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2025/02/12

ELDEN RING Shadow of the Erdtree

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本編の発売から2年を要して実装された有料の大型DLCとなります。
エルデンリングのDLCはこれ一本のみと明言されており、ボリュームとしては本編の三分の一以上はあるかと思わせる規模となっています。

 

steamでの現在評価は「やや好評」8万件のレビュー。
本編の「非常に好評」70万件と比較すると随分評価を落としている感はしますが、個人的には多少の不満はあれど大満足の出来映えだったと肯えます。

 

評価を落としている理由は明確で「難度が高すぎる」からに他ならないでしょう。よく言われている「敵だけ楽しそう」と言う評が的を射ているかと思います。本編のボス敵たちもシリーズ屈指の強さを誇っていますが、それに輪を掛けて手強いと感じられる程です。
敵の攻撃ターンが長いのに対してこちらの手数が少なくなってしまっている訳です。このような部分に楽しみが見出せないプレイヤーが多いと言う事なのだと思います。

 

しかし個人的な見解を言わせてもらえば「だって、これフロムの死にゲーだよ」の一言に尽きてしまいます。
エルデンリング本編も発売当初は最初のボスであるマルギットやツリーガードが強すぎて倒せないと話題になりました。
そう考えると何を今更案件なのですが、それだけエルデンリングが大ヒットして売れ過ぎてしまった事に要因があるのかなと思います。それまでフロムの死にゲーに馴染んで来なかったユーザーであれば、ボス戦は何十回、何百回と試行錯誤しながら精度を上げて行く作業が当然であった事にピンと来ないでしょうし、実際エルデンリングには簡単に味方を召喚できる遺灰システムが導入されています。これによって敵の行動パターンを掌握しなくてもクリアする事が容易となりました。この救済措置があったればこその大ヒットであった事は間違いないと思います。加えてオープンワールド化した事で苦手な敵を後回しにしてレベル上げに勤しんだり武器を強化出来る融通も有しています。フロムの死にゲーがライト層にも行き渡る施策を講じた訳です。

 

それでも本作DLCは難度が高すぎると評価を落としているのです。
実際そう批評されても仕方がないほど難しいのは確かです。ボス戦であれば本編にも増して遺灰を使用する事が前提の難易度とも取れますし、一般的なモブ敵であるメスメル兵の斧攻撃で生命力50のキャラが2発で死ぬなんて事もザラです。
発売当初フロム側はレベル150キャラ推奨としていたので、私もDLCに備えてキャラを作り直したのですが、本当にこれでクリア出来るのかと懐疑するほど難しかった。

 

DLCでは「影樹の破片」と言うアイテムがあり、これを集めて行く事で自キャラの攻撃力と防御力をアップさせて行く事が出来ます。これを最大の20まで上げればレベル150のキャラで良い感じに戦えるようになるかなと言う印象ですね。まあ、フロムの事前情報は当てにならない事が多いと言わざるを得ません。エルデンリング本編発売時も30時間でクリア出来ると言っていましたが絶対に無理でしょう。私はボス戦で遺灰なしと言う縛りをしていましたが200時間かかりました。初回プレイだったのでレベル制限なし250まで上げてこれですからね。まあ、たった30時間で終わらせたくない最高のゲームですので、これに関しては逆に良かったと思っているくらいです。

 

DLCが発売されてから随分と経ち攻略法もほぼ出揃った感がありますから、現在ではそこまで難しいとは感じなくなっています。それでも難しい事には変わりないのですが、遊び続けているプレイヤーは敢えてレベルや遺灰縛りをしている層だと思うので、当初感じられた高難度が負ではなくなっているのではないでしょうか。私もプレイ時間は500を超え、5キャラ目で新規プレイを楽しんでいます。
とは言え新しく取り込んだプレイヤーを思うならば難易度はもっと低くても良かったのではないでしょうか。生粋のフロムユーザーは言われなくたって自ら縛りプレイをして楽しむのですから、多くの人にもう少し遊べる余地を残して欲しかったとは思います。

 

これまでのフロムのゲームはDLCで評価を高めているものが殆どなのですが、何故今回のエルデンリングはそうならなかったのか。穿った見方をするならば、ダークソウルⅡの時のように宮崎さんが本噛みしていないのではと勝手に思っています。
ダクソⅡの裏でブラッドボーンを制作していたように今回も裏で新プロジェクトに忙しくしているのではないかと邪推。氏がインタビューで答えていたように「毒沼」の要素も極端に減らされていますしね。これは冗談だとして他にも理由はあるのですが多分間違いないのではないでしょうか。

 

 

最後にDLCで感じた不満要素について。

 

フロムの作品はとにかくマップ地形の完成度が高く仕上げられています。特にエルデンリングは戦闘がないとしてキャラクターを移動させているだけでも楽しいと思える程です。個人的にはゼルダBOWと比較しても一段階上のレベルに達しているとさえ思っています。

 

エルデンリングのオープンワールド要素に否定的な意見も偶に見受けられますが、初回プレイ探索時のスリルは極上の楽しさを提供してくれます。そうしてそれ以上に特筆すべきは周回プレイ時の効率化をプレイヤーが構築出来る融通にあると感じます。
ダークソウル過去シリーズも進行状況をある程度コントロールする事は出来ましたが、エルデンリングはその比ではなくかなりの自由度を持っています。

 

例えば、今回はグレートソードを使って周回したいからケイリッドで速攻入手。ノーマル鍛石をこのルートで集めて先ずは強化10まで。その道中に聖杯瓶も増やしといて固定ルーンを集めてキャラもレベルアップ。神秘派生にしたいから取り敢えずラダーンだけ倒しておくか、戦技は巨人狩りを使うからあそこに寄り道してと……このようなフローチャートを作って行く楽しみ方を考えられて実行出来るのです。
その間は殆ど敵の戦闘を無視出来ると言う融通も発揮出来ます。これはオープンワールドだからこそ可能であるプレイ方法と言えるでしょう。
エルデンリング並びにフロムの作品は周回プレイに意義があるので、この恩恵は計り知れませんね。

 

と、ここまで褒めちぎったオープンワールド化したマップなのですが、DLCでもその完成度は他のゲームとは比較にならないほどの完成度を有しています。
しかし、あまりにも良く考えられ構築されている事から複雑化してしまっているのです。
眼下に見えるアイテムを入手する為に、上に登って下に降ってあそこを通り抜けてジャンプして……と言った事例が頻発します。その解法を見出せた時はなるほど凄いとカタルシスを覚えるのですが、その行程が複雑過ぎて辟易する事しばしば。これはフロムのマップ職人の方がレベルアップし過ぎた弊害かなと思ってしまいます。プレイヤーを置き去りにしている感は拭えませんね。
そうした苦労の末に入手出来るアイテムの大半が「えっ、これなの?」と言う価値の低い物が多いのもDLCの特徴です。ここだけが残念な部分かなと言う個人的感想となっています。まあ、遊んだ方全ての感想だと思いますが。

 

 

と、ここまで書きましたが自分はDLC肯定派です。
これまでのダークソウルシリーズ同様10年20年と楽しめる作品なのは間違いないですし、宮崎氏は「これ以上の規模の作品はもう作れない」と語っていますから、シリーズの中でも特異な作品として輝き続けるのではないでしょうか。
自分は500時間プレイしていますが、やっと中級者に足を踏み入れたレベルかなと感じています。本編のボスはバフ、強戦技、遺灰なしで7割程度の勝率となっていますが、DLCボスは勝率2~3割と言ったところでしょうか。まだまだ研鑽の上プレイに没頭したいと考えています。

 

新しい曲を聴いた時に即素晴らしいと感じる事は稀であって、聞き馴染むに従って脳が記憶の先読みを行い名曲たらしめる事ってありますよね。エルデンリングDLCはまさしくそんな作品だったりするんですよ。良きにしろ悪しきにしろ。


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