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2011/06/23

道草 その3

今回はここ最近聴いていた音楽CDの一口感想などを記してみたいと思います。


Gaga_2

●Lady Gaga 「Born This Way」

三枚目のスタジオアルバムなのですが、過去二作と較べると凡庸の域を出ていませんね。お金と時間をかけてしっかりと練り込んだ大作なのは肯えるものの、聴いていて詰まらないアルバムに仕上がっています。

1stにはあった「Poker Face」「Paparazzi」のような奇抜でありながら聴き易いキャッチーな曲、2ndからのメガヒットチューン「Bad Romance」ほどの完成度を有した曲がありません。
アルバム全体としての完成度は高いと思うのですが、いずれも普通に纏まっていてガガらしさが欠如していると云えるでしょう。

とは云ってもガガ自体がマドンナやアギレラを意識した二番煎じなのは間違いのないところで、それを奇抜な言動やファッションで独自性があるかのように見せているアイコンだと思います。
これ自体には悪を感じませんし、80年代ポップスの継承者たる彼女のソングライティング術は素晴らしいと云う他ありません。
多作な彼女の事ですから早々に次のオリジナルアルバムを作ってくれるものと期待しています。

http://www.youtube.com/watch?v=wV1FrqwZyKw


Abemao_2

●阿部真央 「ロンリー」

四枚目のシングル。有線放送で聴いたのを機に「ふりぃ」「ポっぷ」とアルバムを買い揃えました。
歌い方などから矢井田瞳フォロワーなのは判然しますが、一般性を抜けばオリジナルを凌駕している部分を多く持つ新人だと思います。

矢井田瞳は云わずもがな椎名林檎のフォロワーで、オリジナルが持つ毒を中和して一般に敷衍した存在と云えるでしょう。
しかし一般性を得た要因である歌詞に普遍性のあるワードを使い過ぎている嫌いがあり、見方によっては衒気を感じてしまいます。もっと簡潔に云えば「ダサい」のです。

阿部真央の詩はまだまだ未熟な部分を残しているものの、この「ダサさ」を感じさせないだけの現代性と言葉選びのセンスを発揮しています。椎名林檎ほど狙っていなくて、矢井田瞳ほどあざとくないと云えば良いでしょうか。ただ核となるワードが少なくインパクトが弱いですね。ここらをメロにからめられる技術があれば大成する可能性を秘めています。

しかしメロディに言葉を上手く乗せる技術はありますし譜割りも斬新、歌唱力をそれほど必要としないボーカルスタイルではありますが、上記二人よりも断然上手い。これからが期待出来るソングライターだと思います。
新しいアルバム「素」は未視聴ですが近い内に購入する予定です。

http://gyao.yahoo.co.jp/player/00025/v08789/v0992500000000541887/


Avril_2

●Avril Lavigne 「Goodbye Lullaby」

四枚目のスタジオアルバムで個人的にはアヴリルの最高傑作だと思っています。
これまでの作られたキャラクター性や無駄にハードなロックナンバーが薄らいだ為か、まともに聴き易くなりました。離婚した事で大人になったのかな。
これまでガキンチョロックとして敬遠していた方にもお奨め出来る作品だと思いますよ。

http://www.youtube.com/watch?v=rRRO_0NPoQg

因みに先日zepp sendaiで元旦那デリックくん率いるSUM 41のライブがあったのですが、会場前に並んでいた客数を見るとガラガラの入りでした。彼らがグリーンデイのように復活する事はないでしょうね。


Pur_2

●Perfume 「レーザービーム」

去年発売されたシングル3曲「不自然なガール」「VOICE」「ねぇ」が良く出来すぎていた為に見劣りしてしまいますが、Perfumeらしいポップな佳曲に仕上がっています。

「ポリリズム」がディズニー映画「CARS 2」の挿入歌に抜擢されたのは嬉しいニュースですね。これを機に世界進出してくれる事を願っています。3人のキャラクター性とダンスを絡めたプロモーションが上手く行けばビルボード常連も夢ではないと考えます。

http://www.youtube.com/watch?v=UGP_hoQpLZQ&feature=related

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2011/06/21

道草 その2

Oblivion_20110517_05591640

●Oblivion

今年の暮れに続編である「The Elder Scrolls V: Skyrim」が発売となる事から新しいPCの購入を考えています。
Oblivionは以前にも遊んでいたのですが、そのあまりの面白さに時間を消費させられる事を剣呑だとしてアンインストールした経緯を持っています。

本作は作り込まれた箱庭世界の中で自由に行動する事が許された、所謂サンドボックス型RPGの代表格とも云える作品です。
基本が西洋ファンタジーRPGであるので、戦闘をメインとしてクエストを消化して行く流れなのですが、無数のサブクエストの他、様々なイベントが用意されており、全クリアするのに200から300時間は必要とされています。

戦闘以外での行動でもキャラクターをレベルアップさせられる事から、戦闘を副次的なものとして扱い草花収集をして錬金術に明け暮れたり、我が家を住み易いようにコーディネートすると云った楽しみ方も可能です。

私が最も好きなプレイスタイルは「お散歩」ですね。ただ街道沿いに歩いて美しい背景を楽しむ。途中、山賊やモンスターに襲われる事もありますが、その時は仕方がないので正義の剣を揮います。遺跡や洞窟を発見したら忍び足を使って極力戦闘をしないようにしてアイテム収集……または闇討ちのみで敵グループを殲滅。こんな感じで遊ぶ人によって様々なプレイスタイルが生まれる融通を具えたゲームとなっています。

戦闘自体もアクションRPGとして及第点以上の楽しさを持っています。
剣と盾を使った肉弾戦。遠距離魔法や弓矢によるFPS的戦闘。召喚魔法を使った敵味方入り交じっての乱戦……戦闘のプレイスタイルもまた好みで自由に決める事が出来ます。

経験値稼ぎが重要なRPGではないものの、自らの行動により好みのステータスを上げて行くシステムは、ちくちくと育成するのが楽しくて止め時が難しく感じられます。

何をしてもどうやっても楽しいと思えるのが「Oblivion」と云う作品の私の評価となっています。

X-BOX360、PS3でも発売されている本作ですが、PC版は有志の作成したmodを導入出来る点で断然優れています。
素のままでは若干使い難いインターフェイスを改良したり、ゲームシステム面でもこのようにしたらもっと面白くなるだろうなと云う部分を、自分好みに改善出来る幅広い融通性は中二病の夢を叶えてくれるようでもあります。
根本的なゲームシステムを大きく変えてしまうmodから、細かなバランス調整を行うmodまで無数に用意されている事から、これ一本で何年でも遊び続けられる事でしょう。

日本では一部のPCゲーマーからしか評価されていない本作ですが、これほど面白いRPGはないと断言出来るほどの傑作となっています。未プレイの方には是非ともお奨めしたいところです。私はこれまでN64版の「ゼルダの伝説」がアクションRPGの最高峰だと信じて疑わなかったのですが、本作の存在がその評価を簡単に覆してしまったほどです。

取り敢えず今年いっぱいは「Oblivion」で遊んで、来年早々にでも「Skyrim」が恙なく動作するPCを新調したいなあと思っているところです。

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2011/06/19

道草 その1

震災後に訪れた精神の弛緩から長いこと内側にとぐろを巻いていました。
ファミコンの記事が中途になっている事も気分に影を差す要因と云えばそうなのですが、現在今ひとつ乗り切れない或るものが残留しているような気がして休ませてもらっています。出来るならば近い内に再開してこちらからでも健常を取り戻したいところです。

全く何もしていなかったと云う訳でもないのですが、自らに課した仕事以外ではPCゲームをして時間を蝕んでいたと云う事になります。
今回はお慰め程度に最近遊んだPCゲームの一口感想でも記したいと思います。


Hl2

●Half-Life 2: Episode Two

Half-Life 2本編のあと中編程度の作品を3回に分けて発売、以後「3」へ繋げると云うのが発売元Valveの構想でした。
前作が偉大すぎたが為に評判の悪い「2」ですが、私は嫌いではありません。ストーリーが勿体ぶっているだけで陳腐な事、FPSであるのにシューティング部分が少なくパズル部分が多すぎる事、プレイ時間を引き延ばす為だけと思われる乗り物による移動シーンの操作性が悪い事など、様々な負があるものの、世界観の雰囲気を味わうには良い作品だと思っています。

次いで発売された「Episode One」はお世辞にも可愛いとは云えない女の子と一緒に行動するパズルゲームでした。ジャンルとすればアクションアドベンチャー色が強く、シューティング部分がより一層少なくなっていました。こちらは無理をして最後まで遊んだものの正直楽しめませんでした。

「Episode Two」はアクションパズル半分シューティング半分と云ったところでしょうか。「Episode One」の不評をもとに作られたと思われて、なかなか楽しめる作品となっています。シューティング部分に盛り上がる要素が多く含まれていたからでしょう。特に最後の攻防戦は熱くなれるシチュエーションと難易度でした。リプレイ性が皆無なのでもう二度と遊ぶ事はないでしょうが、1回クリアする分には十分に楽しめるかな。

ただValveはこのまま「Episode Three」を出さずにしらばっくれる積もりでしょうね。


Portal

●Portal

「Episode Two」のオマケとしてOrange Boxに収録されていた元インディーズ作品です。
こちらは最高の出来映えを誇るオリジナリティに充ち充ちた作品として光り輝いています。「Episode Two」が糞に思えてしまうほどの完成度です。
簡単に説明すると空間と空間を繋ぐPortal Gunを使いゴール地点へと進む、FPS視点のアクションパズル物となっています。文章で面白さを伝えるのが難しいタイプの作品ですので以下に動画を貼って置きます。

http://www.youtube.com/watch?v=TluRVBhmf8w

今迄どうしてプレイせずに過ごしたのだろうと後悔するほどの傑作で、最後まで一気に夢中で遊び耽ってしまいました。個人的にこれまで遊んだPCゲームの中で最も優れた作品ではないかとさえ思っています。FPSの操作に慣れてさえいれば決して難しいゲームではないので是非多くの方に遊んでもらいたいものです。


Ds_2

●Dead Space

こちらは三人称視点のサバイバルホラーシューティングです。かなりグロテスクな表現がある作品で日本では発売禁止となっています。ゲームシステム上で敵の体を部位ごとに破壊する部分が引っ掛かったのでしょう。しかし、敵は全てモンスターであり聞いていたほどの残虐さはないと思います。
敵の腕を破壊すれば攻撃力がなくなり、足を破壊すれば移動力が低くなると云うのは良いシステムですね。それに伴い自分のプレイスタイルを変えられるのもよく考えられているところです。

とは云うものの、殆どのゲームシステムが何処からかちょっぱって来たパクリゲーでもあります。本作の優れているのは過去のヒット作のパクリや良いとこ取りであるものの、それを破綻なく一つの作品として纏めたところにあると云えるでしょう。だからこそゲームとして最上の面白さを提供してくれています。

お金で自分の装備をパワーアップさせていくシステムが取られているのですが、幾通りものルートを好みで強化して行くRPG要素も面白く、一度のプレイでは全てを最強まで成長させられない為リプレイ性も高く仕上がっています。

ゲーム中盤以降に二度遭遇する不死身のモンスターとの戦闘は、「ドルアーガの塔」の59階や「忍者くん」のヨロイ24面を想起させるほどの熱さを提供してくれます。
ゲームとしてかなり面白い作品であることに疑いを持ちませんので、こちらもグロを気にしない方には是非ともお奨めしたいところです。


Cod4

●Call of Duty 4: Modern Warfare

現在世界で最も売れているシリーズ物となった「COD」なのですが、個人的には肌に合わない作品群となっています。
これまでは第二次世界大戦もののFPSとして制作されて来ましたが、「4」以降は現代戦を舞台にしたより身近でドライなテーマを扱っています。
この手の作品は敵がリアルな人間である為に、どうしても後味の悪さを感じてしまいます。

ゲームとしては過剰演出が鼻を突きますし、制作側の考えた展開からの逸脱を許さない窮屈さを提供させられます。特に敵が無限沸きするシーンが多い事が気に入らない部分です。しかし、これが本シリーズの売りであり、現代のユーザーが求めている形なのも分かります。ハリウッド映画のような詭弁に充ちた勧善懲悪に疑念を持たない方でしたら最高のゲームと云えるのでしょう。

実際には大作感の漂う良く出来た作品であるので、一通りクリアしておいても損はないだろうし後学の為にもなると思います。個人的にはシリーズ中もっとも地味だったとされる「2」が一番楽しめました。

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