1日モデリング
プラモデルを作る方の中には一定数存在する「改造しないと死んじゃう病」に私も罹患しています。
出来が良いと評判のプラモだから今回はパーツの整形だけして素組みで仕上げよう。ちょっとパーツの抜きが甘いから軽くディティールアップだけするか。なんか設定と形が違うなあ、ここだけ作り直すか。いや、そうなると全体の整合性が取れないからここも作り直さないと。ぬおおお、こうなったら資料を集めて全面改修じゃあ!! となってしまうのです。不治の病なんですよ、これ。
趣味で楽しみたいだけなのに敢えて苦行の道を選んでしまうんです。
プラモデルを説明書通りに作る事を「素組み」海外ではStraight Boxと呼びます。これは本来のプラモデルの楽しみ方ですから何の罪にもなりませんし、プラモデルを開発販売してくれたメーカーへの感謝を最大限に表現する制作方法だと思います。
それなのに私たち病人はメーカーを否定するかの如くプラモデルを切った貼った盛ったして作り変える事に満足を見出だすのです。
これはプラスチックと言う加工に適した素材である事が最大の原因と言えるでしょう。そうであるならば自分が納得出来る物へと作り変える事の何が悪い。自分の技術が適うところまで、もしかしたら技術は足りないかも知れないけど行けるところまで行ってやるぜと考えて実行してしまうのです。これが為に完成するまでの時間が素組みの10倍若しくは100倍になってしまっても、技術力のなさから未完成で終わってしまっても、私たち病人は本望だったりします。「いつかレベルアップした時に必ず完成させてやるから待ってろよ」と捨て台詞を吐いて次に作るプラモを吟味するだけです。
とは言ってもプラモは完成させてナンボだと頭では分かっています。なんも手を入れず完成させたいなあと思う事も少なくありません。
そこで私が考えたのは縛りプレイです。基本であるパーツ整形から何も行わず今日だけで塗装まで全てを終わらせる「1日モデリング」の決行だぜ!!
と、なんだかんだくだらない講釈を垂れてしまいましたが、これはこれでプラモデル本来の醍醐味を味わえる至福の時だったりします。休日だとしても時間に限りがありますので、それ以前から作業工程を練らなくては完成も覚束きません。どのようにして完成まで至らしめるかを考える効率化の構築はオタク男子の得意とするところでもあります。
画像は機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ「グレイズ」1/144スケールとなっています。6年前に作った物です。
ランナー状態でグレーを缶スプレー。シリコンバリヤーを塗布。アクリル系ブルーを筆塗りしてから組立。その後、薄めたマジックリンを含ませた筆でブルーを剥がし塗装。
Mr.ウェザリングカラーのブラウンをドバドバぶっかけてから、瞬着硬化スプレーを小刻みにプシュプシュ吹いて斑にすると言う乱暴な塗装をしたものです。なかなか面白い仕上がりになったと思います。
こちらはバンダイの「ファーストオーダー・タイファイター」1/72スケールです。メタルカラーのダークアイアンとクロームシルバー2色だけで塗装。ウェザリングしただけの簡単仕上げです。
こちらもバンダイのスターウォーズ・シリーズから1/12スケールの「C-3PO」。
基本塗装は行わずMr.ウェザリングカラーだけでメッキの輝きを消して行きました。二枚目画像がキットのままのギラギラ状態です。バンダイのプラモは塗装なしでも色分け成型されているので短時間モデリングにはうってつけですね。
こちらは5年前にバンプレストのプライズ景品を仕事の休憩中30分でウェザリングしたものです。かなりラフな汚し方をしましたがなかなか格好良くなったと自画自賛。
以前アップしていますが、こちらのナッツロッカー1/35スケールも2010年の大晦日に1日モデリングで作ったものですが、結構ディティールアップしているので今回の趣旨からは外れていますね。10時間以上ぶっ通しで作業して本当にぶっ倒れそうになりました。
まあ、詰まるところ1日で作ろうが納得出来るところまでじっくり作ろうが、完成しようがしまいがプラモデル作りは面白いです。老眼になって10年を過ぎた私ですがハズキルーペや卓上ルーペ、実体顕微鏡などを用いる事で以前よりも上手く作れていると思いますし、出戻りしてから20年の経験値は進化した道具マテリアルと合わさる事でかなり上昇していると感じられます。一生かけても作り切れない程の積みプラもありますし明るい未来しか想像出来ません。
またコロナ禍は憎いですけど巣籠もり効果でプラモデルが売れているのは朗報と認めざるを得ませんし、収束しても模型趣味を継続してもらえれば最高ですね。あわよくば家族お子さん職場の仲間にも楽しさが伝播して模型人口が増えて行く事を期待しています。
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