていません。単なるBGMとは一線を画すもので色々と制約があるのですが、ここでの説明は割愛します。

実はこの「対位法」ビデオゲームの世界では黎明期の頃から知ってか知らずか使用されている技法なのです。逆に云えば黎明期の頃だからこそ使われていた事になります。
ハード性能が低かった事から、現実世界では考えられない効果音がビデオゲームには付けられて来ました。
例えばスーパーマリオ。カメを踏ん付けた時の「コケッ」と云う効果音。ファイヤーボールを撃った際の「プリップリッ」、コインを取った際の「コイン、コイ~ン」など。これってリアルな効果音と云う意味ではかなり変ですよね。有り得ない音なのです。
それでもゲーム世界の中では不自然に感じられませんし、それどころかこの効果音だからこそ面白く感じられるように出来ています。これこそがビデオゲームの「対位法」と云えるのではないでしょうか。

またゲーム世界ならではの悪い効果音も存在します。金属音がそれです。
耐久力のある敵などにダメージを与えた際金属音を使うと、破壊出来ない対象に思えてしまいます。
これは現実世界での鉄→固い→壊れない……と云う固定観念が私たちに植え付けられている為です。これは「対位法」になっていない代表例であると云えます。

ゲーム性の話は機会があれば追々書いて行く予定なのですが、長くなったので「忍者ハットリくん」に話を戻して続けます。

本作では敵を倒すと云う部分に於いて「映像×音」のゲーム性がかなり低いと云わざるを得ません。それでもこれだけの大ヒット作品となり、実際プレイしていて楽しめるものとなっているのです。
これはゲーム性の大本命である「敵を倒す」と云う以外に別のゲーム性が隠されているからに他ならないと考えるのが順当ですね。

ビデオゲームの歴史もはや40年を過ぎ成熟して来たかのように思えるものの、肝心要のゲームの面白さ「ゲーム性」についての研究が行われていないのはどう云う事なのでしょうか。ゲームシステムについての研究や著名作家による講演などは耳目を掠める事もあります。それは数学的な研究に値するもので当然必要なものだと思います。しかし、不定形な感覚を喜ばす文学的な研究も同時に為されなければいけないのです。
これを説明出来る作家、研究する人がいない現状を見るにつけ、ビデオゲームはまだまだ本当の芸術文化とは云えないなと考えてしまう次第です。

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Comments

地震大丈夫ッスか?
生きてます?もし生きてたらとりあえずレス下さい。
PCや電源が取れなくてレス出来ない場合は、、、
とりあえず心配し続けることにします。
僕の知り合いで東北に住んでるのはバブシカさん
だけなのですが、無事でいることをマジで
祈ってます。

Posted by: クリス | 2011.03.11 at 08:24 PM

いま先程やっと電気が通じました。
1日以上ライフラインが全滅と云うのは初めての経験でした。これほど闇が恐ろしくて暇な物だとは……。

ご心配お掛けして申し訳ありませんでした。肩を負傷しましたが至って元気です。

Posted by: バブシカ | 2011.03.12 at 06:47 PM

無事で良かったです。
まだ予断を許さない状況で、これからも大変かとは思いますが、平穏を早く取り戻せますように。

Posted by: nao | 2011.03.12 at 11:13 PM

ホントよかった!(^^。よかったよかった。
たくさんの方が亡くなられていますが、まずは
友人の無事を素直に喜びたいです。
これからもハードルがかなり山積みだと思いますが、
そういう状況でこそ得られる幸せもきっとあると
思います。プラスを大きく、マイナスを小さく捉え
られるように祈ってます。

Posted by: クリス | 2011.03.12 at 11:20 PM

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