大人の玩具
先日、東京ヤクルトスワローズの古田敦也氏が今期限りでの監督辞任、選手生活引退を表明しました。
今期ペナントレースでの最下位決定に於いての引責辞任と云う事になります。シーズン最中でペナント争いが激化して盛り上がっている中、何故この時期に発表したのでしょう?
そうです。彼は大人の食い物にされていたのです。
眼鏡を掛けていると云う理由で最初のドラフトに掛からなかった事を除けば、彼の人生は順風満帆に進んで来たと云えるでしょう。
ルーキーイヤーから正捕手として活躍し、首位打者を始めベストナイン9回、MVP2回、オールスター連続16年出場、日本シリーズMVPも2度受賞。
2005年には大卒社会人経験者で史上初となる2000本安打を放ち名球会に名を連ねました。
捕手としても超一流でデータを分析した上でのクレバーな投球組み立てと、驚異的な盗塁阻止率を誇る強肩には定評がありました。
しかし野村克也監督を師とするID野球の申し子は、その嫌味がないインテリ風貌と世間からの好感度を買われ、時に神輿として担ぎ出される役割も余儀なくされてしまいます。
プロ野球選手会長就任。これがケチの付け始めだったのではないでしょうか。
就任後ほどなくして起きたストライキ問題。大きなプロ野球機構側に挑む一選手古田敦也がクローズアップされます。狡猾な弁護士と間抜けな選手たちが人の好い彼を担ぎ出した瞬間です。涙の記者会見に世間の評判も上々。周りの大人は思いました。
「使える眼鏡のお坊ちゃんだな……」
2005年オフ、選手生活のみを続けたいとする古田を恐喝的契約内容で兼任監督に仕立て上げたヤクルト首脳陣。
2006年は上位チームの自滅で3位となったものの、今年は早々と優勝争いから脱落。
この間、球団は古田監督の話題だけで足を運んでくれるファンの収入と、マスコミ宣伝効果だけをプラスとして、マイナスになる可能性のある必要な選手補強さえ行いませんでした。
現役選手に人一倍拘泥していたものの、兼任となってからはろくな自主トレーニングや練習も行えず怪我に泣かされた続けた古田氏。
今回の辞任引退会見でも彼は堪え切れず涙を流しました。
「悲しいと云うよりは悔しいです」
正直な彼の偽りない心情だと思います。しかし球団の催した会見であり、これ以上の気持ちを公に出来ない優柔な彼のぎりぎりの行動でもあったのではないでしょうか。
まあ球団としては今の段階で会見をしておけば、ペナントレース終了まで客足が途絶える事もないだろうと考えている筈です。
彼を辞任引退に追い込んだのは何も汚い大人たちだけではありませんよ。
そうです貴方たちもA級戦犯と云う事を肝に銘じた方が良いのではありませんか……凡打してもエラーをしてもチームが負けてもヘラヘラと笑っているスワローズ選手たちよ。
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