道草 その3
今回はここ最近聴いていた音楽CDの一口感想などを記してみたいと思います。
●Lady Gaga 「Born This Way」
三枚目のスタジオアルバムなのですが、過去二作と較べると凡庸の域を出ていませんね。お金と時間をかけてしっかりと練り込んだ大作なのは肯えるものの、聴いていて詰まらないアルバムに仕上がっています。
1stにはあった「Poker Face」「Paparazzi」のような奇抜でありながら聴き易いキャッチーな曲、2ndからのメガヒットチューン「Bad Romance」ほどの完成度を有した曲がありません。
アルバム全体としての完成度は高いと思うのですが、いずれも普通に纏まっていてガガらしさが欠如していると云えるでしょう。
とは云ってもガガ自体がマドンナやアギレラを意識した二番煎じなのは間違いのないところで、それを奇抜な言動やファッションで独自性があるかのように見せているアイコンだと思います。
これ自体には悪を感じませんし、80年代ポップスの継承者たる彼女のソングライティング術は素晴らしいと云う他ありません。
多作な彼女の事ですから早々に次のオリジナルアルバムを作ってくれるものと期待しています。
http://www.youtube.com/watch?v=wV1FrqwZyKw
●阿部真央 「ロンリー」
四枚目のシングル。有線放送で聴いたのを機に「ふりぃ」「ポっぷ」とアルバムを買い揃えました。
歌い方などから矢井田瞳フォロワーなのは判然しますが、一般性を抜けばオリジナルを凌駕している部分を多く持つ新人だと思います。
矢井田瞳は云わずもがな椎名林檎のフォロワーで、オリジナルが持つ毒を中和して一般に敷衍した存在と云えるでしょう。
しかし一般性を得た要因である歌詞に普遍性のあるワードを使い過ぎている嫌いがあり、見方によっては衒気を感じてしまいます。もっと簡潔に云えば「ダサい」のです。
阿部真央の詩はまだまだ未熟な部分を残しているものの、この「ダサさ」を感じさせないだけの現代性と言葉選びのセンスを発揮しています。椎名林檎ほど狙っていなくて、矢井田瞳ほどあざとくないと云えば良いでしょうか。ただ核となるワードが少なくインパクトが弱いですね。ここらをメロにからめられる技術があれば大成する可能性を秘めています。
しかしメロディに言葉を上手く乗せる技術はありますし譜割りも斬新、歌唱力をそれほど必要としないボーカルスタイルではありますが、上記二人よりも断然上手い。これからが期待出来るソングライターだと思います。
新しいアルバム「素」は未視聴ですが近い内に購入する予定です。
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00025/v08789/v0992500000000541887/
●Avril Lavigne 「Goodbye Lullaby」
四枚目のスタジオアルバムで個人的にはアヴリルの最高傑作だと思っています。
これまでの作られたキャラクター性や無駄にハードなロックナンバーが薄らいだ為か、まともに聴き易くなりました。離婚した事で大人になったのかな。
これまでガキンチョロックとして敬遠していた方にもお奨め出来る作品だと思いますよ。
http://www.youtube.com/watch?v=rRRO_0NPoQg
因みに先日zepp sendaiで元旦那デリックくん率いるSUM 41のライブがあったのですが、会場前に並んでいた客数を見るとガラガラの入りでした。彼らがグリーンデイのように復活する事はないでしょうね。
●Perfume 「レーザービーム」
去年発売されたシングル3曲「不自然なガール」「VOICE」「ねぇ」が良く出来すぎていた為に見劣りしてしまいますが、Perfumeらしいポップな佳曲に仕上がっています。
「ポリリズム」がディズニー映画「CARS 2」の挿入歌に抜擢されたのは嬉しいニュースですね。これを機に世界進出してくれる事を願っています。3人のキャラクター性とダンスを絡めたプロモーションが上手く行けばビルボード常連も夢ではないと考えます。
| 固定リンク
コメント