2006.02.10

ゼビウスの系譜(12)

1986年、散々消費し尽くされたゼビウスのゲームシステムは時代遅れとなりつつありました。

argusアーガス
1986 NMK/ジャレコ

●強制縦スクロール+任意横スクロールループ●空中地上撃ち分け●面によりショット形態変更●パネル×3パワーアップ●パワーアップ次面リセット●空中障害物●着陸ボーナス

空中地上撃ち分けからゼビウスのシステムを色濃く継承しているのですが、随分と趣の異なる作品となっています。
先ず空中に障害物が浮遊している事が特徴です。破壊可能なものと出来ないものがあり難度を上げています。その雰囲気だけで云えばB-WINGに近いと見る事も出来るでしょう。
これにより自機は移動とショットを遮断されるのですが、敵は障害物などお構いなしに攻撃して来るので理不尽感が募ります。

また敵のアルゴリズムが独特です。素晴らしいキャラアニメーションと流麗な動きは一見に値すると思うのですが、出現位置や弾の射出位置などが自機に近すぎる嫌いがあり、また理不尽な印象を植え付けます。

敵地上物が射出する弾が放物線を描いて迫って来るところは新鮮を提供します。
素晴らしいグラフィックや考えられたアニメーションなどに目を奪われるも、あまりに難度の高い事から遊べない作品となっています。もう少しユーザーを遊ばせてくれる配慮があったらば……と残念に思えてしまいます。

以前書いた記事がありますので宜しかったら参照して下さい。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2004/12/post_22.html
→亜流


darwinダーウィン4078
1986 データイースト

●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け●自機体力2●複雑なパワーアップ●僚機成長

デコらしい一風変わったゼビウスタイプのSTGです。特定の敵を倒してアイテムを入手するパワーアップ方式が取られていますが、タイトルからも分かるように進化論がテーマとなっています。
進化もあれば退化もあり時には突然変異も偶発する事から、ただ闇雲にパワーアップするだけでは立ち行かない工夫を仕組みました。……とは云いつつもあまり活かし切れていない感もあります。正直を云えばちょっと変なゼビウス程度の作品となっています。

自機のパワーアップは独特なものとなっていて、他のSTGにはないゲーム性を入手する事には成功しています。音響も独特なものを持っています。強力なショットが多い都合からか、敵の動きがトリッキーで見切り難いのは痛し痒しですね。
また地上攻撃が貧弱でストレスを感じます。ツインビーのような融通があったら良かったのではないかと思ってしまいます。それほど精度を要するゲームではないので尚更でしょう。

他では味わえないゲーム性を所持しているわりには、新しいシステムが組み込まれていない不思議な作品です。
→亜流


tokiobスクランブルフォーメーション
1986 タイトー

●強制縦スクロール●1ボタン空中地上攻撃●僚機隊列変更

敵を倒す事で僚機となるオプションを入手し、隊列ボタンを押し攻撃属性を変更させます。
空中敵に強い隊列、地上物を倒し易い隊列、またはその中間……これを駆使して進む内容となっています。
アイディアは面白いのですが、如何せん練り込みが不足していて単調な感が拭えません。面の構成もお座成りっぽいですね。面内で空中ステージと地上ステージと切り替わる事も多いのですが、繋ぎのテンポも最悪なものとなっています。キャラクターの雑な挙動も気になります。ゲーム性もかなり低いと云わざるを得ません。
→亜流

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2006.02.09

ゼビウスの系譜(11)

tige0001タイガーヘリ
1985 東亜プラン/タイトー

●強制縦スクロール●一元ショット●ショット射程距離あり●ボンバー●僚機種類ゲーム内選択

現在のSTGに於けるボムシステムを初めて確乎としたものに仕上げた歴史的作品です。

ショットボタン一つで全ての敵を倒せるスターフォースの流れを汲むシステムが取られていますが、地上物しか出て来ないゲームなので捉え方が難しいですね。それでもゼビウスの影響から作られたものである事は間違いないでしょう。

以前書いた記事がありますので宜しかったら参照して下さい。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/03/post_16.html
→スターフォース亜流


gunsmokjガンスモーク
1985 カプコン

●強制縦スクロール●一元ショット●ショット方向指定●ショット射程距離あり●ストック制パワーアップ●馬バリア●敵当たり判定の妙

戦場の狼からの流れを汲むゼビウス亜流作品です。
強制縦スクロールSTGのショット方向を、従来のデバイスのみを用い指定操作すると云う意味で、私が最も良く出来ていると感じるのが本作です。
自機移動にレバー、ショットには3ボタンと云うものなのですが、詳細は以前書いた記事を参照して下さい。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/03/post_8.html

前方に進む事を余儀なくされたゼビウスタイプのSTGではこれ以上のショット範囲が必要ないと思います。コンパネに並列された3ボタンがショット方向を感覚的に分かり易くしている事も素晴らしいところです。
問題は自機が人間であるので多少不自然を提供する部分と、せっかくのショットシステムを受け容れないゲーム内容にあったと思います。もう少しフィールド側面建物の窓にいる敵をメインとするなりの工夫次第では画期的な作品と成り得ただけに残念に思えてしまいます。敵は全方向に弾を撃てる事も理不尽に感じます。却って前方のみの任意スクロールにしても良かったのではないでしょうか。

またフィールド側面を地形としたメカ物であったらこの理不尽感はなかったと思います。イメージファイトを本作のショットシステムでプレイする事を想像して見ると分かり易いかも知れません。
意味のない想像だとは思うのですが、好きなゲームであるだけに悪い部分が目立ってしまうのですよね。
バンクパニック→影響?
→亜種


finalizrファイナライザー
1985 コナミ

●強制縦スクロール●一元ショット●ツインビー型パワーアップ●前方のみバリア●貫通弾●タイムストップ●パワーアップ体当たり

ツインビーのリアルメカ版とも受け取れる内容のSTGです。特徴はロボットに変形した際、シールドボタンを押すと前方に盾を構える事くらいですね。しかし盾を使わない時の利点が皆無である事からボタンを独立させた意味が全くありません。
アイテムによっては入手した際にスクロールが停止してしまう事もテンポを悪くしているだけです。
貫通弾を入手した際の爽快感は素晴らしいと思えるのですが、出現する敵がもともと少ない為に面白さを提供してくれません。
美しいグラフィック以外に見るべきところの存在しないコナミ駄目ゲームのひとつですね。
→ツインビー亜流

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2006.02.08

ゼビウスの系譜(10)

asoASO
1985 SNK

●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け●対地推進型ミサイル●パネル×3パワーアップ●パワーアップキープ●8種類のパワーアップアーマー●面内ワープとリバース●時間経過ボーナス●2周エンドゲーム

自機をパワーアップさせる事に特化したかのような斬新なSTGです。
地上物を破壊する事によりパネルが出現し入手する事でパワーアップすると云うものなのですが、即効性がなくパネルを3枚集めて一段階上昇します。自機性能に関するもの(S:スピード、L:レーザー、M:ミサイル)は三段階までパワーアップし、途中でパワーアップの色に対応したK:キープパネルを入手する事で、ミスしてもその段階のパワー性能から継続出来るようになっています。
逆さ文字、または鏡文字となっているものはパワーダウンしてしまうパネルです。故意に自機性能を落とす意味のないゲームですので、これは意地悪な罠として作用しています。

Bパネルはボーナス点加算となっているのですが、出現させてからのスクロール距離で点数が変わると云う珍しいシステムが取られています。早く出現させて遅く入手する事で高得点となります。単純ではありますが非常に考えられたものだと思います。

W:ワープとR:リバースはそれぞれ面内での一定距離を進退するものですが、リバースを使った不毛な点数稼ぎのある事を考えると蛇足であったかも知れませんね。プチワープと云う意味では面白いと思います。

本作のメインであるパワーアップアーマーも三分割されたものを集める事で一種類入手した事になります。
8種類存在する何れもが有用で(一部使わないものもありますが)個性的なものである事は評価に価しますね。
特にボス敵でさえも一撃で破壊出来る威力を持つサンダーアーマーには度肝を抜かされました。現在のSTGに流通しているボムよりも強力なボムと云えるでしょう。

地上用ミサイルはゼビウスのような着弾点を設けた一点攻撃型と違い、直線上に進む当たり判定を持っています。目立たない部分かも知れませんが新しいシステムでした。

地上にあるパワーアップパネルやアーマーのパーツ類にも当たり判定があり、ミサイルが通過しないシステムは不親切にも思えるのですが、空中敵の少ない本作ですので、これも罠の一種と捉えて良いのかも知れません。

ASOはその複雑なパワーアップシステムと高い難度からマニアに受け容れられた作品と云う印象があるかと思いますが、実際にはサラリーマンなどの一般層がインカムに貢献する事でロングヒットを記録したゲームなのです。
実際のところ敵の攻撃が激しくない事から反射神経や動体視力を特に必要としません。敵の配置を憶え先手を取り、アーマーの使いどころを考えるパズル的な素養を持ったSTGであると云えるでしょう。このような独特なゲームであった為に以後正常進化を遂げた作品が現れていないのが残念でなりません。
→亜種

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2006.02.07

ゼビウスの系譜(9)

hal21HAL21
1985 SNK

●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け●二人同時プレイ●無敵+ショットパワーアップ●一部地上物当たり判定あり●フルオート連射

エグゼドエグゼス、ツインビー、本作がほぼ同時期に市場へ出たゼビウス亜流二人同時プレイSTGとなっています。前出の2作品に較べると特に工夫された箇所も見当たらず、かなり地味なゲームとしか印象にありません。グラフィック、サウンドも旧態依然としており目立つものとは云えませんでした。

強いて特徴を挙げると、敵弾が異様に多いところが現在で云うところの弾幕STGに近いものを感じさせます。その敵弾は速度が低く8方向にしか射出されない事から誘導し易いものとなっています。あまりの弾の遅さに敵がそれを追い抜いて行く光景が日常です。

地上に配置してあるEパネルを5個入手する事で一定時間無敵となり、ショットの性能が上がります。またゼビウス亜流としてショットのフルオート連射を付けた最初の作品かも知れません。しかし数珠繋ぎに連なった敵に撃ち負けてしまうので効果は薄いものでした。

ゼビウスの隠れキャラであるソルを意識したと思われる地上物が一定範囲内に近付くと出現します。これは当たり判定を持った障害物として扱われています。当時、初めてプレイした友人が「ソルにやられた……」と驚いていたのを思い出しました。

ミスした際にその場復帰する点はエグゼドエグゼスと同様に当時として珍しいシステムでした。

二人同時プレイに於けるシステム変化と特徴も見出せません。ゲーム性は低くないのですが単調で全く面白くない作品となっています。
→亜流

wyvern1ワイバーン F-0
1985 タイトー

●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け●エネルギーによる緊急回避●アップライト筐体

通常モニターに地形と地上物、ハーフミラーに空中物を描き重ね合わせる事で特徴的なグラフィックを作り出していましたが、どうしても空中物が透けてしまう負があるのでゲーム性が低く感じられました。
特殊アップライト筐体だった事もあり大きなタイトー直営店にしか設置されておらず、現在にプレイ出来る環境も皆無、私も数回しか遊んでいないので詳細な情報が提供出来ません。
→亜流


terracraテラクレスタ
1985 日本物産

●強制縦スクロール●一元ショット●合体パワーアップ●無敵パワーアップ●フォーメーション

ゼビウスの亜流でありスターフォースの流れを汲んだSTGと云えるでしょう。
空中地上の敵を一つのショットで破壊出来る部分に単調を見たのか、破壊不能な障害物が配置されています。
全く新鮮味のないシステムでグラフィックとサウンドも凡庸の域を出ていませんが、プレイして素直に面白いと感じられる作品となっています。
→スターフォース亜流

以前書いた記事がありますので宜しかったら参照して下さい。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/03/post_20.html

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2006.02.06

ゼビウスの系譜(8)

twin0001ツインビー
1985 コナミ

●空中地上撃ち分け型●アイテム、ショット打ち込み式パワーアップ●地上物ボーナスアイテム●自機ダメージ、能力低下●自機全体バリア●自機性能分身●協力プレイシステム●ファジーな対地攻撃

ゼビウス亜流作品の二人同時プレイ物として最も有名なSTGだと思います。
企画当初から二人同時プレイを考慮されていたようで、協力する事で有利になるアイディアが幾多盛り込まれています。
自機同士が上下に重なった時の多方向ショット(単発)、左右に繋がった時には当たり判定の大きなショットを連射出来ます。またアイテムを入手する事で出現する巨大ボールをキャッチボールする(相互間の往復)アイディアが面白いところです。

左右に繋がった場合は片方がレバーをニュートラルにして置く事で、もう片方が操作の主導権を任される形となります。これはゲーム初心者への救済措置と見ても良いでしょうね。ゲーム好きの彼氏がゲーム下手な彼女を誘ない難所を突破する……と云う設定から生まれたものなのかも知れません。
ポップでカラフルなグラフィックとこのようなシステムから本作の求めていた客層が判然します。

特徴的なパワーアップシステムも譲り合いを意識させるため二人同時プレイに適していると思います。

しかし現役稼働時にゲームセンターで同時プレイをしている人は案外少なかったと思います。
極端に出荷台数の多い作品ではなかったのと、私の通っていたのがハイスコアラーやマニアの巣喰う仙台キャロットだったからと云うのも原因かも知れませんが、一般人の遊ぶには難度が高いゲームであったのではないかとも思います。

決して難しいゲームではないのですが、それは順当にパワーアップ出来る事を前提とした難度であると考えます。ご存知のようにベルをショットで5発撃つと白→青→緑→赤と変化して、入手する事でその色に応じたパワーアップを得られる訳ですが、色変化したベルはショットを一発でも当ててしまえば黄色(点数)に戻ってしまいます。これが為に初心者は思うように装備を整えられなくなっているのです。中級者以上の方でしたら大して難しい作業でもありませんし、ゲームに順応出来ていないと一蹴されてしまうかも知れません。
しかし本作の取り込もうとした新しい客層と云う観点から考えるとシステムの不備とも取れてしまうのです。せめてベルの色変化耐久力を2発分にするなどの親切があっても良かったのではないかと思います。
一度ミスした後の救済措置としては、続編の出たな!!ツインビーで溜め撃ちを導入し賄っていると云えるでしょう(どちらかと云えばR-TYPE以降の流行として取り入れられた感もありますが)。

それでも本作が良く考えられたゲームであると云う部分に疑いは持ちません。前出の扱い難いパワーアップシステムの弊害で隠れてしまってはいますが、STGとしての本質である敵を撃つゲーム性は高く出来上がっていると云えるでしょう。爽快感などが高いと云うよりは中毒性が持続するとした方が的確かも知れません。
スコアの為にベルを連続して入手するリスクを除くと、1942と同等の素晴らしいプレイ感覚を提供してくれます。
1942が的確な射撃を要する集中力型だとすると、ツインビーは適当な操作でも何とかなってしまう蹣跚型と云えます。

このゲーム性が作られたのはバリアの導入と3方向ショットの準拠だとして間違いないと思います。
それまでのゲームにも或る条件の下無敵となれるバリア、シールドシステムは存在しましたが、ツインビーのように大きな耐久力を持つものは皆無であったと云えます。厳密な耐久値は分からないのですが、敵弾を10発20発くらっても消滅しないほどです。バリアを入手する事で自機当たり判定が大きくなり難度のランクが上がるシステムが取られているとしても、これは大英断だったのではないでしょうか。ひとつの発明としても大袈裟ではないと感じます。
ちょっと穿った見方をすれば、バブルシステムと云う新しいハードで扱えるようになったグラフィックの効果をバリアに使用してみたら非常に見栄えが良かった……制作者のエゴとしてどうしても前面に出したい……ではバリアを大きくしてそれ以上に難度を上げてしまえ……と云う図式が見えなくもないですね。

空中地上の攻撃を別ボタンとするゲームでは、ゲーム内テンポの途絶が避けられない懸案であったと思います。
本作に於いては照準を設けずに或る程度の誘導弾とする事でその問題を克服しています。実際に遊んで見るとかなり融通の効いたものとなっている事がお分かりになると思います。
テンポを妨げないどころか単発である地上弾であるのに或る種の爽快感まで提供してくれています。
それまでのゼビウス亜流作品で最も御座成りとなっていたゲームとして重要な部分を改善した功績は高いですね。これが為に空中地上撃ち分けのストレスが殆どと云っても良いほど感じられなくなりました。

ツインビーは現在にそれほど名を馳せるゲームとして語られていませんが、独特なテンポと程良い中毒性を生み出す新システムを導入し、二人同時プレイSTGとしては初期のものであるにも関わらず能く考えられたシステムが搭載された見逃す事の出来ない作品となっています。
また当時マニアが群れていたゲームセンターで実現しなかった新規客層の開拓は、ファミコンへの移植によって或る程度は成功していたようです。STGに興味のない私の妻が実弟と遊び込んでいたとの昔話でも想像が着きます。
二人同時協力プレイSTGとして最初で最後の力作だったと位置付けしてしまっても良いかと思います。
→亜流・二人同時プレイ

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2006.02.05

ゼビウスの系譜(7)

1985年前半、時代は二人同時プレイへ……

savgbeesエグゼドエグゼス
1985 カプコン

●一元ショット●弾消しボム●ショット射程距離変化●ショットパワーアップ●ショット当たり判定大●地上物当たり判定有り●全滅アイテム→ボーナスキャラ●スコアによるエンドゲーム

1942の大ヒットを受けた同社の同ジャンル作品として前評判の高かった本作は多くのゲームセンターに設置されましたが、結果はと云うとオペレーターの期待を裏切る短命な物としかなりませんでした。
美しいグラフィックと絢爛豪華な内容に一部のマニアが喜んだ程度の人気であったと云えるでしょう。

1942で企画の一端を任された岡本吉起さんが独り立ちした作品としても有名です。
それまでになかった新しいアイディアが幾つか搭載されているのですが、気合いを入れ過ぎた嫌いもあり、消化不良どころか取り止めのないSTGとして完成してしまいました。
個人的には大好き作品なのですが、私はここに関西人のえげつなさを見てしまいます。面白くなりそうな物を後先考えず何でも詰め込んでやる……と云う思想が受け取れるからです。悪くすると1942のシンプルな好企画が手抜きか偶然にも思えてしまいます。


二人同時プレイのゼビウス亜流作品としてはツインビーよりも早く発表されています。
その差は一ヶ月ですので企画は同時期に並行していたとして、ゲームシステムの発展がメーカーを問わずそちらに向いていた事に間違いないでしょう。

同時プレイと云う部分で見るべきところは、現在で云うボム(メガクラッシュ)のストックを二人で共有しているところですね。これは即効性のあるボムで瞬時敵の弾を消滅させる事が出来ます。また一瞬自機に無敵時間が作られているようにも見えます。
開発段階では敵弾をショット2発で相殺出来るシステムだったそうですが、何らかの理由でボムに生まれ変わったそうです。
ショット相殺システムについて云うと、グラフィックから作られる納得感が表現し難かったのではないでしょうか。または連射を余儀なくされる本作では敵弾を相殺している内は敵本体を倒せないと云う矛盾に行き当たったのかも知れません。
難度が極端に低くなる可能性もあります。本作では画面後方から出現した敵がそのまま弾を撃って来る事が多いのですが、これも開発段階での名残であるのかも知れません。

地形に置かれた敵砲台が左右に按配されているので、同時プレイの際はプレイヤー1が左側、プレイヤー2が右側を受け持って進む事となります。
敵が両プレイヤーに向け交互に弾を撃って来るシステムです。ここは以降も連綿と続く普通のシステムだと云えます。二人同時プレーSTGの当然でもあり詰まらない欠点でもあるシステムではないでしょうか。
作品によってはプレイヤー2だけを狙い弾を撃ってくるものもありますが、限られたフィールド内で当たり判定が平面処理されているのですから、安易であるだけで良く出来たシステムだとは思えません。

その他には二人同時プレーである必然性のない作品となっています。
この当時は同時プレーと云うだけで新鮮でしたので文句もなく楽しんでいたのですが、20年を経た現在に於いてもこの部分に革新的なシステムを採用した作品は生まれていませんね。
ゼビウスと云う作品が一人プレイを前提に完成している以上無理もない発展の方向であったと云えそうです。
→亜流・二人同時

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2006.02.04

ゼビウスの系譜(6)

1942a1942
1984 カプコン

●強制縦スクロール●一元ショット●緊急回避●パワーアップ、ボーナスアイテム●敵複合攻撃の妙●敵隊列飛行●敵耐久力●中ボス大ボス●撃墜率●エンドゲーム

ボタン2個使用。一元ショットと緊急回避を割り振った最初のSTGと云えるでしょう。
緊急回避は宙返りの体裁が取られており、敵との高度を異にするところから納得感があります。最中に移動可能な点も見逃せません。また、宙返り後に画面上の敵弾が消滅する部分には以降の特殊ボムシステムの原型が見られます。

空中の敵しか存在しない事からショットボタンを一つとした部分には、スターフォースと同様に内容のシンプル化を目指した結果が見て取れます。


新興メーカーとして登場し大成功を収めたカプコンですが、当時のプレイヤー達が諸手を挙げて迎え入れた訳ではありませんでした。
まだナムコのオリジナル作品たちがゲームの基準であり絶対とされていた時代でしたので、カプコンが続々と市場へ投入する作品はグラフィックのみを綺麗に書き直した劣悪なコピーゲームと取られていたのです。

特にゼビウス熱の醒めやらぬ当時、1942は最悪の評価のもと稼働していたと云っても差し支えないほどでした。
縦スクロールSTG=ゼビウスの模倣と云う印象があったのが理由です。また米軍が日本を攻撃する内容も印象の悪さを助長していたと思います。

そこそこ面白いのだけれど本気で遊び込めるほどの深さを持っていない……これがゲーセンに巣喰っていた多数のマニアが下した評価でした。
‘84暮れあたりに発表された1942は年を越して暫くすると、殆どのゲームセンターで1、2台は設置されているほどの大ヒット作品として活躍し出します。

これは一般サラリーマンやマニアとは云えないヤングアダルトが客層として付いたからに他なりません。
STGとしての原初に満ちた敵を打ちまくると云う内容を評価したのは彼らだったのです。

ゲームとして考えると1942は、「ゼビウスの空中戦だけでも面白いのではないか……」と云うあたりから企画されたのではないかと思われます。あくまでゼビウスをシンプル化しようとしたスターフォースとは出所が近いように見えても全く相違しているのです。

スターフォースからは作家性とも取れる矜持が感じられます。ゼビウスに負けないものを作ろうとする気概も見られます。敵キャラクターの色をゼビウスの銀色に対して金色に設定した部分もその現れかも知れません。連射をデフォルトとする内容にマニアへの挑戦と云う意味合いもあったでしょう。

対して1942には制作者のポリシーめいたものが感じられません。
当時まだ物珍しかったものの安直なパワーアップアイテム、プログラム的にも簡単な敵の複合攻撃、単調を思わせない為だろう中ボス、大ボスの追加。あまり意味のないボーナスステージ。ギャラガからちょっぱって来た撃墜率……。
しかし全てがゲームの面白さに直結しているのです。ここに企画書の上での完成度と、実際のゲームに落とした時の面白さの矛盾相違があり、私達に研究を強いる何かが隠されていると云えます。

長くなってしまったので最後に補足だけ、1942は敵に耐久力を取り入れた最初の成功例でもあると断言出来ますね。
→亜流

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2006.02.03

ゼビウスの系譜(5)

gyrodineジャイロダイン
1984 CRUX/タイトー

●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け●ショット方向撃ち分け●誘導弾ショット●地上ショット連射●見えない敵●減点制度

空中地上撃ち分け。それまでのゼビウス亜流作品はオリジナルに倣い、空中と地上への攻撃を別の武装で賄っていると云うグラフィック表現を採用していました。

本作では空中地上の差なく一つのバルカン砲で攻撃していると云う設定を採用しています。
結果的には2ボタンを空中、地上に割り振っているのでシステム上での差違はないに等しいのですが、地上への攻撃も自然に連射出来るようになったのが小さな発明と云えます。そして地上攻撃でも自機の目の前であれば空中敵への当たり判定を持つ事になっています。これは同じバルカン砲であるので高さの概念を表現したスパイスとも取れるでしょう。

また2ボタンを同時押しする事で強力な誘導ミサイルを発射する事も出来ます。
本来ならば3ボタン仕様としても良い部分ではありますが、自社開発の製品ではないと云う負がハード的リスクを避けたその理由なのかも知れません。
若しくは開発途中で本作が抱える操作上の大きな欠点に気付いて急遽追加された攻撃システムと穿つ事も可能です。

その欠点とは、自機の移動に合わせてショット方向を指定出来るシステムに他なりません。
具体的には自機が右方向(斜め上下も含めて)へ移動するとショットも同一方向へ発射されると云う仕組みです。もちろん左方向も同様です。

これが何を意味するのかと云えば、自機の敵を避ける移動行為がショット方向をも同様にしてしまい敵を破壊出来なくさせてしまうのです。
例として右から接近して来る敵を避けるには当然左へ移動しなければなりません。ショット方向も左へ向いてしまうので接近して来る敵の明後日をしか攻撃出来ない……これは致命的な欠陥ですね。

ゼビウスとの差別化を考えてのショット方向切り換えシステムだったとは思うのですが、思慮が足りなかったばかりに残念な結果となってしまいました。

しかし当時としては驚くほど緻密なグラフィックと彩度を抑えたセンスの良いキャラクターは現在の目で見ても素晴らしいと感じられます。個人的にも結構遊ばせてもらいました。
また民間人や動物を殺すとスコアが減点され難度が上がるシステムも面白いところです。
→亜流

bwingsB-WING
1984 データイースト

●強制縦スクロール●上昇下降●1ショット●奪取パワーアップ●機体セレクト●横スクロール●地上地形当たり判定●空中障害物●バグ点数稼ぎ●大ボス●エンドゲーム

ゼビウスの系譜とするには無理がないとしても風変わりな作品ですね。流石デコだなあと思わせます。
生前のジョージ・ハリスンが云っていました。レゲエとは不器用な南米人が演奏出来なかったロックであると。乱暴だけど妙に納得出来てしまう見解です。
ゼビウスとB-WINGの関係は正しくこれではないでしょうか?


以前書いた記事がありますので宜しければ参照して下さい。
http://babsika.cocolog-nifty.com/okiniiri/2005/04/bwing.html

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2006.02.02

ゼビウスの系譜(4)

1984年後半……ゼビウス発表から一年半が経過した事で、我々レトロゲーマーに取って馴染み深い作品が多数登場して来ます。

starforcスターフォース
1984 テーカン(現テクモ)

●強制縦スクロール●一元ショット●ショット速度パワーアップ●横スクロール●連射を前提にした隠しボーナス●ループマップ点数制●敵弾速度変化

ゼビウスの系譜から大きな枝を派生させた重要な作品です。
その最も大きな発明は、単一ショットで空中と地上物を問わずに破壊出来るシステムでしょう。

ゼビウスの特徴である空中地上への撃ち分けシステムの呪縛が解かれた瞬間でもあります。云うなればゼビウスが提唱したリアルな世界観を、ゲーム的な楽しさを優先させる事で反古にしたシステムの発明とも受け取れます。

本作の開発コンセプトは「爽快感」がメインであったと考えます。

もちろんゼビウスにも高い爽快感は用意されていました。主に空中物を破壊した時に発する絵と音のエフェクトがそれを作り出しています。
これに地上物の破壊が加わる事で独自とも云えるゲーム性が形成されている事に疑いを持ちません。
しかし地上物を破壊するには、対地ブラスターが連射出来ない為に狙い澄ませた射撃テクニックと地形の暗記が必要とされていました。ここにあるものは爽快感ではなく充実感と云う到達を意識させるゲーム性であり、今迄のゲームでは使う事のなかった脳を刺激する複雑さであったと思われます。

ゼビウスのこれまでに類を見ない知的で優れたゲーム性は多くの人を虜にしましたが、複雑を許容出来なかった多くの落伍者も生んでしまいました。ゼビウスが発表された後もロングヒットを続けた同社のギャラガに私は「保守と救済」の文字を読みとります。

ここまでに現れたゼビウス亜流作品の多くは、その世界観までも模倣しようとして出来なかった駄作と云えるものが殆どを占めています。
グラフィックやサウンド、衝撃的なボスキャラ、理不尽な隠れキャラがゼビウスの全てだと思われていたのでしょうが、ゼビウスを名作たらしめていたのは、複雑がもたらした脳の開発だと考えます。これが為に表層にある不思議要素がそれこそ倍加してユーザーに迫って来ていたのではないでしょうか?

スターフォースの開発者がどの程度に於いて研究分析していたのかは想像も出来ないのですが、ゼビウスの魅力であった一大要素を放擲してしまった事に変わりはありません。だからこそ「爽快感」を充実させる事に腐心し得たのです。


スターフォースの自機は舞台となる浮遊大陸の上を低空で飛行しているように見えます。ここに単一ショットで空中地上の敵を破壊出来る工夫を見る事も出来ます。絵としての矛盾をなるべく取り除こうとした結果なのだと思います。

ゼビウスの空中物は5機程度からなる1編隊で飛来して来ますが、スターフォースはその倍以上の数量で1編隊を形成しています。地上物を含まずとも敵を破壊するゲーム性を入手させる為です。
また敵のアルゴリズムも多彩であり物理法則からの矛盾を提供しません。そして爽快感を与える為にゼビウスのような賢明を所持しないのが特徴となります(簡単に云えば倒される為に出現するキャラとなっている)

地上物が破壊ポイント2点、空中物は1点となっており、これが100点に到達すると面ボスが出現します。地上物に重要度を与えているのは、ゼビウスのレーダーであるゾルバクの名残とも取れるでしょう。ここにゼビウス研究のあとを見出す事も出来ます。

隠し要素も多くあるのですが、これはゼビウスの系譜として見れば当然の部分だと云えるでしょう。極端に複雑なものでないのがシンプルなゲームシステムに上手く合致しています。


現在に分析するとスターフォースは縦スクロールSTGと云う分野に於いて重要な作品とする事が出来ます。しかし当時のゲームセンターではそれほどヒットした作品ではなかった事実も提供します。シンプルで誰にでもプレイ出来る内容、当時群を抜いて素晴らしかったグラフィック、決して不出来ではないサウンド、そして何よりも考えられた爽快感……。出荷台数が少なかった負があるにせよ思ったほどの結果を入手していません。

スターフォースが評価されるのは後年ハドソンによりファミコンへと移植された事が切っ掛けです。しかし高橋名人と云うカリスマの影に隠れてゲームシステムの評価は行われませんでした。連射ゲームと云う印象が現在に残るのみです。
しかし、この部分にスターフォースがアーケードの名作となれなかった原因の一端があるようにも思えます。
そして直後に発表されたカプコンの1942がスターフォースが本来得られた筈の評価とインカムを根こそぎ奪ってしまう事となるのです。
→亜流

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2006.02.01

ゼビウスの系譜(3)

scionサイオン
1984 セイブ電子/セイブ電子

●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け●面内ループマップ

空中地上撃ち分け。背景に二重スクロールを用いているところが新鮮です。世界観としてはエグゼドエグゼスに影響を与えている可能性があります。

少し変わっているのが、地上攻撃を行うには味方機を敵から奪取しなければならない部分です。イメージとしてはスターフォースのパーサー合体を思い浮かべていただければ分かり易いかと思います。
全ての地上物を破壊する事で空中基地が壊滅しステージクリアとなります。これ以外には特徴的なシステムは採用されていません。確かワープなどの謎要素もあったとは思うのですが、ちょっと思い出せません。
→亜流

firebatlファイヤーバトル
1984 タイトー

●強制縦スクロール●空中地上撃ち分け

空中地上撃ち分け。グレーで統一されたキャラクターがゼビウスを彷彿させます。しかし色が濃いのと光源の設定が曖昧な為フラットでチープな印象を与えます。キャラの発光部もゼビウスと同様な赤色となっています。メリハリのない構成とキャラクターが小さい事が相俟って矮小な模倣作品に見えてしまいます。
特徴のない作品なのですが、強いて挙げればコナミのフラックアタックに先立つこと3年、火山や稲妻と云った自然現象が自機を攻撃して来る事くらいですね。
→亜流

vulgusバルガス
1984 カプコン

●強制縦スクロール●一元ショット●貫通弾●横スクロール●パワーアップボーナスアイテム●敵耐久力

ゼビウスの亜流としては空中攻撃とサブウエポンにボタンを割り振った最初の作品かも知れません。敵は全て空中物となっています。

サブウエポンは弾数制限のある貫通弾となっており、垂直に並列する敵を纏めて倒す事の他、耐久力のある中ボスを破壊する為に使用します。このような中ボスの存在も珍しかったフィーチャーです。

貫通弾は地上ブラスターの代わりに考案されたものだと思われますが、敵アルゴリズム等が練られていない為に中途半端な印象を抱かせます。
他には地上にアイテムパネルが配置されている部分が新しいところです。これは以降のカプコンゲームに欠かせない存在として機能して行きます。

ゲーム的に見ると、常に敵が画面上に出現補充される事が構成のメリハリを奪ってしまう結果を作っています。コナミのタイムパイロットに似た忙しなさが雰囲気を駄目にしていると見て良いでしょう。コナミを退社された方が建てられた会社であるならば致し方のないところでしょうか。

しかしカプコンの処女作たるバルガスがテストケースとなり、後に1942、エグゼドエグゼスが開発される事となるのです。
→亜流

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