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2011.09.20

My Favorite Game 100 ファミリーコンピュータ編 44

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●ガルフォース
HAL研究所 1986年12月10日発売(FCD)

原作はモデルグラフィックス誌で連載されていた模型を使ったフォトストーリー物となっており、以後OVAや小説、ゲームとマルチメディア展開がなされました。

技術力のHAL研が制作した作品でなるほど良く出来ているのですが、ゲームとしては単調の域を出ていません。これは以前も以降も同社の抱える問題点と云えるでしょう。
「ザナック」になれなかった作品……この一言で片付けられるものとなっています。


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●謎の壁 ブロックくずし
コナミ 1986年12月13日発売(FCD)

同年に大ヒットしたAC版「アルカノイド」の影響下に作られた作品として良いでしょう。
アルカノイドはゲーセンで暇を潰すサボリーマンを中心に支持された大人向けの作品でしたが、「謎の壁 ブロックくずし」はファミコン用と云う事で、ポップなキャラクターとグラフィックスを用意した子供向け作品と云う印象で纏まっています。タイトルにある通りちょっとした謎要素が当時のトレンドを偲ばせます。

ゲームとしても良く出来ており、ゲーム性は緩いものの十分楽しめる内容となっていました。独創性が高いとは云えませんが、ただのパクリゲーとせずにコナミならではの味付けを感じさせるのが良いところですね。


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●メトロクロス
ナムコ 1986年12月16日発売

原作は前年に発表されたAC版でナムコ黄金期最後の佳作群のひとつとなっています。AC版の記事は以下でどうぞ。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2004/11/post_10.html

良く出来た移植物で個人的にも大好きな作品なのですが、クラッカージャンプの判定がシビアで原作よりも難しく感じられます。ファミコンのみの隠しアイテムがある事で軽減されているものの、大きくジャンプする爽快感とテクニカルな操作感覚は減殺されていると云わざるを得ません。でも隠れキャラの女の子に祝福のキスをされるのは嬉しいかも。

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2011.09.16

My Favorite Game 100 ファミリーコンピュータ編 43

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●たけしの挑戦状
タイトー 1986年12月10日発売

歴代クソゲー十指に数えられるであろう作品として有名ですが、ビートたけし氏のネームバリューにより売上80万本のヒットを記録しています。
実際の中身はと云うと……やはりクソゲーである事に変わりません。本作の制作過程に於いてたけし氏自身が深く関わっている事は有名です。当時メーカー名や内容は伏せられていたものの、氏は自身のラジオ番組でゲームの企画に携わっている事実を何度となく口にしていました。その口調からは新しい仕事に対する責任と自信、玩具を与えられた子供の嬉々とした感情が同時に伝わって来たものです。

現在では一流映画監督としての地位を築いている氏が、それ以前に関わった初めてとも云える形として残るクリエイティブな仕事であったとして良いでしょう。そのような欲求があったればこそのゲーム制作への介入だったのだと思います。

しかし完成した作品は押しも押されぬ歴代十指に残るクソゲーであった。
これには当然とも云える理由があります。氏がラジオで語っていたゲームの制作方法は、アイディアの羅列にのみ終始していました。これまでにないゲームを作ろう、今迄あったゲームの常識を覆そうとする姿勢は、業界へのアンチテーゼとして立派な行いだったと思います。
ただ、それを実行しようとする為にはビデオゲームの歴史を知っていなければなりません。ビデオゲームとは一本の根幹のみで楽しませるエンターテイメントなのです。根幹とは即ちゲームシステムに他ありません。ポンからインベーダー、ヘッドオンからパックマンへと変遷して云ったゲームシステムの理解が重要なのです。ゲームシステムの理解なく付け足されたアイディアは蛇足となるかゲームバランスを崩壊させる結果をしか生まないでしょう。

たけし氏は本業に於けるお笑いでも王道を揶揄するカウンター勢力の旗手として名を馳せた方だと思います。既存のワンパターンを善とする芸に冷水や熱湯を浴びせるかのような過激さに私たちは痺れたものです。
たけし氏は、「挑戦状」制作以前に当時一大ブームを巻き起こしていたたファミコンへ興味を示し一部のゲームを夢中で遊んでいた事実もあります。「ポートピア連続殺人事件」には特に感銘を受けていたようで、テレビで犯人をバラしてしまったのも有名な逸話ですね。

この事から察するに氏はアドベンチャーゲームのように物語性の高い作品を意識していたのではないかと思います。氏がゲーム制作に携わる以前に「挑戦状」は既に横スクロールのアクション物として企画され制作も始まっていたのではないでしょうか。そこに氏がアイディアを持参してリスタート。制作期間の問題からゲームシステムの改変は不可能だったので、横スクロールアクションにアドベンチャー要素を加えて行った。熱心にも日々持ち込まれる荒唐無稽な発想のアイディア。「ビートたけし」と云うビッグネームに尻込みをして操舵出来ないゲームプロデューサー。作品はゲームシステムにそぐわないアイディアを羅列するものとなり歪曲するだけして行った……私はこのように演繹します。

このような工程であったかは分かりませんが、結果としては同様な制作方法であったのではないでしょうか。これは以前書いた「MOTHER 3」に於ける糸井重里氏と任天堂の関係とも同じくしています(どちらとも私の想像の域を出ていませんが)。

私は個人的に芸人ビートたけし氏の大ファンであるのですが、映画を含めた氏の映像作品には敬意を表せない立場にいます。詰まるところ氏の映画も「挑戦状」と同様な制作態度から作られているようにしか見えないのがその理由です。
映画の根幹とは間違いなく「シナリオ」なのですが、氏の作品はそのシナリオに力がありません。大雑把な梗概に小さなアイディアを後から乗せて行き、それなりに綺麗な映像で形を整える……これが北野たけし作品の特徴だと思います。
それでも映画として楽しめるものとなっていて評価されているのは、映画制作がプロフェッショナルの集団で作られているからでしょう。制作、脚本、カメラ、照明、記録それぞれの部門にプロが存在し、大きなリスクと多くのマンパワーによって完成へと漕ぎ着けるのです。
そのような制作過程に於いて、たけし氏の奇抜な発想や独善的な表現が一般レベルへと均されて行くのです。これにより見るに堪える作品が完成する。

私はこれを「5/10理論」としています。
どれだけ斬新で素晴らしいアイディアを几案したとしても、具体的な形へと行き着く間にそれが平均的なものへと落ち着いてしまうと云う意味です。
本当に斬新なアイディアを形とする為には「20」の発想を用意しなければなりません。そうすれば「10」の発想を具体化出来る訳です。
発想力は無限の力を欲しいままに出来ますが、表現力には限界があると考えるからに他ありません。云い変えれば個人の行動に制限は付けられませんが、団体行動には規律が必要になるとも云えます。
規律とは中庸であり粗暴と怯懦の間に存在する客観的な「徳」であるのです。

スタッフ関係者への気遣いを心掛けるたけし氏の作品には、内容とは別にこのような「美」が感じ取れるような気がします。氏の作品は彼のものではありますがスタッフの作品でもあるのです。

当時の少ない開発メンバーで作られた「挑戦状」には、たけし氏が敬意を表せるスタッフも、斬新とは云えないただの我儘を矯正し得るプロデューサーも存在しなかった。そうして何よりも氏がビデオゲームを理解していなかった……。歴史的クソゲーは生み出されるべくして生まれたとするべきでしょう。

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2011.09.08

My Favorite Game 100 ファミリーコンピュータ編 42

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●プロ野球ファミリースタジアム
ナムコ 1986年12月10日発売

「コンピューターのスポーツゲームがこんなに面白いわけがない」と独りごちてしまうほどのエポックメイキングな作品と云えるでしょう。
野球と云う複雑なルールで成り立つスポーツを、合理的な操作方法に落とし込んだのが本作の画期的な部分です。

とは云っても決して簡単な操作で纏められているのではなく、初見から野球そのものの醍醐味を味わえる訳ではありませんでした。まともな試合を行えるようになる為には、それ相応の鍛錬が必要であり複雑な操作システムを熟知しなければならないのです。

普通であれば諦めてしまってもおかしくないほど難しい操作方法であると云っても良いと思います。しかしゲームの導入部であるバッティングとピッチングが直接的な操作方法となっており、猶且つ高いゲーム性を所持している事から簡単には放擲したくないと思わせます。

そうして複雑な守備、走塁を思う通りこなせるようになると、こちらの方にこそ麻薬的なほど中毒性の高い面白さが隠されている事に気付かされます。
投球と打撃がアクションとしての面白さを喚起させ、守備と走塁にはリアルタイムストラテジー的な楽しさが内包されていると云えば良いでしょうか。

また守備面のシステムには本作ならではの大発明が組み込まれています。
画面外へはみ出してしまった飛球を音の高低とスクロール速度で認識させると云うものです。初心者が本作のシステムで最初に蹉跌する部分ではあるのですが、これこそがファミスタであると云い切っても良いほどの大胆で画期的な施策だったと思います。

容量の少なさが災いして阪急と近鉄、ロッテと日本ハムが合同チームとなっていますが、日本プロ野球12チームを網羅し、ほぼ実名に近い選手が個々のパラメータを持ち登録されている事もファンには堪らない部分でした。

そして対戦プレイの面白さは口や筆では書き表せないほどの素晴らしさを毎試合提供してくれました。これまで以前にあった任天堂のスポーツゲームも素晴らしかった事に疑いを挟めませんが、ファミスタの面白さは別次元とも取れるほどの代物だったと云えるでしょう。これを証拠付けるように本作は売上205万本の大ヒットを記録しています。

現在はコナミの「パワプロ」にスタンダードの座を奪われてしまった感のあるファミスタですが、祖にして革命児である彼の名がこれからも朽ちる事は決して有り得ません。

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2011.09.02

My Favorite Game 100 ファミリーコンピュータ編 41

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●きね子
アイレム 1986年11月28日発売(FCD)

原作は同年にソニーがMSX2用に発売したものだそうです。私はずっとアイレムのオリジナル作品だとばかり思っていました。

チープ感漂うタイトルからゲーム内容が想像出来ない作品のひとつと云えるでしょう。簡単に説明すると「動く絵のジグソーパズル」となっています。
アイディア性に優れており、ピースの反転要素がパズル性の構築に深みを与えています。

操作性に難があるものの当時は夢中になって最後まで遊び込みました。現在にプレイしてもパズルゲームとしての楽しさは色褪せていませんが、どうせだったらマウスによる軽快な操作で新作を楽しみたいところです。

因みにタイトルの「きね子」は「キネティックコネクション」の略称である訳ですが、擬人化した事で本来の意味をなくし、内輪受けの曖昧さと狙い過ぎた衒気を入手してしまったと思われます。
ゲーム内容自体はパズル好きへ訴えかけられるに十分なものを持っていたものの、タイトルの印象からユーザーを遠ざけてしまったのではないでしょうか。この事から多くの評価を得られなかった残念な作品のひとつとなっています。


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●キャッスルエクセレント
アスキー 1986年11月28日発売

1985年に国産PC用に発売された「ザ・キャッスル」。そのヒットを受けて作られた難易度の高くなった続編「キャッスルエクセレント」が原作となっています。
ジャンルとしてはアクションパズル物なのですが、その場その場でパズルを解くのではなく、全100画面あるプレイフィールドの繋がりを考えて効率よく立ち回る……と云うものになっています。
限られた資源を有効に使わなければならない部分は、直後に発売された国産PCゲーム最大のヒット作「ザナドゥ (1985)」と同様で、対応する鍵と扉の関係はAC版「イシターの復活 (1986)」に近いと云えるでしょう。

システマチックなゲーム内容で素晴らしい作品なのですが、ファミコンのゲームとしては地味すぎた嫌いがありますね。それを知ってか原作にはない攻撃アイテムが追加されているものの蛇足をしか感じられません。画面切り替えのテンポが悪いのもファミコン版の特徴となっています。

原作のPC-88版は現在に遊んでも腰を据えて楽しめる名作だと思いますが、ファミコン版は些細な点が重なる事でちょっと幼稚過ぎるかな。


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●タイガーヘリ
ポニーキャニオン 1986年12月5日発売

原作は前年に発表されたアーケード版となっており、東亜プランが制作したシューティングゲームの処女作として有名です。AC版の記事は以下でどうぞ。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/03/post_16.html

忠実に移植しようとしている感じが見えなくもありませんが、技術が追い着いていないような駄目移植作品となってしまっています。
縦画面のシューティングゲームが横画面になった際に生じるプレイアビリティの低さも露呈。敵が放つ弾の射出方向が少ない為か変な難しさも感じます。グラフィックスも彩りが少なく地味な印象を助長しているかのようです。画面のチラつきも酷かった(スクリーンショットの自機も消えちゃっていますね)。
形だけでも似せようとしたものの如何ともし得なかった。移植に携わった方々の不思議顔が目に浮かびますね。一夜漬けで試験に臨んだのだけれど公式を理解出来ていなかったので答えが書けなかった……みたいな感じでしょうか。

ハドソンのスターフォースに続けとばかりに、ACゲームの椅子取り合戦を繰り広げる金儲けをしか考えていないメーカーならではの駄作と云えますね。

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