My Favorite Game 100 ファミリーコンピュータ編 39
●迷宮組曲
ハドソン 1986年11月13日発売
良質なジャンプアクション物でパズルとアドベンチャー風味の味付けがなされています。
可愛らしい世界観とレスポンスの優れた操作性が素晴らしいと思わせます。自機ミロンの飛び道具である「泡」の軌道も考えられており、敵に攻撃を当て難いと云うストレスを感じさせません。連射時の爽快感もなかなかのものです。全体のゲームバランスも整頓されている事で万人にお勧め出来る作品と云えますね。
しかしハドソン作品の伝統と云うか癖で、効果音のボリュームが低い為かゲーム性がやや低く感じられます。強いて云えばと云う程度の問題なので、これは作品の価値を貶めるものではないでしょう。
本作で最も優れているのは音楽の構成ですね。
楽器箱を入手する事でボーナス面となるのですが、一つのボーナス面を熟す事でBGMの楽器パートが一種類ずつ増えて行くのです。全7種類のボーナス面を消化すると素晴らしいオーケストレーションが完成します。
ゲームの構成とは別にBGMが熟成して行く過程はドラマチックな展開を伴っていると云えるでしょう。独創性に富んでいてシステマティックなアイディアとして感嘆を催されます。
私はリアルタイムでは殆ど遊ばなかったのですが、今からでも始めてみたいと思い続けている作品の一つとなっています。
●もえろツインビー シナモン博士を救え!
コナミ 1986年11月21日発売(FCD)
ファミコン版「ツインビー」の続編にあたり3人同時プレイが可能となっています。
同社の大ヒット作「沙羅曼蛇 AC1986」に倣い、横スクロール面と縦スクロール面が交互に(5面は例外で縦スクロール)展開して行きます。
なかなか面白いゲームなのですが、横スクロール面とベル取得パワーアップ・システムが上手く噛み合っていません。その為に最初の1面でパワーアップし難いのが欠点と云えるでしょう。この欠点(ベルの挙動)は後日「パロディウス MSX1988」で修正される事となります。
縦スクロール面は前作と同様のシステムとなっている事から、新鮮みはないものの不可もなく楽しめるように出来ています。
新アイテムやフィーチャーがかなり詰め込まれていて雑然としているのですが、シューティングゲームがお好きな方であれば現在にプレイしても楽しめる作品と云えるでしょう。
●マッピーランド
ナムコ 1986年11月26日発売
マッピーのキャラクターとゲームシステムを使ったスピンオフ的な作品となっています。
一言で表すならば「しょぼいマッピー」としか言い様がありません。
前作にあったポップなグラフィックスは幼稚に、素晴らしいサウンドは素人臭く、ゲームシステムはバッタ物っぽくなってしまいました。
ゲームとしては楽しめない事もないのですが、前作の完成度を知っている側からすると「残念」な出来映えにしか見えません。
但し本作のターゲットが小学校低学年、またはゲーム慣れしていない女の子などのローエンド・ユーザーであったのだとすれば、評価が変わるかも知れません可能性を秘めています。
●怒
SNK 1986年11月26日発売
原作は同年に発表されたアーケード版となっています。AC版の記事は以下でどうぞ。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/02/_ikari.html
ループレバーで操作する事を前提に作られた作品を、ファミコンへと移植する事の無理を教えてくれています。特殊インターフェースをボタンの少ないファミコンコントローラーで再現するのは、これ以降も答えを見付ける事の難しい課題でした。
しかし本作はそれ以上にゲームとしての体裁が整っていません。ループレバーなんや以前の問題でゲームになっていないと云えるでしょう。これぞSNKのファミコンゲームと思えるほどの駄作に仕上がっています。まさしく「怒」の込み上げて来るタイトル通りの作品です。
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