道草 その1
震災後に訪れた精神の弛緩から長いこと内側にとぐろを巻いていました。
ファミコンの記事が中途になっている事も気分に影を差す要因と云えばそうなのですが、現在今ひとつ乗り切れない或るものが残留しているような気がして休ませてもらっています。出来るならば近い内に再開してこちらからでも健常を取り戻したいところです。
全く何もしていなかったと云う訳でもないのですが、自らに課した仕事以外ではPCゲームをして時間を蝕んでいたと云う事になります。
今回はお慰め程度に最近遊んだPCゲームの一口感想でも記したいと思います。
●Half-Life 2: Episode Two
Half-Life 2本編のあと中編程度の作品を3回に分けて発売、以後「3」へ繋げると云うのが発売元Valveの構想でした。
前作が偉大すぎたが為に評判の悪い「2」ですが、私は嫌いではありません。ストーリーが勿体ぶっているだけで陳腐な事、FPSであるのにシューティング部分が少なくパズル部分が多すぎる事、プレイ時間を引き延ばす為だけと思われる乗り物による移動シーンの操作性が悪い事など、様々な負があるものの、世界観の雰囲気を味わうには良い作品だと思っています。
次いで発売された「Episode One」はお世辞にも可愛いとは云えない女の子と一緒に行動するパズルゲームでした。ジャンルとすればアクションアドベンチャー色が強く、シューティング部分がより一層少なくなっていました。こちらは無理をして最後まで遊んだものの正直楽しめませんでした。
「Episode Two」はアクションパズル半分シューティング半分と云ったところでしょうか。「Episode One」の不評をもとに作られたと思われて、なかなか楽しめる作品となっています。シューティング部分に盛り上がる要素が多く含まれていたからでしょう。特に最後の攻防戦は熱くなれるシチュエーションと難易度でした。リプレイ性が皆無なのでもう二度と遊ぶ事はないでしょうが、1回クリアする分には十分に楽しめるかな。
ただValveはこのまま「Episode Three」を出さずにしらばっくれる積もりでしょうね。
●Portal
「Episode Two」のオマケとしてOrange Boxに収録されていた元インディーズ作品です。
こちらは最高の出来映えを誇るオリジナリティに充ち充ちた作品として光り輝いています。「Episode Two」が糞に思えてしまうほどの完成度です。
簡単に説明すると空間と空間を繋ぐPortal Gunを使いゴール地点へと進む、FPS視点のアクションパズル物となっています。文章で面白さを伝えるのが難しいタイプの作品ですので以下に動画を貼って置きます。
http://www.youtube.com/watch?v=TluRVBhmf8w
今迄どうしてプレイせずに過ごしたのだろうと後悔するほどの傑作で、最後まで一気に夢中で遊び耽ってしまいました。個人的にこれまで遊んだPCゲームの中で最も優れた作品ではないかとさえ思っています。FPSの操作に慣れてさえいれば決して難しいゲームではないので是非多くの方に遊んでもらいたいものです。
●Dead Space
こちらは三人称視点のサバイバルホラーシューティングです。かなりグロテスクな表現がある作品で日本では発売禁止となっています。ゲームシステム上で敵の体を部位ごとに破壊する部分が引っ掛かったのでしょう。しかし、敵は全てモンスターであり聞いていたほどの残虐さはないと思います。
敵の腕を破壊すれば攻撃力がなくなり、足を破壊すれば移動力が低くなると云うのは良いシステムですね。それに伴い自分のプレイスタイルを変えられるのもよく考えられているところです。
とは云うものの、殆どのゲームシステムが何処からかちょっぱって来たパクリゲーでもあります。本作の優れているのは過去のヒット作のパクリや良いとこ取りであるものの、それを破綻なく一つの作品として纏めたところにあると云えるでしょう。だからこそゲームとして最上の面白さを提供してくれています。
お金で自分の装備をパワーアップさせていくシステムが取られているのですが、幾通りものルートを好みで強化して行くRPG要素も面白く、一度のプレイでは全てを最強まで成長させられない為リプレイ性も高く仕上がっています。
ゲーム中盤以降に二度遭遇する不死身のモンスターとの戦闘は、「ドルアーガの塔」の59階や「忍者くん」のヨロイ24面を想起させるほどの熱さを提供してくれます。
ゲームとしてかなり面白い作品であることに疑いを持ちませんので、こちらもグロを気にしない方には是非ともお奨めしたいところです。
●Call of Duty 4: Modern Warfare
現在世界で最も売れているシリーズ物となった「COD」なのですが、個人的には肌に合わない作品群となっています。
これまでは第二次世界大戦もののFPSとして制作されて来ましたが、「4」以降は現代戦を舞台にしたより身近でドライなテーマを扱っています。
この手の作品は敵がリアルな人間である為に、どうしても後味の悪さを感じてしまいます。
ゲームとしては過剰演出が鼻を突きますし、制作側の考えた展開からの逸脱を許さない窮屈さを提供させられます。特に敵が無限沸きするシーンが多い事が気に入らない部分です。しかし、これが本シリーズの売りであり、現代のユーザーが求めている形なのも分かります。ハリウッド映画のような詭弁に充ちた勧善懲悪に疑念を持たない方でしたら最高のゲームと云えるのでしょう。
実際には大作感の漂う良く出来た作品であるので、一通りクリアしておいても損はないだろうし後学の為にもなると思います。個人的にはシリーズ中もっとも地味だったとされる「2」が一番楽しめました。
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